第83話 意思の考動
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「ジュア?やられたのか?」
倒れるジュアの元に駆けつけたのは灰色の鱗が生えた竜、迷宮竜ロビンだった。
「ロビン……うぅ……」
陽竜ジュアは傷口を抑える。
ロビンはジュアに手を差し出した。物を受け取ったジュアは飲み込んだ。
「助かったわ……癒しの"武乱薬"……残ってたのね……負けたわ、私よりも速かった」
「それは、まずいね、僕でも勝てないのかな」
ロビンは弱気そうに言った。
「えぇ、恐らくは、だけど利用できる……スレイプニルを追っている……上手くいけば横取り出来る」
ロビンはニヤッと笑った、ギザギザの歯が覗く。
「それはいいね……やっと僕らが動ける時が来たんだね……」
2人の竜は歪に組み替えられた通路を後にする。
―爆攻竜バロウvs銃帝六射マーレア
「ガハハ!俺の勝ちだ」
バロウはその逞ましい腕を上に掲げ力強く拳を握りガッツポーズを取っていた。バロウの身体は傷が走って所々血が流れている。その対する方向に倒れていたのは血塗れに倒れた金髪の女性マーレアである。
「この……ワニ……ドラゴンが……」
マーレアが発現させた水車は堰き止められたように水が泡となって砕ける様に消えた。
「さぁて、セレンは何処だろうな」
その時水の音が聞こえた……
「爆流……貫」
「何!……死んだふりか!」
激しい水しぶきが爆散し周囲を濡らした。
バロウの眼前に広がったのは巡り廻る水の円だった。
「油断するなよ」
鋭い声がバロウの背後から聞こえた。
「お前は! エンジュか! ガハハ! お前に助けられるとはな」
「そんな事はどうでもいい、こんな所で手こずってないで早くセレンを探せ」
エンジュがバロウに冷たく言う。
「分かった! 分かった! そういうわけだ! ではなマーレア」
バロウはマーレアに接近する、マーレアは爆流貫を発動させようとしたが、宙に浮かぶのは小さな雫だけだった……
「くそ!私の絶好の狩場だったのに……」
バロウは紅鉄をマーレアにぶつけ失神させた。
「ほげぇ!」
マーレアは伸びた。
「それにしても……貴様どうするんだ?」
「どうするって?」
「この闘いが終わったらどうするんだって聞いているんだ」
「俺!? さぁな? 暴れ回るのも飽きてきたしな……」
「間違っても私とセレンには近づくなよ」
「ふん、別に興味ないわ! ただセレンには恩があるからなぁこの闘いが終わるまでは死なせないと約束するぞ、ガハハ!」
「………それでいい、話は終わりだ、さっさと探すぞ」
―セレン、リィラ一行。
逃げられた……ラメアに……
いや、あれはラメアだけどラメアじゃない
「セレン……いいの、今はスレイプニルを追いましょう……」
「本当にいいの?リペアさん?」
セレンは後ろにいるリィラを背負っている白い龍を見た……
せっかく……会えたのに……リィラが……
あれから、リィラの意識が戻らない……ラメアの攻撃を受けてからかずっとそのまま……
思い返せば整理がつかない……ラメアはリペアさんが倒したんだ……倒したけどラメアの体から突然別の竜が現れ出したんだ見た目はラメアのままだけど鱗の色は違ってた……そして逃げた……
リペアは頷いた。
「分かった……でも、あの竜は一体……」
「私にも分からない、でもリィラを治すあてがあるの……」
「……それは?」
「私の竜技『日聖』の"浄化"能力を使えばリィラを元に戻す事が出来るかもしれないの」
「……今使えないのは理由があるんだね……」
「そう、私の竜技は訳があって今一緒に来てるギアという龍が所持している……」
「えっ、ギアさんがここに……なんで?」
「えっ?あなたギアを知ってるの?」
リペアは驚いた。
「うん、大分前に会った事があって……確か本名はゲオルギアスさんでしたっけ……」
確か風の槍を使う竜技だったよね……
セレンはメモの様なもの書き残した一文を思い出していた。
――――
「なぁ、パイソン……なぁ、おい」
「……誰だ……あんた」
「どうだった……欲しいものは手に入ったか?」
「名前を……聞いてんだけど?」
「そうだな……お前はもう重傷で時期に死ぬから……教えておく」
そういうと黄金の鱗を纏う龍は一呼吸置いて言った。
「俺はリボルバー、リボルバー=エルドラド、ほらいつも三重の美芸頭ん中に変な言葉が浮かぶだろう?"三重の意思って言ってたよな……それが俺らって訳だよ、んでお前のファーストウェポンの六模流場としても活躍してたぜ」




