ねいと情報屋
無国家地帯には国家があった面影があるが、だいたいは暴力団体の巣窟である。
僕は相棒のスナイパーライフルとハンドガンを持ち、ワゴンに乗り込んだ。他のメンバーの人たちはそれぞれ器具を持ちながら待っていた。
「全員揃ったね。忘れ物は無いね。」
全員うなづいた。
「それじゃあ、出発するよ。」
今日僕達はねいさんの設計した6人乗りのワゴンに乗っていた。水陸空に行けるがあまり高い高度が飛べないらしい。かつて世界中を繋いでいた幹線道路だった道を通っている。所々ヒビなどが付いており、崩れている箇所もある。そしてポツンと1軒だけ建っているカフェの様な場所に着いた。ねいさんが車から降りて、カフェの方に歩いていった。他のメンバーは少し間を空けて入っていった。カフェに入るとちらほらと客がいて、それぞれコーヒーを飲んでいる。ねいさんはカウンターでマスターらしい人と話している。僕達はまとまって席についた。
「あの方はリーダーと仲がいい情報屋の集団のうち1人で普段はその職業を隠しながらここでカフェを経営している。」
ゲインスさんが小声で僕にそう伝えた。無言でうなづいた。ねいさんはまだ話していて、僕達は頼んだコーヒーを飲む。恐ろしい程の静けさだった。ねいさんが話し終わって席を立ち、チップを差し出していた。僕達もコーヒー代を払い、席をたった。車に戻った時にゲインスさんがこう切り出した。
「何か有力な情報は引き出せたか。リーダー。」
「怖いもの見たさで客が増える一方、事件に巻き込まれるのが恐ろしく離れる人もいるらしい。けど人は増えているわ。」
「被害者が増える。早く何とかしないとね。」
知夏さんはそう言って手を組んだ。
「後、あそこには今暴力団体は寄り付いていないらしい。」
「今回相手にするのはそこまで厄介な奴ということだな。」
吾大さんが野太い声で聞いた。
「ええ、覚悟した方がいいわね。」
遂に犯人の捕獲作戦が実行される。次回へ続く




