すべての食べ物はすりつぶせばいつか液体になる
なんて日だ!バ○きんぐ○峠のスタンドを召喚したい気分だぜ!
なんでもわが友人安堂優梨子は腐っていることを墓場まで持っていく秘密と決めていたそうだ。自分がオタクであることを隠しはしたいが何となくその事について話したかったため、「妹が好きなんだけどさ」を言い訳にしていたよう。
なんかもう...色々泣けてきた...。
大好きな麻婆豆腐の豆腐も弄りすぎて液体になってしまった。
持ってきてもらったお昼ご飯を食べながら私は話を聞いた。
「たまたま夜中にテレビつけたらさっ、『ヘッドロックでつかまえて』がやっててさっ」
瞳孔がかっぴらいてるよ。
「ところでさ、ホモ小説の魅力ってなんなの?」
「失礼な!BLでしょ!?それはもう背徳感よ!あぁ、羞恥に染まる体、止められない心、人生は何て無情なのぉぉぉおおおん!」
「ア...アァ...」
カオ○シみたいな声しか出せなかったのは勿論私だ。
優梨子はすっかり私を同志だと思い怒濤の勢いで喋くりたおす。その姿はさながらナイアガラフォールである。
しかし訂正をすることで井上大先生のことがばれると私の命は無いよりも更に恐ろしい結末に終わる。
私はグッと堪えるしかなかった。優梨子は原作は勿論、Blu-rayもしっかり揃えているようだ。
ほげー、この人やっぱり凄いのな。
授業中にチラっと横顔を見てみる。成績優秀、眉目秀麗、おまけに運動能力も優れている。
しかしその手元は止まらない。ヘッドロックが止まらない。
「…い。…おい、松宮!」
「あっはいっ!?止まらない!?」
やってしまった。今は授業の真っ最中であった。
「話はちゃんと聞いていたようだな。そう、ジャックのメアリーに対する愛はとまらなかった。正解だ。じゃあ次の訳いくぞー。」
止まらなかった。こんなところまで井上大先生は予測できるのか!?恐ろしい人よ。
こっそり手を合わせておいた。なーむー。
授業が終わるとバイトだ。
今日はズターバックスのティーラテを運んでから夕飯の準備を進める。
くそっ私なんて一生マックの奴隷だ。
「今日は授業中なんで俺をチラチラ見ていた?ついに俺に惚れたか。」
なにそれ寒っ!と思いつつも抹茶ラテを奢ってもらっているのでなにも言わない。
「今日は麻婆豆腐で良いですかー?」
誰かさんが私の鞄に小説仕込むから私の麻婆豆腐はただの白濁液になってしまった。白濁液ってなんだよ。
「そういえば今日私の友人の安堂優梨子が先生のファンだって分かったんですよ。」
そう言ってみると先生は少し驚いて顔をあげた。
「安堂ってあのSっぽい顔してる美人な安堂か。」
「そうですそうです。私がMっぽいから二人あわせてSMコンビって…。」
この人も女の子のこと美人だとか認識するのか。てっきりゲイだと思ってたぜ。それよりも先生は優梨子みたいな子が良いのか。ほぉーんふぅーんへぇーん。
「なんだよその目は。別に好きだなんて言ってないぞ。」
嫌だなぁ。先生にも可愛いところがあるじゃないですか。
何か言われないうちにさっさとエプロンを外して帰る。
「来週運動会だろ?頑張ってビデオまわせよ。」
…帰りに管理人さん
充電させてもらおう。