93時限目 少年、加勢する
「おいおいおいおい!!何だ、あのバケモンは!?」
突如現れた悪魔にベニーたちは恐怖の顔で引きつっていた
「あれは、俺たちでは敵わねえ!ここは、逃げるぞ!」
「はい!!」
魔道学園の生徒たちと急いで戻る
「くそっ!魔物大発生は囮だってのかよ!?」
「む?その辺りにも、あやつらの残党が残っていたのか。ならば、汝らも我が業火を食らうがいい」
炎魔はベニーたちの気配に気づき、巨大な炎を放つ
「しまった!」
もう目の前まで炎が迫っていた
「ふっ!」
魔道学園の女子生徒がバリアを張る
多少の時間稼ぎになると踏んでいたが、それも一瞬で壊れる
そのせいで、彼女の両手は大火傷を負う
「あぐっ…、い、いたい…」
大粒の涙を流す生徒
「バカ!なんて無茶なことをするんだ!とにかく、逃げるぞ!」
ベニーが彼女をおんぶして必死になって走る
「ご、ごめんなさい…」
「謝らなくていい!それより、その手医者に診てもらおう!」
息が上がっても、疲れを見せない副会長
この人…少し…かっこいい
女子生徒はふとそんな思いが芽生えていた
☆
同時刻
「なに、この感じたことのない威圧感は…」
ヘレンが怯え始めた
窓の方を見ると
「な、何だあのでかい化け物は…」
エルトも今まで見たことのない魔物に驚いていた
そこへ
「エルト!!」
スオンがこちらに飛んできたのだ
「あれ、ヤバくない?」
「うん、ちょうど思ってたところだ」
「私とエルトでは、分が悪すぎるかな…?」
「否定したくないところだけど、そうだろうね」
意気消沈しかけている
「スオンーー!!」
「この声は…」
振り向くと、オレイアスとディルルが来た
「か、母さん!?どうしてここに!?」
「オレイちゃんがこの騒動を精霊から聞いて駆け付けたの」
「学園にいると聞いたから、急いできたのじゃ」
「それよりもマスター、あれは?」
「見るからに悪魔のようじゃの」
「オレイちゃん、悪魔は千年前からいなくなってると聞いたけど?」
「昔、チンピラ共が下級悪魔を召喚しているところ見たことがあったのじゃ。しかし、あれはどう見ても上級悪魔。とてつもなく強いと見た」
「で、オレイちゃんがエルト君の所へ来たという事は」
「うむ、妾と共にあの悪魔を倒さぬか?」
「はぁ!?」
賢者がエルトと共闘を要求するなど初めての事だ
「いやいや!マスター、さっきとてつもなく強いって言ってたよね!?」
「それは、妾が単騎で戦えばの話じゃ。お主とサラマンダー親子で組めば、勝てる見込みがある」
「さらっと言っちゃったね…。本当に勝てるの?」
「忘れたか?お主は自分の力を覚醒させたのじゃ。ならば、あの悪魔に存分に見せつけてやれ!」
「それでも、悪魔の方が強かったら?」
「妾たちもフォローするから安心せい!」
すでに勝算があると踏んでいた
「分かったよ。正直なところ、僕もマスターと一緒に戦ってみたかったんだ」
「決まりじゃな」
「エルト君、本当にあの怪物と戦うの!?」
「大丈夫、必ず勝ってきます!」
「お主もいい男の顔になったの」
「良い雰囲気が台無しだよ、マスター…」
どうも、茂美坂 時治です
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