自己紹介
西暦3001年 4月1日 午前8時半
僕は起きた。今日から始まる寮生活頑張っていこうと思っていたのだが、寝坊した。
面学校は確か8時半までに登校だ。昨日いつもの癖で睡眠薬を飲んでしまったからこんなことになった。
でも、授業が始まるのは9時だ。急いで面学校専用の服(制服)に着替えて自分の部屋を飛び出した。
面学校までは1分もかからない。今は8時55分。間に合う!
―ドン―
「すみません。遅れました!」
・・・・・・・・・・
「アハハ!初日から遅刻だなんてだっせえの。」
「うるさいぞ!ワニ。」
「うるせーのはてめーだ。タコノ。」
何か言ってる。もしかして僕の悪口を言っているのだろうか。まあ、遅れたのは自分だ。とりあえず、無視していこう。そう思いながら椅子に座った。
―リーン、リーン―
「皆さんおはようございます。3組担当のショウ・ハヤブです。今からあななたちは、私たちのことをハヤブ先生と呼んでください。」
・・・・・・・・・・
「あれ。返事がないですね。まあとりあえずは自己紹介をしあいましょう。」
ここにいる生徒は全員同じこと思っただろう。
めんどくさ、と。
なぜ寮の前でわざわざハヤブ(先生)自身がやっていたことを、生徒にやらせようとしているんだ。
「それでは21番のタコノ君から。」
「はい。僕の名前はクロース・タコノです。面はタコで、墨をふいたり、足を8本にできます。将来は防面隊に入るつもりです。よろしくお願いします。」
真面目そうな人だ。席も前だし、仲良くできそうかな。
「はい。それじゃあ22番のネコヅメ君。」
「はい。」
少しドキドキする。でも、大丈夫だ。タコノ君がやったとおりにやれば。
「僕の名前はキリュウ・ネコヅメです。面はネコで、耳がよくでき、爪を鋭くできます。あと落下死しません。タコノ君と同じ防面隊志望です。よろしくお願いしましゅ。」
噛んだ。初っ端からミスてしまった。幸い、真面目に聞いていないほうが多いので良かった。
それからは、流れるように自己紹介が進んだ。
「サシ・ハチ。面はハチ。防面隊志望。よろしく。」
「マモル・ハリネです。私にはあまり話しかけないでください。」
「私の名前はトーナ・ヘビノ。面はヘビで噛むと噛んだ相手に毒を送れます。将来については決めていません。よろしくお願いします。」
「俺はノボル・ヤモリ。面はヤモリ。防面隊は入らない。」
「おぉれの名は~、カグル・ワニ~。世界一強い男だ。面はワニだ。よろしくたのむぜ~。」
「ソラ・ムササビだよ。面はムササビで、滑空できるんだよ~。よろしく~。」
「30番。」
「おい、てめえだけ自己紹介しねえのはおかしいんじゃねえか。面も見せねえしよお。ちょっくら見せろや。」
「手、離せ。」
ワニ君は凍っているように全く動かなかなくなった。そしてそいつは手を振りほどいて、椅子に座った。数秒後、ワニ君は動いた。
「クソ。あいつ俺様に恥をかかせやがって、今に見てろよ。」
あいつはなんなんだ。僕が抱いた感情はそれだけだった。
「はい。皆自己紹介は終わったね。それじゃあ、みんな外に出て。」
「先生。なぜですか。」
「これから、ちょっとした対人テストをしてもらう。相手は僕だ。君たちの実力を試させてもらうよ。」