不調和の同業
ゲインス=ランダ:黒血者でも獣耳者でもないが、医療の技術は最高峰で、生物学も知り尽くしている。また、話術もいつもつまらないギャグを言っているのが信じられないほどにある。
俺は飛行機から降りて両手を広げた。
「はあ〜、飛行機はやっぱり狭くて息苦しい。ここらでちょっと深呼吸」
「「「やめろ!!!!!」」」
他の世界中心機関から配属されたチームの班の医療係が一斉に言った。全く堅苦しいな。リーダーがいないと楽しく話せねーんだよな。俺達は点滴や医療道具を持って患者達のいる病棟へと行った。
「SUBTeamのメンバー、ゲインス=ランダです。宜しくお願いします。」
「ったく、我々だけで十分だというのに人をぞろぞろと連れてきおって。」
元からいた、最近出来た医療団体のメンバーはとても不機嫌だった。そんなに仕事が取られるのが嫌か。まあいい、こっからは俺も本気でやらんといかんからな。だがしかし、あろう事か俺達は手出しすることも許されなかった。点滴を変えようとすれば、手を叩かれ、患者に触ろうとすれば迂闊に触れると感染すると罵声を浴びせられ結局出来ているのは清掃位だ。
「畜生が。俺達を何だと思ってる。」
そう言って第何班かは知らないが1人が箒を投げ捨て怒鳴った。
「報告班の奴ら、もしかして俺らの事を清掃係なんて、描いただろうよきっと。まあ、俺は掃除大好きだがな。」
俺はケケケと笑った。相変わらず他の輩はムスッとしたままだ。
「おいおい、てめぇら、お話しにここに来たならさっさと帰れ。邪魔だ邪魔だ。」
とにかく俺達が問題を起こすわけにはいかないので平和的処置をした。
朝から掃除やら器具の掃除をさせられ、昼ご飯だ。飛行機に戻って飯を食う。まあ、保存状態はいいが、言うなれば栄養満点のパンだ。すると飛行機のドアを連打する音が聞こえた。頷きあって、ドアを開けた。青いよく分からない白衣の様なものを羽織った奴が来た。俺達を見渡した後に吐き捨てるように言った。
「あ〜あ、お前らなんてそこらの医師と同じくらいの実力しか持ってないくせに目ぇ付けられただけで昇格とはそりゃあそりゃあ美味いメシも食っていけるもんだ。」
遂に堪忍袋の緒が切れた。あ、俺じゃなくて3、4人の同胞が。
「おい、いい加減にしろ!!聞いてるのか、待ちやがれ!!」
そう怒鳴って追いかけていくのを見ていた。その時は直談判に行ったから面白い言い争いが聴けると思ったが違った。そいつらが感染してベッドの上でダウン。こりゃやばいな。
SUBTeam及び世界中心機関から配属されたメンバーの危機。
次回へ続く




