あの時の光
いよいよキネベス家への調査を実施することにした。実はウィールロックによる調査は何度も行われていたが、どれも失敗に終わっていたらしい。しかし、今回成功させるための作戦を計画していたらしい。その計画はこうだ。まず吾大と海汰とウィールロック軍隊副隊長のテテチ=ナタカルという方が調査をしたいと願い出る。恐らく開けてくれないであろう。その隙に私が透明になり、侵入する。テイリーさんの黒血能力は他人の能力の増大で私が息を止めると周りの人も透明になるため、2人で侵入する。そして、建物内の捜索をする、というものだ。キネベス宅に向かう途中、移動用ビークルの中でテイリーさんと話をした。 出発し、少し経った時私はあることに気づいた。運転手以外のウィールロックの軍隊はガスマスクを外しているのにテイリーさんは外していない。
「テイリーさんはガスマスクを外さないのですか?」
少しの間、沈黙があった。
「ええと、少し長くなりますが宜しいですか。」
私達はうなづいた。
「実は私、もう人間ではないのです。私はウィール国の郊外に住んでいました。あの忌々しい事件の時、国の外に出かけようとしているたのです。電車の中で、私はあの光を浴びました。何が起こったのか全く分かりませんでしたが、光が収まった頃に私は自分の姿を見て恐怖を感じました。私の右腕は変異していたのです。3倍ほどの太さに肥大し、そこから無数の指が生えていました。しかし、まだ私は良いほうだったのです。周りを見ると蠢き巨大化する肉の塊や、椅子を多い尽くした肉の層がありました。恐らく、私のようにまだ辛うじて人の姿を留めていた人間は少ないでしょう。結局私はその後、肥大化する右腕に飲み込まれ、意識を失いました。その後、目を覚ました時にはこの体があり、たくさんの医師のような人、そしてだいに乗せられたまるで人の体の部位を適当に繋ぎ合わせたような肉の塊がありました。」
テイリーさんはそこまで話すとため息をついた。私達は黙ることしか出来なかった。
「すみませんね。少ししんみりした空気にさせてしまって…」
「いえ、大丈夫です。」
車の外をふと見てみると遠くに豪邸が見えた。いよいよ、私達の戦いが始まる。どうしても負けることの出来ないその戦いが。




