目標
朝起きた私はふと思った。
なにか目標を立てよう。
いまの私の目標はまず生きること、そして強くなることである。
この2つは私がこの世界で死ぬまで掲げ続けていく目標だと思う。
こういった大きな目標ではなく小さな目標だ。
では現在目標になりそうなものは、衣食住である。衣…いらない。食…森のきのみや草。住…穴の中。
この3つのうち改善の余地があるのは食と住。
住は今のところ全然不満はない。むしろたぬきにとっていい住処とかなにか絶賛思考中である。
食も不満はないっちゃない。生きていくのになんの不自由はない。だが食は上をみればいろいろとあるはずだ。美味しいものを食べたい。よし、肉だ。肉を食べよう。ウサギはやめといてやろう。なんか目標にするのとはちがう気がする。速いし可愛いし。やはり牛豚鳥である。人間の村や町があれば家畜などいるかもしれないが金がないまず私は動物だ。喋れる気がしない。なら野生の物を狩るしかない!定番はやはりオークだろう。倒せる気は今のところ全然ないけどね。だが少し高めの目標というのはやる気を増大させる。決めた!私の目標はオークを狩ること!
まだこの世界にいるかどうか分からないけど…
そうと決まればレベル上げである。
最低限のゴブリンやスライムを倒せるようにならなくては、オークなど夢のまた夢。
そして今の私にできることはレベル上げと自己分析のみである。レベル上げはそのままステータスの上昇。貧弱な私でも高レベルになればそこそこ戦えると思う。自己分析はスキルを確認できるまで鑑定を上げたい。今の私の攻撃方法は爪のひっかきだけである。ポケ◯ンでいえばまだ某博士から貰ったばかりだ。最初の町からでれない。なにか魔法を系の攻撃方法や決め手となる技が欲しいその為の自己分析、その為の鑑定。
(よし、一狩りいくか)
私の目の前にはゴブリンがいる。
今のところ確認できている。魔物の中でたぶん一番弱いスライムといい勝負をしているが殆どの場合スライムが勝っている。
まず小目標としてこいつを一人で仕留める。
前回ゴブリンを倒した私の爪はこいつに通じていた。ステータスが同等になればタイマンを挑めば勝てるかもしれない。
いまはまだ慎重に行こうか。
待つこと15分。
ゴブリンに2匹合流して3匹になった。
なにやら3匹で話し込んでいる。
「ギャギェ」
「ギェーギィ」
「ギェギェ!」
まあなにを話しているのかは全く分からない。
少しすると移動を始めたゴブリンたち。一応私も後をつける。するとそこにはまた3匹のゴブリンたちがいた。
流石に6匹になってしまうと漁夫の利も難しい。1匹だけ生き残る可能性が低いからだ。諦めて立ち去ろうと思ったがなにやら様子がおかしい。
「ギェッ!ギィッ!」
「グァバ!ギャグ!」
縄張り争いなのかいきなり1匹のゴブリンが相手のゴブリンに棍棒で殴りかかった。
反応できずに頭に直撃する相手ゴブリン。頭蓋骨が凹んでしまって。顔の形がおかしくなってしまっている。
1匹また1匹と数を減らしていきついに最期の1匹となった。
(いける)
私は飛び出し最期の1匹を狩った。
レベルアップは今回はしなかった。
しかしゴブリンのあとをつけるのは今後も有効な策だとわかった。
ゴブリン全体で仲間なのではなく派閥があるのだろう。
ゴブリンのあとをつけていれば漁夫の利を十分に狙える。
その後も私は狩りをしまくった。
朝起きて日が沈むまでゴブリンを探し追跡し、弱ったところを倒す。そうして何日かが過ぎた頃ついに私は大台のレベル二桁に達した。
[スモールラクーン]
レベル10
HP75/75 MP50/50
ノーマルスキル
幻覚魔法(レベル1)
鑑定(レベル4)
隠密(レベル3)
暗殺(レベル2)
従魔(レベル1)
ユニークスキル
狸寝入り
そこそこに強くなった気がする。
ゴブリンやスライムをタイマンで倒せるかも知れない。鑑定がレベル4まで上がったおかげでスキルまでレベルとスキルが観れるようになったのもでかい。幻覚魔法なるものが使えるらしい。狸だからだろうか?隠密と暗殺は漁夫の利作戦をやっているときにゲットできた。
そして従魔は…なんとあのうさぎちゃんが懐いた時に手に入れられた。うさぎを魔と言っていいのか疑問だが…
食べないと決めてから毎日穴に来るうさぎを根気よく相手にしていたら懐いてくれた。
まあ戦力には期待できないが可愛いので許す。
ちなみにステータスはこんな感じだ。
[ウサギ]
レベル3
HP12/12 MP4/4
ノーマルスキル
気配察知(レベル2)
隠密(レベル1)
弱いが索敵には役立っている。
ゴブリンをかなり見つけやすくなった。
レベルも一緒に狩りをする事で少しづつ上がっている。HPが低すぎるから死なないかすごく心配だ。