逆転の始まり
世界中心機関:無国家地域の増大に伴い新設された国際機関。世界平和を一番に望み、活動をしている。
「あ、もしもし聞こえてる。」
「OKだ。報告をしてくれ。」
「あーっと、状況は最悪だ。まず元からいた医療団体が譲らないみたいで俺らは掃除係になってる。そして文句をいちいち付けられ、堪忍袋の緒が切れた奴らがあっちに話つけに行ったら感染したという事だ。」
「…。お前らまずいな。感染した隊員と話は?」
「出来てない。中に入ることすらままならない。奴らが夜まで見張っててな。患者も1人も治らないまま。成果は病棟が綺麗になった。以上だ。」
「わかった。少し怪しいヤツらだが、変な行動起こして患者を一番に考えろ。厄介起こして患者が傷つく事がないように。」
「了解。」
電話を切り一息ついた。さて、これからどうするか。まず、感染経路を知りたいが奴らは執拗に守っている。俺の思い過ごしだと思うが何か隠してる。俺は皆を集めた。
「よく聞いてくれ。奴らはきっと何か隠しているに違いない。それを暴き出して患者を助ける。」
「は?もしそれが思い過ごしだったんならどうすんだ。」
「手はある。とにかくやるぞ。」
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夜中頃忙しく走る男が病室へ来た。
「おい、侵入者だぞ。病室に入れろ。」
「何だと、窓から入られたのかクソッ」
青っぽい白衣を着た2人の男が病室へ入る。
「クソッどこに隠れやがった。出てこい。」
そう言ってベッドの下などを探し始めた。男のうち1人が世界中心機関の患者に近づく。
「お前らの仲間じゃないだろうな。」
そしてさっとメモと小さなマイクを置いた。彼らが驚いているとその男はウインクをした。
「もう逃げられたみたいだ。上に報告しよう。お前は外の警備に行け。」
そう言ってマイクを渡した男は外へ出た。
「よし、成功だ。リーダーの変声機が役に立った。これを持ち主に返して階段の下に置いておくぞ。」
そしてさっき気絶させて白衣を頂いた奴を階段から落ちたように置いておいた。さてと、後は患者の家を探索しに行った者達だ。あっちは平和的に見せて欲しいと頼みに言っただけだが。10分ほど経ち、戻ってきた。
「患者の持ち物は全部持ってかれてる。ゴロツキ共か。」
「ここは警察すら感染してるのか。まずいな。」
「取り敢えず仲間の話を聞こう。」
通信機の電源を入れた。
「聞こえるか。返事が出来る状況か幸せならならマイクを叩け。」
マイクを叩く音がした。
「よし、では話をしよう。幸せもんだな。」
「なわけかるか。ゲホッゲホッウォェッ」
一旦マイクを切る。そして付ける。
「すまんな。端的に質問する。感染経路を教えてくれ。」
「俺達はあの後奴らの事務室へと向かった。患者の病室の近くは避けて通ったのだが。」
「マスクは?」
「もちろん付けてた。」
「続きを」
「で、奴らに話した。もっと平等に扱い私達に治療を許可する様に訴えた。そしたら奴らが襲いかかってきて、そこから気絶してしまいよく覚えてない。」
「なるほど、何か妙な傷跡とかは無いか?注射痕とか。」
「そういえば、脇腹がチクチク痛むんだ。今は動けないし写真も撮れないから証拠として成り立たない。」
「あんたの服は今盗られてるのか?」
「恐らく」
「ならそれを取り戻して調べるまでだ。」
「なかなか強気だな。」
「まあ、見てな。少しの間寂しくなるが泣くんじゃねーぞ。」
「ふん。余計なお世話だ。」
ゲインスらの逆襲は成功するのかそれとも…




