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48時限目 少年たち、侯爵家の屋敷に行く

8人全員屋敷に集まり、部屋割りを決めた


偶然にも、それぞれが選んだ部屋はバラバラで重なって取り合うことはなかった


ちなみに、それぞれの部屋割りは


101号室:エディール

104号室:ジェミナー

106号室:アデリーヌ

201号室:ルル

207号室:スオン

302号室:エルト

303号室:ラディール

305号室:フィルラー

となった





翌日


一番の早起きはエルトだ


市場で仕入れてきた野菜の下ごしらえ、目玉焼きなどの朝食の準備を始めた


8人分の調理は初めてだが、エルト自身は料理が一番得意である

人数が増えようとも、要領は同じ

なので、全然苦ではなかった



「おはよう~…」

「おはようございます、エルト…」

「ふわぁああ~…、眠てぇ…」


姫たちも次々に起きてきた

しかし、髪はボサボサ

パジャマから肩がはみ出ている

若干エロい


エルトは彼女たちの姿を見て恥ずかしながらも、平静を装いながら


「おはようございます、皆さん。もうすぐ朝食が出来上がりますので、顔を洗ってきてください」


朝食の準備はできた


ただ、一人だけ起きてきてない


それは、ルルだ

「僕、ルルを起こしてきます」


エルトは201号室のドアをノック


しかし、返事がない


ドアを開け、ベッドとに近くまで来たが、少女はぐっすりと寝たままだ

「おーい、ルル。朝だよ。起きろ!!」


エルトは軽く揺さぶる


「ん、ん~…」

反応はあるが、起きる気配がない


「仕方ない…」

エルトは布団をガバッとめくる


直後、少年は硬直した


「ああああああああああああああ!!!!!」


屋敷に響くエルトの叫び


「どないしたんや、エルト!?」

「お前、顔真っ赤だぞ?」

「……」


姫たちが駆け寄り、見た光景は


パジャマを着ているが、ボタンが外れており、ブラジャーとパンツが丸見え状態のルル


「な…、なんちゅう格好で寝とんねん…」

「恥じらいというものがないのか?」


ようやく少女は目覚めた


が、目の前に姫たちが仁王立ちしていることに気付いたのは数秒後


「お、おはようございます…」

「おはようさん、さっさとボタン閉めなはれ!」


フィルラーの言葉でやっと気付き、姫たちの奥でしゃがんだまま動かないエルトを見てすぐに察した


「わ、わ…、私…、お、お、男の…人に…下着…見られた…」

ゆでだこの如く顔を真っ赤にする


「あんたを起こしに来たんはエルトや。そんな変態みたいな格好に気付かんとな」

「か、返す言葉もありません…」

「そう言っとるけど、エルトを誘惑しとるんちゃうやろな?」

「と、とんでもございません!これは…その…、癖と言いますか…その…、布団に入ると…中が暑くて…無意識にパジャマのボタンをはずすんです…」


はぁ~と一同ため息をつく


「布団が暑かったら、タオルケットとかにしいや!」

「まったくですわね、少しは工夫されてはどうです?」

姫たちの説教は30分以上続き、遅刻とまではいかなかったがぎりぎり間に合った




放課後


一行が校庭を歩いていると、門の前に人だかりができていた


「おい、その格好ってウィリムベール騎士学校の制服だよな?」

「なんだなんだ?この学園に文句を言いに来たのか?」

男子生徒たちは詰め寄るが


「そうじゃなくて!私はこの学園に通っているエルト君にお会いしたいんです!」


聞き覚えのある声


「あ、エルト君!!」

見つけるやすぐに、赤髪の少女は目を輝かせる


「ヘレンさん!?え?何でここに?」

「えっと、その…、あの時は…、本題を言い忘れてしまったというか…」


少しだけ顔を赤くしてもじもじとする少女


「ここじゃ、話しにくいと思うんで、場所変えますか…」

「そうね、とりあえず私の家に来て。お父様にもこのことは伝えてあるから」

「じゃあ、私たちはここで…」

「あ、待ってください。姫様たちもどうぞ、来てください。あなた方もエルト君の事情が知りたいでしょ?」


姫たちは反論しなかった


男子からの視線が痛く、一行は無視しながらヘレンの住む屋敷へと向かった



オストワイアー家の屋敷は学園から徒歩10分以内で歩ける場所にあった


屋敷に着くなり

「おかえりなさいませ、お嬢様」

「ただいま、セル。この方たちをお父様の所へ案内してあげて」

「かしこまりました」


一行は執事の案内でリビングへと招かれる


長机の奥に座っていた一人の男性


すっと立ち上がり

「これはこれは。姫様方まで来られるとは…」

男性はこのことを予想していなかった


「そうかしこまることはないわ、ヴィラム。本当はエルトだけにしたかったんだけど、ヘレンがどうぞと誘ってくれたから…」

「そうでございましたか…、娘がご無礼なことを…」

「いいえ、むしろ嬉しいお誘いよ」

「もったいなきお言葉…」


目の前に立っているのは、一人の少女とはいえ、肩書はバルムス王国第一王女

侯爵家当主 ヴィラム=フェン=オストエワイアーも頭が上がらなかった


それぞれ椅子に座り、ヴィラムが口火を切る


「エルト君。娘は3年間ずっと君を探していたんだ。君が本当にそうなのか確かめたい」

「確かめるって、何をですか?」

「上半身裸になってくれ」


突然の言葉に姫たちは動揺を隠せない


「ちょっと、ヴィラム!?いきなりなんてことを言うの!?」

「大丈夫です、エディール様」


エルトは冷静だった

少年はヴィラムの指示通りに上半身裸になった

細身で良く鍛えられた体

一行は少年の肉体に釘付けになっていた


「では、背中を見せてくれ」

エルトは言われる通り、皆に背中を見せた


全員、息を呑んだ


少年の背中には全体の3分の1程度の範囲で火傷の跡が残っていたのだ

姫たちやルル、スオンは何も言えなかった


「間違いないです、お父様!彼よ!私の目に狂いはなかった!」


ヘレンは確信を得たかのようにはしゃぐ


「どうやら、ヘレンの証言は本当のようだ…。遅くなって申し訳ないが、娘を救っていただき感謝する」


ヴィラムはエルトに頭を下げた


一行の視線はエルトに集中


「えっと、そんなに僕を見ないでください…」

「エルト、これはどういうことかしら?」

「説明してもらえますよね?」


姫たちから問い詰められる


「姫様方、ここは私が代わりにお話しさせていただきます」

「ヘレンさん?」

「エルト君、3年前の火事の記憶覚えてる?」

「うろ覚えですが…」

「そう、なら私から説明した方が手っ取り早いわ」


ヘレンは姫たちに当時の出来事を語った

どうも、茂美坂 時治です

随時更新します

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