自己分析
ゴブリンが何処へ立ち去った後しばらく呆然としていた私だがようやく立ち直った。
(ものすごく痛かった…ってかまだ痛い…
夢じゃないのかな?いや…転生したいとか考えて寝てたけどまさか本当に…しかもたぬき…しかもゴブリンにやられそうになってるくらい弱い…)
落ち込んでいると体の半透明化が消えてしまった。
(やばいっ!またゴブリンに見つかったらまた痛い思いをしちゃう!)
周囲を確認して隠れられそうな場所を探す。
ちょうど近くにあった木の根付近に穴があり私はそこに飛び込んだ。
入り口は私がギリギリ通れるくらいよ大きさだったが穴の中はそれなりの広さがあり快適であった。
(うーん、本当に転生してしまったのだろうか?)
穴の中に隠れていることで少し心に余裕が出てきたのか現状分析をしてみる。
本当に転生したならスキルとかあるのだろうか?いやあるさっきゴブリンに殺されかけた時たしかにスキルが発動されましたと聞こえた。やっぱりあれなのか?転生モノの鉄板、チートスキルとかあるのかな?ステータスとか見たい。
(ステータス!)
…なにも起きない。
ならばアレだ
(鑑定!)
…やはりなにも起きない。
あれなのか?最初は強くないけど頑張って敵を倒してスキルとか能力値とかが充実してくタイプなのか?
いや待て!私ゴブリンに殺されかけたのに経験値稼げるの?てかそもそもレベル制なのか?スキルがあるのは確定している。スキルは熟練度で上がるのか?
ダメだ、分からないことが多すぎる。
(とりあえずやってみよう)
この間読んだ小説でとりあえず発動しなくても壁とか石を鑑定しまくってたら鑑定の熟練度が上がって使えるようになってるってやつがあったな。
(よーし!鑑定!鑑定!鑑定!鑑定!………)
そのまま1時間くらい鑑定と念じていただろうか我ながらこんなことをよく続けられると感心していると
[熟練度が一定に達しました。鑑定レベル1を習得しました。]
(おおーーー!本当に習得できた!)
では早速…
(鑑定!)
[土]
(おいまじか?私の1時間返せ)
久々にイラついたが大事なことを忘れてる
(レベル1って言ってたし名前がわかるだけなのかな?高レベルになればいろいろわかるんだよね?ね?
それに名前がわかるなら自分を鑑定したら種族名とかわかるじゃないか?一見たぬきだけど…鑑定!)
[スモールラクーン]
はい、ただの小さいたぬきでした。
期待はしてませんでしたよ!ゴブリンにやられる様な雑魚ですからね!狩られる側の動物ですよ!!
ザザっ!
穴の中に何かが入ってきた。
考えてみれば当然であるこんな穴が自然にできているわけがない何かの巣である可能性が高いだろう。
(…あっ、お邪魔してますぅー)