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#62 ただの工事だよ


"Ej! Miss klie dea do, leijuafasti!"


 フィシャは奥の方で仕事をしていたのか、急いだ様子で出てきて驚いた様子になっていた。翠もその集団を見て驚いていた。

 ヒンゲンファールを先頭にヘルメットを被った男たちがぞろぞろと集まってきていた。服装も作業服っぽさがある屈強そうな男たち。翠に待っていてと言っておいて、作業員を連れてきたというわけらしいが、これと手紙に何かの関係があるとは思えない。


"Mer, hingvalirsti, siss es harmie?"

"Co firlex niv? Siss es duxiener celaiumust."


 フィシャも困惑して、ヒンゲンファールに尋ねるが帰ってきた答えがこれである。やっぱりなんかの作業員らしいが、一体これから何をしようと言うのだろう。


"Menas ietosta'd celavylium is vazirju ly? Jol miss usosn la lex."

"Harmie......?"


 "Menas ietost"、つまり何らかの水を問題にしているということは水に関する作業、つまり水道工事でもやるのだろうか。そんなことを考えているうちにまたがたごとと床下から大きな音が鳴っていた。ヒンゲンファールが引き連れた作業員たちも不思議そうに地面を見る。


"Fqa es. Deliu usosn la lex."

"Miss deluses niv...... mal coss dostisle plax."

"Harmie? Fenxis co zestes fua duxieno."


 慌てるフィシャに詰め寄るように話し掛けるヒンゲンファール、その時点でフィシャの顔は一気に血が引いて真っ青になっていた。何だろうか、このフィアンシャは違法建築で作られているから抜き打ち試験だ!とかそういうことなんだろうか。


"Mal, lecu miss fas duxieno!"


 ヒンゲンファールが作業服の男たちに呼びかける。男たちは一人一人バラバラと建物に散って測量やら図面を広げて作業を始めた。フィシャはといえばバラバラと散っていった作業服の男たちを止めようとするものの人の数が多すぎて、混乱してあっちこっちをきょろきょろと見まわしながら何もできない様子だった。


"Co! Cossasti! Fqa es fi'anxa! Wioll coss icve tanirtaf!"


 フィシャはそういって走り去ってしまった。また、床下からがたごと音がなっていた。ヒンゲンファールはというと手に小さい箱状のものをバックから取り出していた。何かと思う間にバックから軽機関銃を取り出して箱状のものをかちゃりと装着する。


"Icve fqa fua co."

"......"


 ヒンゲンファールは拳銃をバックから取り出して翠に渡すと共にフィシャが走り去った後を追い始めた。翠もそれに従って後を追う。フィアンシャの大きな聖堂の外に出ると自分を追いかけていることを知って逃げるがごとく、顔を驚かせてよろけながらも逃げるフィシャを確認することが出来た。


"Mili! Ol....."


 ヒンゲンファールが公道で銃撃を示唆する。しかし、フィシャはそれにも関わらず止まらず走り続ける。聖堂の裏に回って逃げるフィシャを走って追いかける。止めるだけなら威嚇射撃くらいすればいいのにと思い、翠は拳銃を構えるが思いとどめる。シャリヤを助けようとした時は確かにどうにか出来たかもしれないが、今回は当ててはならない威嚇射撃だ。フィシャに当てようとせず別の変なところに当たったらそれこそ翠は重罪人だ。


 聖堂の裏にある異様なドアを開き駆け込むフィシャを目にしてヒンゲンファールもそのドアの中に入ろうとして止まる。ヒンゲンファールが止まれと指し示す手に突っかかって転びかける。ドアの内部は地下に続く暗い階段だった。ヒンゲンファールは軽機関銃を構えなおし、慎重にドアの中へと進んでゆく。フィシャの姿が見えなくなってから、周囲は変に静かに静かになっていた。


"Hmm, Iska lut fentexoler."

「はあ、クソ……」


 同時にため息を漏らしながら、面白くないとばかりに言い捨てる。それにしても銃を持って特殊部隊のように中に入り込むヒンゲンファール女史は全く司書に見えない。もしかしたら、日常は司書をやっているが有事には特殊部隊として活動する敏腕スパイとかそういうあれだったりしたら面白いが、そんなことは今はどうでもいい。


"Harmie fqa......es?"


 下りてゆくと、下には厚そうな鉄の壁を隔てて部屋があった。大量の文章に次ぐ文章、通信機器のようなものなどが置かれている部屋は階段ほど暗くなかった。部屋の奥には少し窪んだ地面から先に続く真っ暗な地下道が続いていた。舗装などがされていないところを見るとどうやら掘って作った地下道のようだった。ヒンゲンファールは通信機器を弄って何かをしようと試みていたが、翠にはそんなことよりも幾つかの文章の上部に示されている相手の正体に驚いていた。


「これは……フェンテショレーの紋章じゃないか……。」


 図書館で見たのと同じ形状の紋章、鳥の紋章が文章の上部に示されている。パラパラとめくった文章の殆どに鳥の紋章が描かれている。引き出しを開くとそこにも文章があり、これも殆ど見覚えがあるその紋章が描かれていた。よく見ると通信機器にもフェンテショレーの紋章が貼られているではないか。

 フィシャはこのフィアンシャに工事業者が入ることを嫌い。ヒンゲンファールと翠が追ってきたときにここに逃げ込んだ。つまり……それが指し示すことは。


"Mal, fixa.leijuaf es......"


 ヒンゲンファールが言った瞬間、銃声が聞こえ、その手から銃が手放されてしまう。正確に手を狙って撃たれたのか、手から大量の出血をしているのが見えた。そのままヒンゲンファールは衝撃に耐え切れず倒れて、昏睡してしまった。手放された短機関銃が悲しくも床で回転して、止まった。ヒンゲンファールを撃った人間の正体に怯えながらも翠はその銃声が聞こえてきた方向に拳銃を向けざるをえなかった。


"Ja, mi es fentexoler."


 銃を片手に暗い奥の地下道からシニカルな笑みを浮かべて出てきた人物は信じたくもなかったが紛れもなくフィシャ・レイユアフ本人であった。

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Co's fgirrg'i sulilo at alpileon veles la slaxers. Xace.
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