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第0章 0幕 【読破項目無し】

戦闘シーンの練習として書いたものを折角なので投稿します。

本編とは何の関係もありません。

 レインは目の前にいる飛龍に向かって腰に挿した日本刀をゆっくりと抜刀した。


「こりゃあ……なかなか」と、隣にいるヤマトも同じように自分の腰にあるサーベルを抜く。


 飛龍は2人の前で口を天に捧げるように開いた。アイスグリーンの瞳に紺黒色の鱗。爪は紅く光り、今にもこちらに斬りかかって来てもおかしくない。


 ギイイイ!! と飛龍は歯ぎしりのような叫び声を上げる。


「で?勝算は?」


 レインの言葉にヤマトは小さく笑うと「まぁ~~30%かな?」と答える。


「上等!!」


 レインはそう言うと一度左足を後ろに踏み込み、目の前にいる巨大な敵に向かって走り込んだ。


 軽い足音を立てて自分の10倍近くある巨体の龍に立ち向かう。


 そんなレインの行動を見て、ヤマトはレインの進む方向とは別に走り出した。


 ヤマトの能力攻撃は威力がある分発動までにロスが生じる。その時間を稼ぐ為にレインが特攻するのがいつものスタンスだ。


 飛龍が突っ込んで来るレインに向かい大きく息を吸い始める。そして2秒ほど吸い込んだ息を腹の中で溜め込むとレインに向かって吐き出した。


 飛龍特有の攻撃方法であるブレスは炎を纏いながらレインを襲う。しかしレインはそのブレスを避けるように大きく飛び跳ねた。ストンッと軽い踏み込みで宙へと上がるレインを飛龍の目が追いかける。


 その飛龍の背後まで到着したヤマトは、サーベルをしっかり握り能力を刀に込め始めた。


 バチバチと身体の周りを電流が舞いだす。黄色い閃光がヤマトの髪を逆なでた。


 飛龍はそんなヤマトに気が付き下を向く。しかし頭上に舞い上がったレインが刀に冷気を纏わせ思いっきり斬りかかった。


 キイイイイイ!! 飛龍の悲痛の叫びが辺りに響く。


 レインの刀は見事に飛龍の後頭部へと斬り込んでいた。「浅いか」と、レインは声を出しながら傷を負わせたその頭上に着地する。


 飛龍は目の上に登るレインに向かって両手を振り上げ反撃してきた。レインはその鋭い爪をフワリと交わし、頭上でステップを踏む。


「レイン!!」


 ヤマトの声にレインは素早く反応し、軽い踏み込みで空へと飛び跳ねた。


 そして飛龍からある程度の距離まで背中の翼を使い滑空グライディングする。


 バジイイイン! 地響きと共に飛龍に大きな雷が降り注がれ、土煙と共に地響きが辺りを覆う。


 数秒その場が騒然とした。しかし、土煙の中からの足音で騒然とした空気が元の戦場へと舞い戻される。


 足音を立て土煙から出て来たヤマトは、レインの横で刀を構え直し「やったか?」と質問する。


「まだだな」と、レインも刀を構え直しながら答えた。


「だと思った。装甲が硬い」と、ヤマトは大きく溜息を付く。


「だな、斬った感覚が薄い」


「流石、天界の野生飛龍」


「で? 勝算は上がったか?」


 レインの言葉にヤマトは「50%……ってところかな?」と答える。


「上等!」


 そう言ってレインは刀を左右に振り、気合を入れ直した。


 するとレインを見たヤマトはいつもの不敵な笑みを見せつつ「じゃ、行きますか!」と二度ほどその場でステップを踏み、土煙上がる方へと走り込んだ。


「その作戦かよ」


 レインは先行したヤマトのステップで次の攻撃方法を読み取り、能力を身体の中で生成する。そしてヤマトの後を追うように走り込んだ。


 先行していたヤマトは土煙の前で立ち止まると大きく落雷を落とす。


 土煙の中で飛龍の叫びが聞こえる。ヤマトの落雷で更に混乱しているようだ。


 レインは身体全体に冷気を起こしならヤマトの横を走り、土煙の中へと突進した。レインの身体が土煙に触れると、その場所から徐々に舞い上がる煙が凍っていく。


 白く色付く煙。まるで雪が舞うようにその場の空気が一気に冷却されていった。


 土煙が全て冷却されると、今度はヤマトがその煙の中へと走り込む。その身体には電流がバチバチと纏い出していた。


 冷却された土煙がヤマトの身体を覆う。その瞬間、雪と化した煙は電流を伝染させ、まるで花火のように辺りがバチバチと弾け出した。


 花火は徐々に広がり、飛龍の周りを踊り出す。飛龍はその花火に混乱させられ暴れまわった。


 そして次の瞬間、花火の土煙は突然起こった突風によって吹き飛ばされる。


 吹き飛ばされたその場所には、それぞれ自分の刀を飛龍の口元で構えるレインとヤマトの姿があった。


 飛龍が口を閉じようと動くより早く、両サイドから刀を押し当て2人は同時に斬り込んでいく。


 ギイイイイイイイ!! 叫びと共に、飛龍の顔は2人の刀によって引き裂かれる。


 飛龍の叫びが終わる頃胴体はユラユラと揺れ動き、やがてドスンと真横に倒れ込んだ。


 紅く染まる刀を同時に振り血を払いの蹴ると、レインとヤマトはアイコンタクトを取る。


 そしてレインは右手の拳を、ヤマトは左手の拳をコツンと当て、元来た道へと引き返すのであった。









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