独裁者になりたくて
短編です。書き方がちょっと違うのはまぁ作品が違うからです。
2011年3月11日。私は津波に飲まれて海に消えた。
本当に一瞬で。逃げる時間なんてなく。ずっと大事にしてた、歴史の教科書と一緒に。
次に目覚めたとき、私はわけもわからずベッドで目覚めた。
走馬灯でもない。こんな記憶は知らない。てことは...転生?
どうやらそうっぽい。鏡を見てみたら、そこにいたのは私じゃなかった。
金髪を伸ばした美女だった。というか、これが今の私なんだろう。
わけもわからぬうち、頭に記憶が流れ込んできた。
そうだ。私は、「カルメン」
ターペム侯国の中流階級で生まれた、普通の女の子。
私はベッドから降りて、ドアを開けた。
目の前にいる銀髪のイケオジが、私の父、「ウーヤ」
この国のトップであるターペム候の秘書兼代理兼参考人を務める、凄腕シゴデキ完璧超人だ。
ちょっと右に視線を移せば、金髪の女性がいた。これが私の母、「ナーギ」
決して頭がいいとは言えないけれど、家事は万能だし性格もいい。理想の母親だった。
母の「おはよう」という声に、私はおはようと返した。言語はちゃんとわかる。
私たち中流階級は、そこそこいい生活ができてる。
父の収入も安定しているし、母の家事により私は何不自由なく過ごせてる。
けれど、そんな平穏も壊れようとしていた。
この前、近くの北アンデラ王国が、隣国のシルメーニャ公国と戦争を始めたのだ。
イェレス大公国もそろそろホーリン共和国も関係が悪くなってきている。
いつ戦争が始まるかおかしくない状況なのだ。
父もこれに頭を悩ませているらしく、今後の身振りについて毎日議論しているそうだ。
そんな父に、少し私の思っていることを伝えてもみることにした。
「王国に対抗するなら、諸邦で連邦を組んでみるといいんじゃない?」
まだ7歳の娘から、そんな政治的な意見が出るとは誰も思いはしないだろう。
その後、父はこれをターペム候に伝えた。
まぁ、そんなまともに受け入れるわけがないだろうと感じた。
実際、ミェンズィモジェ構想も他国に受け入れられることはなかった。
自分の民族の主権があいまいな国家連合になど、どの国が入りたいというのだろうか。
この頃はまだ、そう思っていた。
♢♢♢
それから三年。
カルメンが9歳の時、アンデラ大陸の中央に「ヴィンデル連邦」が成立した。
父による必死の外交により完成した。
主な国家はターペム侯国、レジェ王国、イェレス大公国で構成されるらしい。
各国家の枠組みを残した連邦制でありつつ、中央議会がある、という構造だった。
領邦と連邦参議院に似通った部分があり、面白いものだった。
これで、少しはこの生活も続くだろうと。そう思っていた。
♢♢♢
けれど、さらに五年。カルメンが14歳になったとき、中央議会は腐敗し始めた。
舵の利かなくなった中央連邦は、外交で致命的なミスが出てきた。
結果、北アンデラ王国、ホーリン共和国と戦争になってしまった。
戦時中の国内は、地獄そのものだった。
減り続ける食料。
徴兵されてゆく男性。
物資を奪い合う人々。
無意味な勢力争いを繰り広げる貴族。
うんざりしてしまった。
もう、この国は長く続かないだろうと気づき、絶望した。
放心して、ふと父の本棚を見つめた。
そしたら、見覚えのある背表紙を見つけた。
私が前世で持ってた、あの歴史書がだった。
折り目も、シミの位置も、すべて同じ。どうせなら、日本語だった。
父に聞いてみれば、昔露天商から、東洋の島国から渡来してきたと聞いて買ったらしい。
こっちの世界に転生するときに、一緒に世界を渡ってきたのだろうか。
否、そんなことはどうでもいい。自分の青春との再会だ。
ノスタルジーに浸るため、久々にページをめくってみた。
開いたのは、ナポレオンのページだった。軍人として名をあげ、皇帝となり、大陸を征服した。
次に見たのは、ヒトラーのページだった。圧倒的なカリスマで、ドイツで一党独裁を行った。
そんな彼らを見て、思った。私も彼らのように、国を引っ張っていきたい、と。
「私が、アンデラの独裁者となってやる」
ただの14歳の少女が、独裁者を志した。これが、彼女の旅立ちである。
そして彼女は、アンデラ史において、大きく名前を刻むこととなる───
午前4時に深夜テンションで書きなぐったやつです。いろいろ頭おかしかったですね。




