オルファ国王
SUBTeamの由来:Special Universal BraveTeamの略であり、国際軍のサブ的な役割の意味。
ねいは扉を開け、入ると王の間と言ったらこんな感じ、という一般的な広間があった。しかし、一つ違うことといえば王が座っている場所の直ぐ後ろがガラス張りになっていて街を見渡せるようになっている事だった。
「こんにちはオルファ国王。突然連絡してしまいすみませんでした。」
「いいや、構わない。ほら、座りなさい。」
召使いが私の後ろに椅子を用意した。
「それでは、失礼します。」
そう言って座ったがやはり王宮の椅子だ。座り心地が良い。普段質素な椅子に座って機器やら情報をやり取りしたりと、自分の感覚がそっちに慣れているせいで余計豪華に感じる。
「SUBTeamリーダー赤切殿。今回はどのようなご用件で?」
「実は今回SUBTeamへとスカウトしたいと思っています。」
「ほう、いったい誰をスカウトするのだ?」
王はそこまで老けていない、おおよそ20後半だろう、しかし、威厳があり、王として相応しい品格を持っていると思った。私は王の問いかけに答えた。
「狙撃手『キッドK』さんです。」
そういった途端どよめきが起きた。召使いのうち何人かが小言で話し、王家の方々もお互い目を合わせている。
「キッドKをねぇ…彼はウチにとって主戦力なのですが…」
王妃がそう呟いた。やはりこの件に関しては難しい事だと改めて感じた。
「私はキッドKの意見を尊重したい。だが、防衛の点では不安が残るな…1度将軍を呼ぼう。」
王がそう言って召使いに電話をかけさせた。おおよそ5分ほどして将軍らしき人物が来た。
「ただ今参上しました。オルファ王。それと、こんにちは、SUBTeamリーダー赤切ねいさん。私はオルファ国軍将軍のバーンです。以降宜しくお願いします。」
私は宜しくお願いしますと一声かけて例をした。顔の右側に髪から顎にかけて古傷のある金髪のいかにも強そうな体型をした人だった。
「バーン、実は今回SUBTeamからキッドKがスカウトを受けているのだが其方はどう思うか。」
「キッドK…確かに彼は狙撃手の実力、人間性において実に素晴らしい。SUBTeamとして誇りある活動が出来るでしょう。私は良いと思います。」
「但し、我が国の防衛力への影響はないだろうか。」
バーンは真顔でこう答えた。
「確かに彼が抜けることでの影響はどの人物が抜けるよりも大きい。しかし、我ら軍はそこまで貧弱ではございません。」
何故かバーンの口調は後半になるに連れて弱々しくなっていった。そしてこう付け加えた。
「やはり第2軍隊の寝返りあの事件が起きてから心配は残る者です。」
王の間に不穏な空気が漂う。今すぐこの話を無しにして帰るのが一番なのだろうという考えが一瞬過ぎったが直ぐにそんな考えは変わった。だが、どうすれば。
その刹那警報が響き渡る。
《警報:壁の外より暴力集団の進撃を確認。国民は避難場所へと避難してください。繰り返し連絡します。…》
将軍はこんな時にと吐き捨てるように言って走った。私も着いていった。
「ここから間に合うのか。直ぐに車を手配しろ。急げ。」
「その心配は無いよ。」
将軍が私の方を振り返る。私は王宮の庭へと出て、空を見上げた。箱状にした私の作り上げた最高傑作が飛んできた。私はそれに触れて携帯を飛行にした。丸い黒いメカメカしい乗り物へと変貌し開いた。
「将軍さん。ぼさっとしてないで早く乗って」
私と将軍さんを乗せて飛び立った。
「何だこの乗り物は」
「私の最高傑作よ」
「どう見ても椅子に座ってるだけだがどう操縦してるんだ。」
「ちょっと落ち着きなさい。黒血能力よ。こういう機械とかを操作したりするくらいの微弱な電気を出せるのよ。最大でスタンガン位。さあ、飛ばすわよ。」
そう言って私はエンジンをフルにした。
目線を変えてみたけど違和感ないですかね?




