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恋愛幻想破壊小説 【FBBA】  作者: nandemoE


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ヤバい奴認定


 アマゾナイトノベルズ様より2026年1月6日配信開始!

 『現実世界に追放された悪役令嬢はモブを育てる』


 悪役令嬢が現代日本に逆転移!?

 戸籍も、頼りも、お金も、住処すらない絶望的な状況。

 しかも「人を一生愛せない呪い」まで掛けられていて……。


 男性にも女性にも読んでほしい作品です。

 ぜひぜひ応援よろしくお願いいたします!



 事態が変わったのは、ある朝、検索結果を見たときだった。


 自分の名前を打ち込んだわけじゃない。


 そんなことをする勇気は、もうなかった。


 ただ、動画アプリのおすすめ欄に見覚えのあるワードが並んでいた。


『浮いてる女 炎上』


『FBBA ヤバい』


『ツイフェミ案件?』


 心臓が、嫌な音を立てて鳴った。


 私は震える指で、一つをタップしてしまう。


 まとめサイトだった。


 匿名掲示板の書き込みを、切り貼りしただけの、よくあるもの。


 だが、その中身はもう私が知っている“私”ではなかった。


『あの浮いてる女、男に殺害予告したらしいぞ』


『やっぱ承認欲求モンスターだったか』


『典型的なツイフェミで草』


『男叩きしてそうな顔してるもんな』


「……ちがう」


 声に出しても、誰にも届かない。


 私はフェミニストじゃない。なんであんな奴らと一緒にされなきゃならないの。


 政治思想もない。


 男叩きなんて、した覚えもない。


 ただ、ムカついて、言い返して、一線を越えてしまっただけだ。


 それだけなのに。


 ネットの中で私は、“ヤバい女 FBBA”という記号に変換されていた。


『ツイフェミって、こういうとこあるよな』


『自分が被害者だと思い込んでる系』


『女様ってやつ』


 ツイフェミ。


 その単語が、何度も目に刺さる。


 私はその言葉の定義を、正確には知らない。


 ただ、理不尽、攻撃的、話が通じない、そういう意味合いで使われていることだけは、嫌というほど伝わってきた。


 しかも厄介なのは私自身が完全に否定しきれない部分を自分の中に見つけてしまったことだった。


――私、被害者意識、強いかもしれない。


――自分が正しい前提で、怒ってたかもしれない。


 でも、それを認めたら終わりだ。


 私は、スマホを伏せる。


 深呼吸をして、考える。


 冷静に整理しよう。


 まず、事実。


 ・私はSNSで強い言葉を書いた。


 ・相手がそれを脅迫と受け取った。


 ・法的措置を匂わせる通知が来た。


 ・それがどこかから漏れて、拡散された。


 ここまでは、事実。


 でも、そこから先は尾ひれと悪意の増殖だ。


『浮遊能力で調子に乗った女』


『男を見下してる』


『女だから許されると思ってる』


 誰も私の文章全体なんて読んでいない。


 前後の流れも、相手の挑発も、一切考慮されていない。


 “殺害予告”という単語だけが独り歩きしている。


 そしてそれに都合のいい人格設定が貼り付けられる。


――ツイフェミ。


 その瞬間から私の言い分は聞く価値のないものになる。


 どれだけ丁寧に説明しても「はいはい」で終わる。


 私が反論すればするほど「やっぱり面倒な女」と補強される。


 詰んでいる。


 私は、ようやく理解し始めていた。


 これがネットで“認定”されるということなのだと。


 一度貼られたレッテルは簡単には剥がれない。


 ましてや私は顔も知られている。


 アカウントが消えてもどこかに残っていた動画の切り抜きが悪意あるテロップ付きで回っている。


『この笑顔で脅迫するらしい』


『怖すぎ』


 ……笑っていただけだ。


 撮影のとき、刀理と一緒で楽しかっただけなのに。


 私は連絡帳を開いた。


 刀理の名前が目に入る。


 一瞬、指が止まった。


――ダメ。


 今、彼に知られたら終わりだ。


 私は、必死で考える。


 ここで刀理に助けを求めたら確実に主導権を握られる。


 同情されるかもしれない。


 助言もくれるかもしれない。


 でも、それは“対等”ではない。


 私は、「問題を起こした女」「管理が必要な存在」になる。


 それだけは嫌だった。


 もう無理な話かもしれないけど、それでも刀理にだけは知られたくない。


 だから私は自分でなんとかしようとした。


――無理だとも知らずに。


 まず、投稿を消した。


 謝罪文を書こうとして、消した。


 弁護士相談の無料フォームを開いて、途中で閉じた。


 何をどう書いても自分が悪者になる気がした。


 SNSも更新を止めた。


 静かにしていればそのうち沈静化する。


 そう思いたかった。


 だが、現実は逆だった。


『逃げたな』


『やっぱり後ろめたいんだ』


『図星突かれたらダンマリ』


 沈黙は反省ではなく“黒”として解釈された。


 私が何をしても、しなくても、悪評は積み重なる。

 しかも、味方が現れない。


 中立ですら、いない。


 誰も「やりすぎだ」とは言ってくれない。


 なぜなら私は、もう“守る価値のない側”に分類されているからだ。


 その夜、私はふと気づく。


――静かすぎる。


 おかしい。刀理から一切連絡が来ない。


 彼なら、どこかで嗅ぎつけているはずだ。


 動画も、炎上も、この手の話題には敏感な男だ。


 なのに何も言ってこない。


 それが逆に怖かった。


 彼はきっと全部見ている。


 そして、何も言わないという選択をしている。


 私を責めない。


 慰めない。


 助けもしない。


 ただ、私が「どう動くか」を観察している……?


――追い詰める作戦。


 その言葉が頭をよぎる。


――違う! 刀理はそんな人間じゃない!


 私は自分が思っている以上に孤立している。


 母にも、父にも、もう詳しくは話せない。


 兄にも、言えない。


 誰に相談しても「自業自得」と言われる未来がはっきり見える。


 私は、浮かぶこともできず、逃げることもできず、地面に縫い止められていた。


 そしてネットの向こうでは“ヤバい女 FBBA”が勝手に完成されていく。


 その姿は、私自身よりもずっと強く、ずっと醜く、ずっと都合のいい怪物だった。


――まだ、大丈夫。


 私は自分にそう言い聞かせる。


――ここから、なんとか挽回できる。


 だがそれは、一人で解決できる問題ではないことを、この時点の私がまだ認められていないだけだった。



 お読みいただきありがとうございます。


 拙作『現実世界に追放された悪役令嬢はモブを育てる』

 2026年1月6日 アマゾナイトノベルズさま より電子書籍化!


 悪役令嬢が現代日本に逆転移!?

 戸籍も、頼りも、お金も、住処すらない絶望的な状況。

 しかも「人を一生愛せない呪い」まで掛けられていて……。


 男性にも女性にも読んでほしい作品です。


 いくつか下のほうに表紙とリンク貼っておきます!

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『現実世界に追放された悪役令嬢はモブを育てる』
☆電子書籍化☆

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 配信日:2026年1月6日
 アマゾナイトノベルズ様より



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