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正義の味方

作者: 零円

このサイトでは処女作なので、煮え切らない感があると思いますけど、シリーズにするつもりはなかったので。

俺がこの世に求めた正義は、とても不完全なものだった。

悪を滅ぼす。それを正義としてきた俺が、その正義の為に悪を求めるという矛盾。

永遠的で刹那的。

俺の正義は永遠でも、その正義は悪のいる瞬間にしか正義として認められない。

絶対的で相対的。

俺の正義は存在する。その正義は悪がいないと証明されない。


思考は総じて沼のようだ。

考えれば考えるほど、もがけばもがくほど沈んでいき、それに気付いた頃にはもう手遅れ。

俺も同様で気が付いた時には、思考の中から抜け出せなくなり、俺の正義が信じられなくなった。


このまま沈む。このまま、もう何もせずに眠ろう。そう思い目を閉じようとして、一筋の光明が見えた。その光明に向かい、辿り着いた先に存在したのは、何とも単純な事実。


単純な事だ。矛盾が生まれるのなら、その事象は偽であり、真はその逆をいく。つまり。


「元々正義なんてものは存在しなかったって意味か」


ああ、なるほど。そう考えれば全ての辻褄が合う。正義なんてものは無いから、悪がいないと証明できないし、存在しえない。だからこそ、俺は俺の正義が信じられないんだ。


「この世にあるのは悪のみ。いや、悪という存在すらも怪しいか」


なら何なのだろうか。この世にある俺を俺でいさせる何か。

でも、その答えは簡単に見つかった。単純だ。単純明快。正義も悪も。俺の匙加減一つで大きく変わる。なら、そこにあるのはただ一つ。


自我(エゴ)だ。そうか。ようやく分かった。つまり俺が正義(あく)でいる為にすることは一つじゃないか。なあ、そうだろ!?」


貫くのだ、己を。どんな時、どんな場所、どんな状況。TPO何か糞喰らえ。俺は俺の正義エゴを貫く。貫き通す。それは、この炎の中で俺と敵対しているあいつも同じだろう。


「お前。もういいや。楽しめたし、もう終わりにしよう」


手に持った黒塗りの銃を向ける。相手も同じようにこちらに向ける様子が目に取れた。

舌なめずりをして、お互いに一歩ずつ近づいていく。

一歩。また一歩。どんどん距離が縮まり、ついにお互いの額に互いの銃口がピタリとついた。

それでもまだ、引き鉄は引かない。


「さて。俺が心理に辿り着いたところで、終わらせようかエゴイスト」

「お互いに、だろう」


歓喜に満ちているであろう俺の顔とは対照的な無表情をこちらに向けるそいつ。

そして、先ほど一歩ずつ近づいて行った時同様、お互いに示し合わせることなく、引き鉄を引いた。

ダークっぽい……のかな?個人的に旧タグの中にこれって当てはまりそうなものが無かったので、あのタグだったんですけどね。


とりあえず、こんなもんで。まえがきにある通り、連載にするつもりは無しです

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