黄金の森で! ダイブ!
「きええええええぃ!」
ズドォォオオオオン!
メーロンを中心に、黄色い閃光は放たれた。まばゆい光に目を焼かれ、視界は真っ白に塗りつぶされる。
徐々に、目が回復して、周囲の景色がぼんやりと見えてきた。そして、鼻をつく焦げ臭い臭い。あ、息がすえる。呼吸ができる!
俺は喜びは、あたりの景色が見えるにつれて驚愕へと変わっていった。
「な、なんだこりゃ……」
あたりの木々は、黒く焼け焦げ、木は、メーロンを中心にへし折れていた。
その光景はまるで昔ネットで見た、ツングースカ大爆発の画像みたいだ。
「ふぅぅ。おーい! ワシは無事じゃー!」
「ジジイ! 無茶しすぎだろうが! 死ぬかと思ったわ!」
「直前で私の防御魔法が間に合ってよかったです」
「ふぉっふぉっふぉ。すまんのー! おお?」
「うん?」
「あれ?」
一瞬、地面が揺れて、俺たちはいっせいに首を傾げた。地震? いや、違う、これは!
「逃げろおおおお!」
メーロンが、風魔法を使って飛び上がってきた。そのまま、俺とエバを掴み、来た道を走り出す。
「うおおおお!? なんだなにが起きた!?」
「あやつ! 地表に出ていたのは体のほんの一部だったんじゃ! ワシの雷魔法は、地面に吸収され、あやつに大したダメージが入っとらん!」
「ええ!? じゃあ、この揺れって……」
「二人とも! 来ます!」
揺れる大地が盛り上がり、そして黄色い毛皮がその大きな体を地表へと出現させた。
「ガゴオオオオオオオオオ!」
大気を震わせる爆音が、鼓膜を震わせた。俺の本能がやかましいくらいに警鐘を鳴らしている。
眼前に現れたメガスラルガは、3メートルはありそうな体を天に向かってそらせ、そして大きく吠えていた。
「う、うおおおおおおお!?」
俺は、メーロンの手を振りほどき、振り返りながら自分の足で走り出した。後ろから、ドスンドスンと、重々しい足音が聞こえる。
「ま、まずいです! 完全に怒らせてしまったようですよ!」
いつの間にかエバも自分で走り始め、後ろの様子を見て青ざめた顔になっていた。
「前だけを見るんじゃ! あ、あそこ! あの崖からとべぇぇええい!」
「うおおおおおおおあああああああ!」
俺は、メーロンの指さした崖へと跳んだ。体を、気持ちの悪い浮遊感が襲う。ああ、俺この世界に来てから落ちてばっかり。
「ままま、まだ追ってきてますよ!?」
「うそおおおおお!?」
空中で体をひねり、後ろを見ると、メガスラルガも一緒に崖へと飛び出してきていた。
「ちょ、ていうかこれどーやって着地すんの!?」
「ワシに任せろぅ! ふぉあ!」
メーロンの声と同時に、体を風の塊が押し上げた。しかし、勢いを殺すのがやっとのようで、俺たち三人は重力に引っ張られて森の中へと落ちていく。




