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恋愛幻想破壊小説 【FBBA】  作者: nandemoE


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弁護士すらも味方じゃない

 いよいよ明日!


 アマゾナイトノベルズ様より2026年2月3日配信開始!

 『現実世界に追放された悪役令嬢はモブを育てる』 第2巻!


 悪役令嬢が現代日本に逆転移!?

 戸籍も、頼りも、お金も、住処すらない絶望的な状況。

 しかも「人を一生愛せない呪い」まで掛けられていて……。


 男性にも女性にも読んでほしい作品です。

 ぜひぜひ応援よろしくお願いいたします!



 無料法律相談のページを開いたのは夜中の二時を回ったころだった。


 家族は全員寝ている。


 家の中は静まり返っているのに、私の頭の中だけがうるさかった。


――このままじゃ、本当にヤバいかもしれない。


 そう思いながらも、どこかでまだ「大げさだ」「脅しに決まってる」そう自分に言い聞かせていた。


 だって私は、本気で誰かを殺そうなんて思っていない。


 ただ、怒って、ムカついて、言いすぎただけだ。


 それなのに“殺害予告”だなんて。


 冷静に考えれば傍観者にだってウソだとわかるはずなのに、都合のいいオモチャが現れたとばかりに私を叩いているだけだ。


 むしろ、どちらが本当に悪いのか、わからせてやる……!


 私は、相談フォームの入力欄を前に何度も文章を書いては消した。


『SNS上でのトラブルについて』


『言葉の行き過ぎについて』


 どれも、現実をぼかしすぎている気がした。


 結局、私は一番シンプルに書いた。


『SNSで口論になり、相手に危害を加えるとも取れる発言をしてしまいました。法的に問題になるでしょうか』


 送信ボタンを押したあと、心臓がドクンと鳴った。


 まるで、自白してしまったような気分だった。




 翌日。


 パートを休む理由を適当に母に伝え、私はオンライン相談の時間を待った。


 画面に現れたのは五十代くらいの男性弁護士だった。


 落ち着いた声。淡々とした表情。感情は、ない。


 少なくとも、私に寄り添う気配はなかった。


「では、状況を簡単に教えてください」


 私は、できるだけ冷静に、できるだけ“普通”を装って話した。


 相手に挑発されたこと。


 売り言葉に買い言葉だったこと。


 本気ではなかったこと。


 弁護士は、うなずきながら時々メモを取る。


 話し終えたあと、少しの沈黙があった。


 私はその沈黙が怖くて、先に言い訳を重ねそうになるのを必死でこらえた。


「結論から言いますね」


 その一言で背筋が伸びる。


「かなり、厳しいです」


 頭が、真っ白になった。


「え……でも、実際には何も……」


「“実際にやるつもりがあったかどうか”は、ほとんど関係ありません」


 淡々と、あまりにも淡々と、その人は言った。


「問題になるのは、書かれた文言です。受け手がどう受け取るかです」


 画面越しでも、その言葉の重さが伝わってくる。


「殺す、消す、危害を加える――こうした表現が含まれていれば、脅迫と判断される可能性は高い」


 私は自分が書いた文章を頭の中で思い出そうとしていた。


 あのとき、私は、なんと書いた?


「冗談のつもりだった、と主張する人は多いですが」


 弁護士は少しだけ視線を下げた。


「通りません」


 その一言で私の中の何かが音を立てて崩れた。


「え、でも……相手もひどいことを……」


「相手の非と、あなたの発言は、別です」


 切り分けるような言い方。


「挑発されたからといって、何を書いてもいいわけではありません」


 正論だ。


 あまりにも、正論。


 私は、何も言い返せなかった。


「現時点で、相手が本当に訴えるかどうかは分かりません。ただ――」


 弁護士は言葉を選ぶように、一拍置いた。


「仮に警察に相談された場合、事情聴取は避けられないでしょう」


 事情聴取。


 その言葉が、現実味を帯びて、私の耳に突き刺さる。


「前科がつく可能性も、ゼロではありません」


「……前科?」


 声が自分でも驚くほど震えていた。


「起訴されるかどうかはケース次第ですが、記録は残ります」


 記録。


 残る。


 消えない。


 私の頭の中に一気に連想が広がる。


 仕事。


 家族。


 将来。


 婚活なんて、言っていられる立場じゃない。


「今からできる対策としては――」


 弁護士はいくつかの選択肢を挙げた。


 謝罪。


 接触禁止。


 下手な投稿は一切しない。


 どれも私にとっては“敗北”を認める行為に思えた。


「相手に連絡を取る場合も、必ず文面は慎重に。できれば、こちらを通してください」


 私は、無意識に首を振っていた。


 そんなことをしたら、完全に、私が悪いことになる。


「……相手が、何もしてこなかったら?」


 すがるように聞いた。


「その場合でも、沈静化するとは限りません。ネット上で拡散されている以上、別の形で問題になる可能性もあります」


 ネット。


 そこにもう一つの地雷がある。


「あなたは、顔が知られている」


 弁護士はそこをはっきり指摘した。


「匿名ではありません。それは、かなり不利です」


 私は、画面の中の自分の顔を、見たくなくなった。


「……じゃあ、私は、どうすれば……」


 声が、ほとんど泣き声だった。


 弁護士は少しだけ、本当に少しだけ、柔らかい声になった。


「これ以上、状況を悪化させないことです」


 それだけだった。


 希望も、救いも、用意されていない。


 相談が終わったあと、私はしばらく、パソコンの前から動けなかった。


 窓の外は、昼の光。


 世界は、何事もなかったかのように回っている。


 なのに私は、自分の人生が、音を立てて傾いていくのを、はっきり感じていた。


――私、やっちゃったんだ。


 その認識が、ようやく、胸の奥に落ちてきた。


 自業自得。


 軽率。


 愚か。


 どんな言葉も否定できない。


 それでも、私はまだ、一つだけ、しがみついている考えがあった。


――刀理にだけは、知られたくない。


 彼に知られたら、私はもう“選ぶ側”ではいられない。


 完全に“守られる側”になる。


 それは、彼との恋愛においては、『負け』だ。


 だから私はスマホを手に取りながらも、彼の名前をタップできずにいた。


 その一方で、心のどこかではもう分かっていた。


 自分一人でこの状況をどうにかできるほど私は賢くも強くもない。


 そして彼が沈黙している理由が少しだけ見え始めていた。


――待っているのだ。


 私が、どこまで追い詰められるか。


 私が、自分を頼ってくるのを。


 刀理はあれでも普通の、いや、優秀なほうの三十代男性だ。


 しかもネットの情報に左右されない本当の私を理解してくれている。


 もうこんな状況になってしまった以上、完全に元通りとは言えないだろうが、簡単に私が取るべき最善策を提示してくれることだろう。


 いや、そもそも私がこんなことになった責任の一端は刀理にもあるのではないか。その責任くらいは取ってもらいたい。


 色々と考えたけれども、やっぱり私は刀理に連絡をすることができなかった。



 お読みいただきありがとうございます。


 いよいよ明日です!

 『現実世界に追放された悪役令嬢はモブを育てる』 第2巻!

 2026年2月3日 アマゾナイトノベルズさま より電子書籍化!


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 男性にも女性にも読んでほしい作品です。


 いくつか下のほうに表紙とリンク貼っておきます!

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『現実世界に追放された悪役令嬢はモブを育てる』
☆電子書籍化☆

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 配信日:2026年1月6日
 アマゾナイトノベルズ様より



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