笑いすぎ
実来は、オレの部屋に遊びに来るなり
「今度、高梧くんとご飯行くんだけど何食べよう?」
って言いだした。
…
いつのまに連絡先交換してたんだ?
せっかくアイスのおかげで勝ったと思ったのにな。
「実来は、高梧のことどう思ってんの?」
「えっ?どうって…普通の人間」
…
返しがおかしいって!
オレも普通の人間だし…って、いやまてよ?
もしオレは?って聞こうもんなら、緑のアイツとか言い出しそうだな。
緑のアイツって…
…何体か思いつくな。
どいつだ?
って、別にどこのどいつだろうがいい。
でも…
試しに聞いてみたくなくはなくもなくない?
どっちだ?
わからなくなってきた。
やっぱり思い切って聞いてみよう!
「実来からみたオレは?」
「茶色」
…
まさかの茶色だった。
てか、色ってのは当たってた。
そもそも茶色とかって、日焼けだろうに。
話にならん…。
このままじゃ、高梧と実来がいい感じになる可能性も…
そもそも高梧って…
フットサルしてたころ、プレイ暴走するクセがあったんだよな。
恋の暴走しないだろうな?
てかさ、暴走したまま実来に愛のパスとかしなくもないよ?
その愛のパスを実来がキャッチしたらどうする⁉︎
そもそも実来は、食を目的としているが…
でも、そんなのどうなるかわかんねーもんなぁ。
実来のタイプって、高梧だったりするー⁉︎
お互い一目惚れでした…みたいな?
はぁ…
でも、こればっかりは仕方ないことだ。
「好きなの食べたらいいじゃん」
「…あー、びっくりしたぁ」
?
なぜ、好きなの食べたらいいじゃんって言葉でびっくりするん?
「いや、びっくりするところなかっただろ」
「ううん、いきなり好きなの♡って言われたかと思ってぇ‼︎」
えっ⁉︎
今チャンスなんじゃね⁇
このまま告白しちゃう⁉︎って思ったけどさ…
実来は、なんで笑い転げてる?
オレが告白したら大爆笑なん?
「なんで笑うんだよ?」
「だって、好きなの♡って普通男の人って言わないじゃん。いきなりそんなっ、乙女チックに好きなのってさぁ、ヤバっ…お腹…は、腹いたいわっ…クククっ」
と、めっちゃ笑っていた。
お腹って言っといて、なぜ腹って言い直したんだよ…。
てか…
「笑いすぎ…なぁ、実来」
「んっ…ククク…っな、なに?」
「好きなの♡」
「ギャハハっ…や、やめてよーっ!」
大笑いする実来。
ヤケクソなオレは、おめめパチパチをして自分のおててをギュッと握ってキャラを演じた。
実来は、笑いながらも
「わた…いや、オレも好きだぜ」
と、笑いながらこたえてきた。
…
くだらないウソ告白大会が、いきなりオレの部屋で開催されました。
まあ、オレはほんとに好きだけどさ…
でも、やっぱり告白はおふざけなしできちんと伝えたいよね。
きちんと伝えたところで、スルーされるんだけどさ。
…
あ、てかさ…そんなことよりも今は、高梧と実来のご飯を決めてたんだった。
二人のご飯食べなんてさ、ほんとは…どうだっていい。
いや、よくない。
ほんとは、言ってほしくないんだ。
何食べるかなんかは、どうでもいいけど…でも、二人の愛が深まるのだけはイヤですね。
食べるものが難しいやつって、どうなんだろう?
食べ方汚くてフラれたみたいなさ?
超でっかいハンバーガーとか?
大口あけて、あんぐりみたいな?
あとは…麺類とか?
めっちゃズルズルすすわないといけない…みたいな?
それか、口が青くなる食品?
妖怪みたいな口になってさ、なんかすごいくちびるの色してるね?みたいな。
でさ、あんたのくちびるも青くしてやるよって言ってキス…とかしちゃったり⁉︎
そ、それは…ダメでしょ。
…
じゃあ、どうすれば…
あ、いい食べ物思いついた。
「牛丼とかよくね?量多いし、安いよ?」
どうせ却下だろうけどね。
でも実来は、
「あー、いいね!そうしよう」
と、早速高梧に連絡をしていた。
いいんだ?
それ…採用でいいんだ?
まぁ、いいならいい…よね。
でもさぁ、やっぱりどこに行くにしても二人で幼馴染がだれかとご飯行くのって、やだなぁ。
まさか、あのワンピース着ていかなよね⁉︎
どうなのよ⁉︎
…
続く。