【プロットタイプ】写真よりも、動画よりも
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
まぁ生き様なんでね。
情報社会な為か、皆、思い出を写真や動画に収めようとする。けれどもやはり、写真に収めただけでは何もかもが色褪せてしまう。見た光景では無いものがそこにある。
だからやはり、スマホが手放せないとはいえ、最終的に使う方面は違ってくる。
瑠衣と共に歩き回る事が多い休日だったが、瑠衣と一緒に居る時はぼんやりしている事が多かった。瞑想でもする様に目を閉ざし、また瞼を開けた時にペンを持つ。そうして頻繁に視線を上げ、描写していく。
勿論、其れをするのは瑠衣だけではなく、私も。同じ様に景色を目に焼き付けながら、肌で感じた物をなるべく鮮明に。写真を撮る事も勿論ある。けれども、最初に行うのはやはり執筆である事が多い。
骨の髄まで、物書きな私達にとって、これが生き様だった。
床にそのまま臀を着いて、自らの投稿サイトを眺める。並んでいるのは休暇中に描き並べた小説の数々。写真の代わりに残した作品の数々。読み返してみると、思わず顔が綻んでしまう。
「なんだ。何もねぇのに気持ち悪ぃ」
顔を上げると瑠衣が此方を見下ろしていた。相変わらず能面の様な顔に、訝しさだけを漂わせ、私の行動に釘を刺す。
「自分で書いた小説を読み返していたんだよ。今どきは皆、写真やら動画やらで済ませるけど、それだとやっぱり勿体無いんだよね」
写真に収めただけだと、その時自分が何を感じたか分からない。どんな印象を抱いたのか分からない。写真や動画を見ただけでは、没入感が圧倒的に足りないのである。
だから物書きが許される場合、ペンを持つのが許される場合、一筆認めたくなる。
また液晶を見直す私に、瑠衣は何も答えたなかった。ただ衣擦れの音が僅かに響いたかと思うと私の隣に腰を下ろした。
「……俺達は物書きだからな」
その言葉に全てが詰まっている気がした。瑠衣にとって物を書くことは、生き様以外の何物でもない。此処にいたという証を残す為に、残そうとする。
「次は何処行きたい?」
撮る時は撮りますよ。
夜道で突っ立ている訳にはいかない時とか、流れ作業で移動しなきゃいけない時とか。
あ、あと電波通じない時とか。
でも大抵は撮りません。
人の顔が映り込むのが嫌なんで。
自分もレンズ向けれるの嫌なので、相手もそうだろうという判断。
だから大抵書いてます。
写真一枚だけに収める、動画を撮るってなると、臨場感が足りない。色褪せて何も分からない。
だから少しでも、あの時の自分が感じた物に近づく様に残しておくんですよ。
撮ることばかりに夢中になって、その時の情景に魅了されないのはやっぱ勿体ないので。