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#83 党の広告塔


"Waxundesti? xalijasti,"

"Ja."


 イェスカは眉を上げて怪訝そうに私を見てきた。

 私とイェスカは街の外れの喫茶店でリウスニータを頼んで、イェスカが強く興味を持っている翠に関して話していた。自分が提供したリウスニータはラネーメ風味が強いと文句を言われたから、レトラの喫茶店に頼んでリパラオネ風のリウスニータを出してもらった。正直自分では何が違うのかよくわからないけど。


"Pa, si lkurf takang'd lkurftless. Si es niv takangni'ar?"


 イェスカがポケットから小箱を取り出しながら言う。開けた小箱から紙に包まれた板状のものを取り出す。そのまま、紙を開いて、中身を口に含んだ。


"Ers korniusti'e lu tirne?"

"Ja, co karx?"


 優しそうな顔で箱を差し出すイェスカに首を横に降って否定する。「ちぇっ、おもしろくないな」という顔で箱を胸ポケットに戻す。私はケートニアーとはいえ、まだ未成年だ。見ればわかると思ったが、人の年齢を容姿だけで断定するのは至難の業だ。ラネーメ人っぽい容姿でなければなおのことそうだ。


"Fai sysito, si'd lkurftless es niv takang lu. Edixa flarskastan io akrunfter mol ly lu pa elx cene niv cen firlex takang'd lkurftless zu si lkurf."

"Mal, harmie si'd lani'ar es niv ete'd ranermian?"


 イェスカは未だ訝しんだ顔でテーブルの手をひらひらとさせていた。私の話をあまり信じていない様子だった。他のラネーメ民族といえばパイグ人やバート人、リパラオネ・ラネーミャンくらいしか知らない。翠の挙動、言語、慣習はそのいずれにも当てはまっては居なかった。


"La lex es felx jol si'd lani'ar es levia'st akrantiol lu."

"Lirs, cene niv si lkurf lineparine fal cirla? Edixa si veles kantio lerj hinggenferl dea?"

"Niv, Edixe mi istacerges. Liaxu si lostuton lersse lineparine melx kranteerl'it letixeino is niv ecpelnt jol."


 「ふーん」とイェスカは言うと、リウスニータの残りを呷っていた。あまり興味がない様子だが、ここは話を切り出すチャンスじゃないだろうか。さっきから気になっていたイェスカがレトラまで来た理由だ。革命派の最前線に立つ共産党の党首が何故こんな小さい街にまで来たのか。


"Co lkurf <vxorlneso cen'it> lu pa la lex es harmie'd kante lu?"

"Harmie selene co qune la lex?"


 イェスカはスプーンでテーブルに置いてあるバネクリャナショの表面をなぞった。甘いものが好きだとか、年頃の女の子みたいで人民を引っ張って闘争するイメージには合わないが、気に入ってくれたら何よりであった。おかげかは知らないが、質問を聞いて、アンニュイな表情で視線を逸して返した言葉には所々で見た嗜虐心のかけらも感じられなかった。


"Cen nat tyrnees niv fal yuesleone. Cene niv si lkurf lineparine dektanfylonj mag mi――"

"<Deliu mi celdin> ersja?"


 イェスカはため息を付いた。楽しそうに口角を上げて、目を閉じて、頭を振っていた。


"Co lirf si ja?"


 突然何を言うかと思ったら、突拍子もない事を言い出して心が焦る。衝撃を受けすぎて私は何も声が出せなかった。ただただ、顔が赤くなっていくのを隠そうとしている私を見てイェスカは吹き出して、ついにはケラケラと腹を抱えて笑いだしてしまった。顔の火照りを振り払って、イェスカに向き直る。


"Agesquik niv lu ti...... Fi la lex es, fontles ler celdino'd lamiet es harmie?"

"Gelx, edixa co ilvefan?"


 ため息をつく。元々の話から脱線しすぎた。


"Co apasken derok cen mels lertasaler."


 楽しそうだったイェスカの表情も"lertasaler"という単語を聞くと一瞬で引き締まる。私に向けた目の威圧感がたまらない。しかしそれでも、意思を確かめたいがためにイェスカの目を見続ける。理由もよくわからず連れ去られていった人々と同じ目に翠があうかもしれないと思うと、心配でたまらない。その一心でイェスカの本当の意思を確かめたかった。革命内戦で戦っている人間なんか前線にいくらでもいるはずなのに何故翠を選ぶのか。


 しばらく、目を見続けるとイェスカが根負けしたように目を逸して頭を振った。


"Si letix hark. Ers hark zu lertasala'd la xelt-an'gil."


 イェスカの低い声は更に詳しく目的を述べ始めた。

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