第79話 三重の美芸 vs 応射竜パイソン その5.
不定期投稿ですがよろしくお願いします。
……まずいぞ……ラヴァさん達が危ない……竜技を忘れさせられたなんて……
ラヴァさん達は竜技を持たずに素手で 三重の美芸と闘っている……あんなに、傷を負っているに!
でもやはり劣勢だ……3体1とは言っても相手の遠距離攻撃に対して接近戦は不利だ……見た感じ敵の攻撃を、避けるので精一杯のように見える……
そして、あの赤い紋章から炎が出ている……僕の雷降と似ている気がする……
――僕が、闘わなきゃ!
「ログさん、すみません、治療は一旦ここまででいいですか?取り敢えず血は止まりました……しばらく休んでいて下さいね……僕も加勢しなきゃ」
「ソウ、頼みがあるんだ……」
ソウの手をゴツゴツした硬い龍の手が掴む。ソウは治薬治を発現させた手を止める。
「ログさん……?」
「記憶を取り戻す方法だ……パイソンに俺の竜技を利用されてしまった……すまない、俺はそこまで考えきれていなかった……岩を全て破壊すれば記憶は元に戻る……だが奴の能力を忘れさせたままラヴァ達の能力を元に戻すには、あそこの岩を幾つか壊さないといけない……ただここだと遠いんだ……」
「分かりました、近づけばいいんですね……」
ソウはログに肩を貸し岩の場所まで進む。
「場所が分かったら教えて下さいね」
「……あぁ、頼む」
パイソンはラヴァとギア、ソヨカの3人と攻防を繰り広げている。
「ソウ、分かった。あの岩を壊してくれ」
「分かりました……!?」
パイソンが気付いたのか銃をソウ達の方に向け攻撃をしてくる
「炎舞練六火灯」
赤い紋章がソウとログの2人の横に発現する。
「まずい! ソウ、伏せるんだ」
ログはソウを庇い、迫り来る炎から身を守ろうとした。
……くっ、どうやって切り抜ける?砕練刀の衝撃でこの場所を吹き飛ばし離れるか? だがソウに傷を負わせる事になる……それは、ダメだ。
「大丈夫です、ログさん……今の内に壊しましょう!」
「……!? ソウ……それは?」
ログの真下にいる少年は光る様な透明な物を手にしていた。
「うわぁぁ!」
ログは突然の状況に目を疑った。
「パイソンが燃えている?……何故だ?」
銀色の竜の身体は炎に包まれ、直撃を受けている……
ソウが言った。
「これは鏡です、僕の竜技は鏡に反射する性質があるんです……本当は自分の為に持っていたんですけど、どうやらパイソンが使う竜技も同じ性質だったんです……そこは……賭けでしたが……」
ソウは雷降を発現させログに言われた通りの岩に雷の紋章を発現させ壊した。
「持ってて良かった……おかげで……ラヴァさん!ギアさん!ソヨカさん!記憶が戻ったはずです! 今ならいけます!」
少年ソウは大きい声で呼びかける。
「おう! ありがとな! ソウ!」
「恩に切るぞ!」
「……私、やっとまともに闘える……」
パイソンは炎の海から逃れたがかなりの火傷を負っている。
「利帰場令所」
パイソンは火傷を負った身体に治癒の弾丸を撃ち込む。
「大分火傷を負った……治るのが遅い!」
「嵐翠」
ソヨカがパイソンに急接近。風の槍で素早い突きを繰り出す。
「身体弾化 場運土処図」
パイソンは自らの身体をあらゆる物を弾く弾性に変えた。
ソヨカの一撃は素早く先に刺さったが2撃目からは弾かれる。
「……一撃は、与えた……」
「時炎怒ォ!」
すかさずラヴァが追撃の炎閃を叩き込む。炎の刃はパイソンの能力を一切受け付けず大打撃を与えた。
「うぉぉぉぉらぁ!」
ラヴァはそのまま腕に力を込め炎の刃を横に振り抜きパイソンを打ち上げた。
パイソンはその衝撃に身動きを取れず宙に飛ばされる、その場所に飛んでいた緑色の龍が風の槍を構えパイソンの背中に回り込んだ。
「嵐 槍 流 奥 義」
千変風化
風龍ギアは風の槍の周りから更に螺旋状の竜巻を纏わせ自由自在に巧みに槍を操り怒涛の嵐舞をパイソンに与え地面に叩きつける。
銀色の竜は地面に叩きつけられた、地面は砕け、周囲に風が波紋状のように吹き荒れ、灰色の煙が勢いよく立ち込める……
「まだ……だ……おわっちゃいねぇ……」
パイソンは震える手を地面に叩きつけ立ち上がろうとした……だがしばらくすると動かなくなった。
パイソンの銃が1人でに動きパイソンに銃を向けていた……
「だれか!あれを止めてくれ……」
ログは叫んだ。
再び撃たれようとしている……利帰場令所が……




