表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

80/124

78時限目 少年、再測定する

「君のような素晴らしい人材はわが国でも欲しいものだ!どうだろうか?」


皇帝はエルトの力を目の当たりにして感動し、勧誘した


だが


「お誘いはありがたいですが、僕は乗る気にはなれません」

少年はきっぱりと断る


「そうか…。そう言うだろうなと何となく予想していたよ。無理にとは言わないが、もし興味があるならいつでも歓迎するぞ」

「ありがとうございます」


実技の授業は終わった



昼休みの食堂


いつものメンバーに加えて、グレインとオリバートも同席していた


「おいおい…、そんなに硬くなるなって…。いつも通りにしてくれればいいよ」

「そう言われましても…」


国のトップ2人と同席すると、失礼な話、少し居心地が悪い

それに、周りからの視線もなんとなく痛い


姫たちは、特に変わった様子はないが、エルトやルルは場違いじゃないかと思うほどだった



放課後


少年はサロアに呼び出されていた


「お話というのは?」

「単刀直入に聞こう。魔法が使えるようになったというのは本当か?」

「はい…」

「ちょっと、ここで見せてくれないか?」


学園長室という事で、被害の出ない光属性の光の玉(ライト・ボール)を放つ


「おお!!本当に使えるんだな!」


そして、ガシッと肩をつかみ

「では、確かめに行くぞ!」

「ど、どこへ…?」



そこは、入学式後に水晶に手を当てて、自分の魔力などを測る測定室だ


約9か月ぶりだ

もちろん、同じ人間がもう一度測ることになるのは初めてだ

そして、()()()()()()()()()()()()()()もいる


よほど、エルトの力がどれくらいなのか気になっていて仕方がない


「さあ、手を当ててみてくれ」


サロアに導かれ、少年は水晶に手を置き、光り始める


測定結果は、1辺3m四方の木の板に表示される


あの頃のエルトは、無属性だけ1という無残なステータスだった


今回はどうなったのか…

固唾を飲んで、結果を見る


エルト=ファイザー


魔力値:9999+

火属性:9999+

水属性:9999+

雷属性:9999+

光属性:9999+

闇属性:9999+

無属性:9999+


※魔力値の限界値は9999のため、+はそれ以上を示す


スキル:料理 レベル5

    家事 レベル5

    全属性耐性:レベル5

    剣術:レベル5

    体術:レベル5

    礼儀作法:レベル4

    苦痛耐性:レベル5

    自然治癒力:レベル5

    芸術:レベル2

           etc


エルトの持つスキルの数は多すぎるので抜粋



「な、なんだこれは…。夢でも見ているのか…?」


結果を見たサロアは、幻覚ではないかと思い、もう一度測定させる

しかし、結果は同じだった


「素晴らしすぎる!!こんな結果は、初めての事だ!」


リベリア魔道学園で魔力値が9999を超える者は誰一人いなかった


が、エルトが()()()()()()()()

姫たちも、エルトのステータスを見て大喜び


少しばかりの余韻に浸った後、サロアは真剣な表情で


「エルト君、君は危険な人物になってしまった…」


先ほどと真逆の言葉を放つ


「僕が…危険…?」

「どういうことか掴めてないようだから説明しよう」


曰く、突如とてつもない力を持った人間が現れたとしたら

国中どころか世界中がその人間の力を利用したいと思う者もいる


多くの場合は、戦である


しかし、それとは別に一国だけに肩入れされると知れば、他国にとっては脅威のほかないのだ

最悪の場合、命を狙われることも考えられる


「と言った具合だが、いかがかな?」

「何となく、イメージは分かりましたけど、僕はそんなの全く望んでません!!」


きっぱりと主張を述べる


「それは、儂だけじゃなく、ここにいる皆さんも同じ思いだ!」

「そうだ!!私は、決してお前を政治的に利用しない!!」

「オリバート殿の言う通りだ。そんなことをしてしまえば、国同士の争いになりかねん!絶対にそうさせない!」


誓いを立てるトップたち


姫たちも同様に


「エルト。私たちも、できる限りあなたの事を守りたいの」

「それを言うなら、このルルもです」

「というか、あたしたち全員同じじゃねえか」


エルトは少しだけ笑う


「な、何だよ…」

「いえ…、前にも同じことがあったのを思い出しまして…。ありがたいお話ですが、僕は僕自身で守らないとって思います。姫様たちも、僕に頼らずに自分の力で守ってみたらどうです?」


()もありなん


姫たちは、あの事件からエルトに頼るところが多かった

むしろ、多すぎた


彼女たちは守ると公言したが、それは叶わず、少年は()()()()()

だが、奇跡でも起こったかのように少年は息を吹き返した


そして今、エルトの恐るべきステータスを目の当たりにして、危険人物とみなされた

これ以上、エルトを危険な目に遭わせたくない!!


守りたいと言えば簡単だが、具体的にどうやって守るのか

前回は漠然としたために失敗


これから、屋敷に戻って議論を開くことで一致

当然、エルトには聞こえないようにコソコソと

どうも、茂美坂 時治です

随時更新します

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ