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#18 やっぱり読めねえや


"Cenesti! Lecu lersse lineparine ti ja!"


 違う。


"Mi g'letix tox ad tydiv, elx cene lersse lkurftlessestan!"


 違うんだ……。


 相部屋の一角、テーブルの上に広げられた辞書類とノート、ペン。

 翠は、言語学習をさせられていたのである。内容としては今までの復習のようなものであるし、有用で嬉しいのだが。


(異性との相部屋で期待してたけど、甘酸っぱい青春とか、そういう展開になるはずもないよなあ……。)


 むしろ、健全ではないか。

 どこぞの異世界純百合ADVでは異世界からの来訪者に対して、日本語の資料と単語集を与えてくれる超絶イージーモードをかましてくれるが、日本語の「に」の字も、故郷の街の姿すら見えないこの本当の異世界でやることは、とにかく言語を教えてくれるひとにありがたく教わること、その動作から発言の細かな違いをつぶさに確認して、習得することである。チーレムという異世界転生ものの主人公がその世界に存在意義を持つための目的を達成することを考えると、この段階で何か人間関係を構築して、女の子とキャッキャウフフなんて無理難題である。言語と振舞い方と社会情勢を習得して、さっさとこんなところを出て行ってしまおう。


(……。)


 横にいるシャリヤを見る。シャリヤは手を止めている翠をきょとんとした目で見てくる。銀髪が部屋の照明に照らされて淡く光っている。目の鮮明な青色が瞳を宝石のように見せている。

 シャリヤをタダでおいていって、ここを出ることは翠の良心が許さない。一番最初に出会い、そして色々助けてもらっているこの世界での一番の恩人に対してそんなことが出来ようか。使えるだけ人間を使って、要らなくなったらポイだなんてさすがじゃないがまともな人間に出来る所業ではない。

 自分一人でこの世界で生きれるようになったときに、シャリヤのその恩義に報いなければならないときが来るだろう。その時のために、ちゃんと感謝の言葉が言えるように今はとりあえず言語学習に励もう。




 ノートには単語が並べられているが、全く読めないのは恒例のことではあるが前回の文字の学習でいくつか文字は分かっている。頻度解析の作業で文字の数は40くらいであるということが分かっていて、そのうち前に学んだものは八種類。


ѱ /d/

ઞ /u/ ?

ɔ /u/

ю /n/

u /e/

n /i/

ɥ /y/

п /k/


 多分後、22文字くらいアルファベットがあって、後の十文字くらいは記号類じゃないかと予想される。シャリヤは文字を書いて発音してくれるが、一文字ずつ詳しく説明してもらう必要があった。確か、「文字」はlyjotで、「分かる」がfirlexだったはず、否定は適当にnivを動詞につけていた気がしなくもない。

 これで言いたいことが伝えられるはずだ。


"Xalija, mi firlex niv co'd lyjot. Mer, mi firlex niv fgir'd nyey."


 シャリヤはそこで思案顔になった。どうやって文字を教えようか、と考えている様子であった。

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Xace fua co'd la vxorlnajten!
Co's fgirrg'i sulilo at alpileon veles la slaxers. Xace.
Fiteteselesal folx lecu isal nyey(小説家になろう 勝手にランキング)'l tysne!
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