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 ギャロは目玉が少し大きい。その間隔はやや開き気味で、鼻先までの距離が短く、実に蛙然とした風貌だ。それに、肌の色が濃い。少し土色よりの濃い緑色は、醜怪種で言えば浅黒いというところか。

「確かに、ちっとも似てない」

「だろう?」

 『おばさん』は、吸盤のついた手で美也子の頭を撫でた。

「それでもこの子のことは、こ~んな小っちゃい頃から知ってるんだ。まあ、息子みたいなもんさ」

 ああ、この人の愛情は座長に似ている、と美也子は思った。

 その生い立ちが産む寂寥感からだろうか、ギャロはこの手の愛情に恵まれている。だからこそ親に捨てられても曲がることなく、愛情深い男に育ったのかもしれない。

「おばさん、ありがとう」

 ぽそりと呟かれた美也子の言葉に、蛙頭の女は満面の笑みで応えた。

「良いからさっさと座りな。美味い物を食べさせてあげるからね」

 その腕に銀色の腕輪がちかりと光る。黒ずみもなく、ただ使い込まれた金属の光沢は、銀ではあるまい。太目の輪に輝石をはめ込んだだけのシンプルなデザインが、美也子の心をひどく捉えた。


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