怪奇窃盗事件
細い路地に細身のフード付きマントを来た男性が歩いている。少し俯き気味で歩いていた。すると、前から来た別の男性とぶつかった。その男は細身の男性の襟首を掴んで一気に自分に引き寄せた。2人の目が合った瞬間細身の男性が気絶した。男はにやりと笑った。細身の男性を投げ、荷物を漁り始めた。その瞬間男の右腕に切り傷が入った。男は驚き逃げ出した。
「足を切れなかった。その代わり右手を負傷している。」
知夏がそう言い、後を追いかけた。細身の男性に上から紐のようなものがついた吸盤がついて電流が流れた。
「海汰さん。犯人が逃げました。追いかけてください。」
「了解、知夏の位置情報を辿ればいいな。」
「はい。」
海汰が駆け出し、屋根の上にいたケイとねいも駆け出した。ターゲットの男性は右腕を抑えながらフラフラと走っているが細い路地に慣れているのかすばしっこい。そのため知夏は距離を離されていった。
「知夏、今から言うルートを行って、先回りよ。ケイ君、もし追いつけたらこれをお見舞いしなさい。」
そう言ってケイに青い手榴弾を渡した。そしてねいはターゲットから少し離れたところに移動した。ケイは上から追いかけるが、容易に犯人の方を見ることが出来ない。目を合わせれば終わりだ。ケイは下からの物音が消えたことに気づき、下を見た。ターゲットがいない。サッと下に降り、手榴弾を持ち、周囲を警戒しながら歩いていった。チームのメンバーに連絡を使用としたその時、目の前の排気口から男が突然飛び出し、ケイと目を合わせた。ケイは倒れたがその顔は笑顔だった。男が不思議に思った瞬間、とてつもない光が辺りを包んだ。ケイは光で目を覚ました。
「目が痛いぃぃぃぃぃ!?何も、何も見えん!!!!!!」
男が目を抑え、辺りを暴れながら悶えている。
「ケイ、コッチへ飛んで。」
ねいが屋根の上から呼びかけた。すぐさま壁をキックし、機械の助けを受けて、屋根に登った。細い路地の向こうからゴミ箱などを跳ね飛ばしながら突っ込んでくる吾大が男にタックルをお見舞いした。男はくるくる周り、倒れた。
「犯人、確保ぉ!!」
吾大がそう叫ぶとメンバーは喜んだ。気絶した犯人の腕に手錠を掛けて連行した。
「これで今回のミッションは完了ね。本部に戻りましょう。」
「今回は少々骨の折れるミッションだったなあ。」
「帰ったらゆっくり休まねーとな。じゃなきゃ俺の無給の仕事が増えるからな。」
メンバーはその後、荷物をまとめ、ワゴンに乗り込んだ。
「今回の犯人はケネスト=ラビルって男性だけど、キメだ村出身で、そこでも悪事を働いて追い出されたみたい。」
「反省しないものですね。」
「悪い事でも一度楽しいと思えば何度でもやっちまうものさ。」
全員がゲインスの方を見た。
「いや、何故俺の方を見るんだ。今のも冗談だ。俺はもう善の人間や!」
メンバーがみんな笑った。
怪奇窃盗事件の犯人の捕獲に成功。subteamは更なる平和のために戦い続ける。次回へ続く




