表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/87

黄金の森で! ダイブ!

「きええええええぃ!」




 ズドォォオオオオン!


 メーロンを中心に、黄色い閃光は放たれた。まばゆい光に目を焼かれ、視界は真っ白に塗りつぶされる。

 徐々に、目が回復して、周囲の景色がぼんやりと見えてきた。そして、鼻をつく焦げ臭い臭い。あ、息がすえる。呼吸ができる!

 俺は喜びは、あたりの景色が見えるにつれて驚愕へと変わっていった。


「な、なんだこりゃ……」


 あたりの木々は、黒く焼け焦げ、木は、メーロンを中心にへし折れていた。

 その光景はまるで昔ネットで見た、ツングースカ大爆発の画像みたいだ。


「ふぅぅ。おーい! ワシは無事じゃー!」

「ジジイ! 無茶しすぎだろうが! 死ぬかと思ったわ!」

「直前で私の防御魔法が間に合ってよかったです」

「ふぉっふぉっふぉ。すまんのー! おお?」

「うん?」

「あれ?」


 一瞬、地面が揺れて、俺たちはいっせいに首を傾げた。地震? いや、違う、これは!


「逃げろおおおお!」


 メーロンが、風魔法を使って飛び上がってきた。そのまま、俺とエバを掴み、来た道を走り出す。


「うおおおお!? なんだなにが起きた!?」

「あやつ! 地表に出ていたのは体のほんの一部だったんじゃ! ワシの雷魔法は、地面に吸収され、あやつに大したダメージが入っとらん!」

「ええ!? じゃあ、この揺れって……」

「二人とも! 来ます!」


 揺れる大地が盛り上がり、そして黄色い毛皮がその大きな体を地表へと出現させた。



「ガゴオオオオオオオオオ!」


 大気を震わせる爆音が、鼓膜を震わせた。俺の本能がやかましいくらいに警鐘を鳴らしている。

 眼前に現れたメガスラルガは、3メートルはありそうな体を天に向かってそらせ、そして大きく吠えていた。


「う、うおおおおおおお!?」


 俺は、メーロンの手を振りほどき、振り返りながら自分の足で走り出した。後ろから、ドスンドスンと、重々しい足音が聞こえる。


「ま、まずいです! 完全に怒らせてしまったようですよ!」


 いつの間にかエバも自分で走り始め、後ろの様子を見て青ざめた顔になっていた。


「前だけを見るんじゃ! あ、あそこ! あの崖からとべぇぇええい!」

「うおおおおおおおあああああああ!」


 俺は、メーロンの指さした崖へと跳んだ。体を、気持ちの悪い浮遊感が襲う。ああ、俺この世界に来てから落ちてばっかり。


「ままま、まだ追ってきてますよ!?」

「うそおおおおお!?」


 空中で体をひねり、後ろを見ると、メガスラルガも一緒に崖へと飛び出してきていた。


「ちょ、ていうかこれどーやって着地すんの!?」

「ワシに任せろぅ! ふぉあ!」 


 メーロンの声と同時に、体を風の塊が押し上げた。しかし、勢いを殺すのがやっとのようで、俺たち三人は重力に引っ張られて森の中へと落ちていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ