叫びたい
実来は高梧とのお出かけの日、普通にジーパンで出かけたらしいです。
でも、なんでそんなこと聞くの?って実来が不思議がっていたので、オレはワンピース着ていったのかと思ってってこたえた。
そしたら、それはデートの時のやつだからって、言いましたね。
「なら、もうオレとデートしちゃったね」
って、ふざけて言ってみた。
実来は、
「あー、あれって…デートなんだ?って、そんなわけないよ」
と真顔で返してきた。
はい、そうですね。
そりゃ付き合ってもないし、デートなわけありませんよねー。
「あー、そうだね。」
「ねー。」
…
なんなん…
この空気なんなん?
…
「オレは、あれがデートだったって言われても問題ないけどね」
「ふーん。でもそれは大問題でしょ…てか、ヤバくない?それは…なんだろ…妄想っていうか、思い込み激しいハゲみたいな?」
「ハゲてねーよ。バカが」
「バ…バ…てかさ、バケモンよ。まさか、今こうして、バケモン部屋にいることもおうちデートとかおっしゃるおつもり?」
…
バケモン部屋…って…
「あぁ、バケモンの愛の巣なんじゃね?」
「ブッ、キモい!ヤバっ!ツボってくるからやめて」
…
普通…ツボるでよくね?
ツボってくるって…なに?
…
「まぁ、それは大げさだけどオレは実来となら…その…あの…」
「えと…ですから…」
「勝手に繋げんなって。」
「あー、ごめん。で、実来となら何?バケモン部屋で巣篭もりしたいってこと?」
…
巣篭もりとは?
よくわからんが
「まぁ、それでもいい」
って言ってみた。
実来は、
「それは…ヤバいな。鳥にならにゃならん…てか、鳥なら飛びたいな」
と、また変な妄想に移行しつつある。
…
オレは、実来とまともに会話できる日が来るのだろうか?
…
来なそう…ですね。
実来は、そのうちオレから飛び立つのでしょう。
きっとそんな出来事は、あっという間なんだろうなぁ。
いつのまにか、わたし彼氏できたーとか言って、ワンピースきて出かけて行くんだよ。
そういうことやってくんだよ…
実来はさ…。
ええええ、いいですとも。
そりゃ、実来はオレなんか眼中にもないんですものね〜。
ごつっ
なんか音がしたかと思えば、実来が
「いったい!今テーブルにめっちゃぶつけたんだけど⁉︎」
って、手をオレにみせてきて、
「ここここここっ」
と、ぶつけたところをめっちゃオレにむけてきた。
「大丈夫かよ?てか実来は、鳥になるんだ?こここここってさ、ニワトリかよ?ニワトリは、飛べないけど鳥になりたいならどうぞ、いってらっしゃいねー」
と、スン顔で言ってやった。
すると実来も
「ニワトリは、コケコッコーなんじゃない?残念でしたぁ」
と、スン顔からのドヤ顔をしてきた。
…
なにこの会話?
なに対決なん?
…
もう、いいです。
もう…
けっこう…コケコッコウですわい。
あーあ、今オレがニワトリだったらなー…
全力でコケコッコウーーッ‼︎って騒げたのにな…。
誠に残念でした。
てかさ、ここはどうせ告白しても通じないんだから、もう一度強引にいってみてはどうだろう?
てことで、実来にどうせオレたちいつも一緒なんだからやっぱり、付き合ってんのと一緒じゃない?と、軽いノリでいってみた。
もしかしたら、さっきは失敗したけど今度は、たしかに!ってなってそのまま、付き合うみたいなことにもなりうる。
って思っていたのに、実来は…
「それは違う。そうは、絶対にならない」
と、冷ややかな目でみてきましたよ?
あー…やっぱりそうなりますか。
…そもそもが実来は、オレを好きじゃないのかもしれないなぁ。
てか、好きじゃないんだろうな。
落ち込んでいると、実来がいきなり
「今度の日曜日、練習したいから一緒にお買い物いかない?」
と、なんだかわからない練習とやらに誘われた。
「なんの練習?」
「恋人ができたときの練習」
えっ?
こ、恋人…
「実来は、もしかして…好きな人いるの?」
その質問を聞いた実来は、恥ずかしそうに
「えっ…まぁ。」
と、オレから視線を外した。
…
これは…高梧なんじゃね⁉︎
練習…
高梧のためやん…
やっぱり、そうなりますか。
…
続く。