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隠し通路から! 魔王竜について!


 古びた階段を20段ほど降りると、あとは平らな通路が続いているようだ。

 エバのいた地下室に続く通路とは違い、ここは風がよくとおるのかそれほどじめじめした感じはないが、うっすらと生物なまものが腐ったような、据えた匂いと、焦げ臭い匂いが鼻についた。

 俺の前には、いつの間にか左手に、火をつけた松明をもったメーロンが歩いている。

 そして、俺の後ろからは、かしゃんかしゃんと、金属を擦るような足音を響かせてエバがついてきていた。


「なぁ、外に出たらまずどこにいくんだ? たしかここから一番近いのは、黄金の森だってエバから聞いたけど、武器も無しじゃ竜を退治するなんてできないだろ?」

「うむ、そこでまずは、この城の武器庫に寄ろうと思ってな。ただ、前にもいったが、この国は竜のせいで壊滅してしまった。つかえるものがあればいいんじゃが」

「国を落とすほどの竜。いったいどんな怪物なのでしょうか? そもそも、なぜその竜はわざわざ食料の乏しい人里へきたのでしょう?」


「あらわれた理由についてはわからん。奴は突然北の空からきて、全てを破壊した。奴の漆黒の鱗には剣も槍も通じず、銀の翼は大砲も矢も貫けん。口から吐く熱線は、大地を腐らせ、あっという間にこの地を死の土地に変えてしまったのじゃ。そのあまりにも強大な姿に、我々は奴に名をつけた。魔王竜ディエナディーテとな」


「ディエナは狩猟の神のことですね。狩猟の神の王、というところでしょうか」

「まぁそんな感じじゃな」

「魔王竜ディエナディーテ、か」


 エバから聞いた話だが、竜が一国を壊滅させるなんて、前例が無いことだそうだ。

 彼女の脳内には、この国の歴史や動植物の様々な知識が詰め込まれている。それだけではなく、狩りに役立つ機能が満載なのだそうだ。しかし、機能を増やした分、魔力の充電に多大な時間を必要としたために、およそ2年もの間、あの地下で眠っていたらしい。

 その間に、あえなく人類は滅亡してしまったというわけだ。

 普通の竜は、その土地にあわせた特徴を持っているらしい。しかし、あくまでもエバの分析と憶測だが、ディエナディーテは自身の特徴にあわせて土地を変えてしまうのだそうだ。

 竜だって自然界の生き物なのだ。環境を変えてしまうようなことができるのだろうか? いや、実際にありえたからこそ、この国は滅んだのだろう。

 そして、そんな竜を俺たちだけで退治することができるのか。それはわからないし。なにも退治することだけが、解決策ではないと俺は思う。例えば、どこかに閉じ込めるとか、この大陸から追い出すとか。

 方法はわからないけど、漠然とそんなことを考えていた。


 そんな考え事をしていたら、突然立ち止まった、メーロンの背中にぶつかってしまった。



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