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恋愛幻想破壊小説 【FBBA】  作者: nandemoE


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浮上


 アマゾナイトノベルズ様より2026年1月6日配信開始!

 『現実世界に追放された悪役令嬢はモブを育てる』


 悪役令嬢が現代日本に逆転移!?

 戸籍も、頼りも、お金も、住処すらない絶望的な状況。

 しかも「人を一生愛せない呪い」まで掛けられていて……。


 男性にも女性にも読んでほしい作品です。

 ぜひぜひ応援よろしくお願いいたします!



 動画を投稿したのは、その日の夜だった。


 帰宅してからも頭の中はずっと刀理との会話でいっぱいで、買ってきた総菜の味もよく覚えていない。


 母と父には適当に相槌を打って自室に戻り、シャワーを浴びてからベッドに腰掛けたまま、スマホの画面を見つめていた。


「……ほんとに、これでいいのかな」


 刀理から送られてきた編集済みの動画は三本。


 一時的に刀理のアカウントも共有してもらって私が直接投稿ボタンを押せるようになっている。


 どれも短く、説明も最低限で、タイトルも拍子抜けするほど簡素だった。


『浮いてみた』


『地面踏み鳴らしたら浮いた』


『宙で縄跳びしてみた』


 文字にすれば冗談みたいだが、映像の中の私はたしかに浮いている。


 加工やトリックを疑われないよう、カメラの位置も角度も何度も変えて撮ってあった。足元には影があり、私の身体は地面と明確な距離を保っている。


――誰がどう見ても、おかしい。


 コメント欄が荒れる未来も、フェイクだと断じられる未来も、バズって収拾がつかなくなる未来も、すべて頭に浮かんだ。


 それでも指が止まらなかったのは、今日の出来事で私の中の何かが、もう後戻りできないところまで動いてしまったからだと思う。


 母の言葉。


 自立。


 扶養。


 賞味期限。


 あのまま何もせずに年を取っていく自分を想像するより、ずっとマシだと思ってしまった。


「……えい」


 半ば投げやりに、私は投稿ボタンを押した。


 最初の十分は、何も起きなかった。


 再生回数は一桁のまま、いいねもつかない。フォロワー数なども当然動かない。


「まぁ、こんなもんだよね……」


 私はスマホを伏せてベッドに転がった。


 浮遊能力があったところで、私自身が特別な人間になるわけじゃない。そんな現実的な考えが、さっきまでの高揚をゆっくり冷ましていく。


 だが、十五分を過ぎたあたりで、通知音が鳴った。


 ピコン。


「……?」


 画面を覗くと、見知らぬアイコンからのコメントが一件。


『え、これガチ?』


 胸が小さく跳ねた。


 すぐに次の通知。


『加工じゃなかったらヤバくない?』


『どうやってるの? AI動画? ……じゃなくない?』


『影が自然すぎる』


 再生回数が、いつの間にか百を超えている。


「え……?」


 指が震えた。


 更新するたびに数字が増えていく。二百、三百、五百。


 私の動画が、誰かの指を止めている。


 胸の奥がじわじわと熱くなった。


 これは、たしかに“反応”だ。無視されていないという事実が、こんなにも心臓にくるものだとは思わなかった。


 さらに十分後、別の動画にもコメントがつき始めた。


『ワイヤーないの?』


『バグってる』


『これが令和の超能力?』


 中には冷やかしや否定もあったが、不思議と嫌な気はしなかった。


 だって、見てくれている。疑うという行為ですら、私に向けられている。


 私は思わず、天井を見上げて笑ってしまった。


「……やば」


 この感覚、知ってる。


 昔、大学のサークルでちょっとした役をもらったとき。


 初めて誰かに告白されたとき。


――自分が『舞台の外』じゃないと感じられた瞬間。


 気づけば、刀理にメッセージを送っていた。


「ちょっと、見て。伸びてる」


 すぐに既読がつく。


『マジ? 今見る』


 数分後。


『おー……これは、来てるな』


 その短い一文だけで、また胸が高鳴った。


 認められた。少なくとも刀理には。


「次どうする?」


『このペースなら、明日もう一本出してもいいかも』


 画面越しの言葉に、私は強く頷いた。


「うん。私、協力する」


 送信してから、少しだけ冷静になる。


――協力、か。


 いつの間にか、主語が『私たち』になっている。


 でも、それが悪いことだとは思えなかった。むしろ心強い。


 私はスマホを胸に抱え、ゆっくり息を吐いた。


 まだ何も始まっていない。


 だけど、何もなかった昨日とは、確実に違う。


 浮いているのは、身体だけじゃない。


 生活も、将来も、私自身も。


 この先どこに着地するのかなんて、考えないほうがいい。


 少なくとも今は、数字が増えるたびに、私は軽くなっていく。


「……もう少しだけ」


 そう呟いて、私はまた画面を更新した。


 再生回数は、千を超えていた。



 お読みいただきありがとうございます。


 拙作『現実世界に追放された悪役令嬢はモブを育てる』

 2026年1月6日 アマゾナイトノベルズさま より電子書籍化!


 悪役令嬢が現代日本に逆転移!?

 戸籍も、頼りも、お金も、住処すらない絶望的な状況。

 しかも「人を一生愛せない呪い」まで掛けられていて……。


 男性にも女性にも読んでほしい作品です。


 いくつか下のほうに表紙とリンク貼っておきます!

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『現実世界に追放された悪役令嬢はモブを育てる』
☆電子書籍化☆

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 配信日:2026年1月6日
 アマゾナイトノベルズ様より



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