怪への追求
タムル村:大規模な墓地があることで心霊スポットとして有名。
俺がケイを診察して、病室を出るとあの三人組が椅子に座っていた。
「大丈夫だ。ケイは少し過度な恐怖を感じていて少しばかり回復には時間がかかるが怪我はない。」
3人は少し安心したような素振りを見せた。
「それは良かった。とりあえず犯人は一筋縄で行くようなものでは無いということだ。」
吾大が腕を組んでそう言った。
「そういえば、リーダーは何処に行った?」
吾大と知夏は首を傾げたが、海汰が答えた。
「恐らく向こうにいると思います。」
「OK。ありがとう。」
俺はそこへ向かった。リーダーがいたがうつむいていてかなり凹んでいる。
「リーダー聞こえるか。」
「ええ、ゲインス。聞こえてるわ。」
「リーダー、気持ちはわかるがとりあえず元気だせ。ケイは大丈夫だ。そう気にすることは無い。」
リーダーは無理に笑顔を作った感じはあるが、笑った。
「そうね、ケイ君の為にも頑張らなきゃ。」
俺は相槌を打って付け加えた。
「まあ、とりあえず俺はケイや被害者から情報をより聞き出す。出された情報から犯人の能力を炙り出す。それまで少し気を休めな。」
俺はそう言ってケイの病室へと向かおうとした。
「ありがとう、ゲインス。それじゃあ頼んだよ。」
俺は手で合図をした。
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「少し思い出すのは苦かもしれんが、少し質問するぞ、ケイ。」
「はい。」
「まずはお前がその、恐怖に襲われたのは何処でだ?」
「多分、建物の上です。」
遠距離系の能力か。
「どういう状況だった?」
「誰かが倒れていて、そこにフードを被った人が側にいて、鞄を盗もうとしていたので、銃を向けて、そして皆さんに報告しました。」
「確かその直後にリーダーがゴロツキを2人仕留めたわけだ。」
「多分それだと思いますが、後ろから雷の音がして、僕は犯人から目を逸らしては行けないと見ていました。すると犯人がこちらを向いて…」
ケイは頭を抱えた。
「大丈夫だ。状況はしっかりと掴めた。ありがとう、横になって休みな。」
俺は病室を出て、ケイが能力を使われた時にいた被害者に聞くことにした。隣の病室に入ると少し痩せた長身の男性がいた。
「すみません、subteamのゲインスというものですが、お話伺ってもよろしいですか?」
男は無言でうなづいた。
「ありがとう。お名前と何処に住んでいるか、教えてくれないか。」
「あの、えと、てっティッツ=ローレンです。ここに住んでます。」
かなり緊張してるらしい。それとも人見知り?
「ではその時の状況を聞かせてくれないか。」
男はうつむき気味で話し始めた。
「私が大通りから細い路地に入っていったら、お恥ずかしい話ですが、角から出てきた人に驚いて気絶してしまいました。」
「ただ人が出てきただけか?」
「いや、多分変な特殊メイクでもしてたのか、とりあえずおぞましかったと思います。」
「何故わざわざ細い路地を通ろうとした?」
ティッツは汗を描いていた。
「あぁ、私はかなりの人見知りで、なるべく人通りの少ない道をいつも通ってるんです。」
「そうか、ありがとう。また話を聞くかもしれないから通信番号を教えてくれないか。」
ティッツは自らのタブレットを取り出し、番号を教えあった。
「それでは、お大事に。」
ティッツは礼をした。
とりあえず2人の話をまとめよう。ティッツは犯人を見た、角から出てきたが恐らく真ん前に現れたのだろう。しかし、ケイは犯人を見ただけでは何も無かった。ケイの後ろから音がしたということは犯人はそちらを向いたはずだ。と、なると…分かったぞ。
俺は自分のタブレットを取り出し、subteam全員に送った。
『犯人の能力が分かったぞ。多分目を合わすとそいつに恐怖を見せる能力だ。』
遂に犯人の能力を推測した。次回、犯人を追い詰める。




