3人拠れば
白透知夏:subteamの隊員。刀の技術が素晴らしい。また、黒血能力で息を止めてる間だけ透明になれるため、近接戦闘において、非常に優秀である。
世界中心機関はキメダ村周辺の地域に非常事態宣言を発表した。子供の誘拐のみならず、街まで破壊されるのは異例の事態であった。知夏は刀を抱え、目を瞑っていた。
「知夏、起きているか。」
後ろからガッシリとした体型の男が話しかける。
「ええ、起きてるわ。吾大さん。」
「辛いのは分かるが、一人で抱え込むのは駄目だ。ここにいる全員が抱え込むべきだ。気を張れ。」
そう言って吾大は知夏の肩に手を置いた。
「ありがとう。なんか、毎回ごめんね。」
「例には及ばん。チームメイトとして当然のことをした迄だ。」
吾大は照れ隠しのようにボサボサの黒髪の後頭部に手を置いた。
「堂京吾大さん、白透知夏さん、よいニュースです」
整えられた黒髪のショートヘアーの若い隊員が声をかける。
「犯罪団体の位置が大体把握出来ました。」
「了解。報告ありがとう、新香海汰さん。」
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私達はそれぞれ体を動かしていた。私は刀を動かし、斬撃の練習と隠密行動の練習をしていた。私の黒血能力は息を止めると透明になれる能力だ。一見便利で実際に使えるのであるが、息を止めてる間だけというのが運動する上で辛い。また、サーモグラフィには映ってしまう。可もなく不可もなくという感じだ。バンという大きな音がしたのでそちらを見ると吾大さんがサンドバッグにタックルをしていた。右肩から腕先までが光沢のある鋼になっていた。それが彼の黒血能力である。体の1部又は全身を鋼に変えることが出来る。しかし、本人曰くとても重いらしい。彼の鍛え上げられた肉体と相乗し、素晴らしいパワーを兼ね備えている。ちなみに鋼の状態では銃弾さえ弾く。その横で海汰が光る槍を鉄板に投げつけていた。刺さった槍は消え、そこに穴だけが残っていった。彼の能力は槍を出現させる能力。自分の意思でおおよそ10個まで出したり消したり出来るらしい。彼はとても脆弱に見えるが、実は腕の力が半端ではなく吾大さんと腕相撲ではほぼ互角である。私はふと思い出した。まだsubteamが出来る前に3人で幾度となく犯罪者を捕まえてきたことを。確かあの時は私達もまだ黒血者では無かった。いや、今は思い出に耽っている時間ではない。必ず、奴らを成敗しなければ。
戦闘術最強の3人がここに集結する。全ては正義のために。続く




