新メンバー KK
獣耳者:ウィール連合国消滅事件後に発生した特異な人物。人の耳が消失し、代わりに動物の耳が生えた人々。その動物の様な運動能力を持つ事が多いが利用してない者もいる。中にはその動物になれる人もいるとかいないとか
私達は生き残った兵士達と負傷した人達を病院まで運んだ。
「ねいさん。今回は本当にありがとう。其方がいなければ市民に被害が出ていた。我々の力不足で危険な目に合わせてしまった。」
「そんな、とんでもない。私達はこういうことをしていつも命を危険に晒しながら仕事してるから慣れっこよ。」
病院に着いた後負傷した兵士を運び込んだ。私が椅子に腰を下ろした時、声をかけられた。
「赤切さんですよね。」
私が振り向くとそこにはKKがいた。
「ええ、そうよ、KKくん。」
「ええっ、僕の名前を知ってるんですか?」
「かなり私たちの業界では腕の良い狙撃手として有名よ。」
KKは喜んでいるようだったがそこまで表情は明るくない。恐らく死んでしまったり、傷ついた仲間達のことを気にかけているのだろう。
「赤切殿、そしてキッドK。王宮に戻って最終決断といこうではないか。」
KKくんは何のことか分からない反応をした。王の間についた時に教えようと思った。
「すまないが、あの乗り物をもう一度出してくれないか。」
「ああ、ごめんなさい。あれ二人乗りなの。」
「そうか。では車を手配する。待っていてくれ。」
私達はまた30分ほど掛けて王宮に着いた。
王は席に着いてため息をついた。
「赤切殿、すまなかったな。話の途中で邪魔が入ってしまい、更には命を呈して国を守ってくれて。」
「いえ、とんでもありません。私は人々を助けるためにやるべき事をやった迄です。」
「さて、本題に入ろう。」
「あ、あの」
全員の視線がKKに向く。
「話ってのは何のことですか。」
しまった。話すの忘れてた。
「まだ伝えてなかった様だな。実は赤切殿。がKK、其方をSUBTeamに迎え入れようとして来たんだ。」
「ええぇぇぇぇ!!!!!?」
そこまで驚いたのかKKはとんでもないオーバーリアクションを見せた。王や将軍が笑いを堪えるようにして下を向いている。KKはすみませんと小声で言い、恥ずかしそうに座った。
「KK、其方はどう思うか。」
「行きたいと思います。」
王妃が猫を撫でながら言った。
「でも、貴方が行ってしまうとウチの防衛力は今回の様な事が起これば、被害は大きくなってしまうわ。」
KKは汗を描いて少しの間考えていた。そして、決心が着いたのか、パッと正面を向き、椅子から立ち、話し始めた。
「僕は、バーン将軍と皆さんを信じます。彼らはとても強くどんな悪にも屈しないと思います。皆さんは第2番隊の事を気にかけていると思いますが、今、僕達がここにいるのは2 番隊とは違って、みな善意を持っていたからです。僕はこの国だけでなく世界の平和を築きます。そうすればここも平和になると思います。なので許可をお願いします。」
そう言って礼をした。その後脱力したのか椅子にストンと座った。バーン将軍は涙を堪えているのか眉間を指で抑えている。
「承知した。其方の平和への考え方は正しく、我が国の誇りである。皆もこの意見に相違ないな。」
今まで心配していた王妃も笑顔で頷き、今では心配そうな雰囲気を全く出していなかった。
「今日はKKの出世を祝って宴をしよう。赤切殿、宜しいですか。」
「大丈夫ですよ。」
そして、私達は王宮で宴をした。中には怪我をしている兵士もいたが、そんな苦痛を忘れるように楽しんでいた。KKも嬉しそうだった。因みにお酒は少量しか置いてなかった。そりゃそうか。宴の後、そこそこ良い旅館に泊まろうとしたが王の計らいで、結構良いところに泊めてもらった。
次の日の朝、フカフカなベットで目覚めて時計を見る。集合時間まで後1時間。身支度を整えて壁の昨日壊された、けどもう既に復旧されていた門へと着いた。私は最高傑作を小さめの飛行型へと変えた。地上を走るのは今は辞めておこう。KKと私は王と王妃、将軍、大臣たちと握手を交わし、見送りを受けながら出発をした。KKの近くの壁をガラス質にして、外を見えるようにした。KKもオルファ国の人達も見えなくなるまで手を降っていた。
「KKくん、今から貴方はSUBTeamの一員。事務所に着いたら挨拶と描いて貰わないといけない書類があるから頑張ってね。とにかくおめでとう。」
KKくんは照れながら、ありがとうございますと言った。
次回から新しい章です。




