第71話 ラヴァ&ソウvs シュール&ボマード その2
不定期投稿ですがよろしくお願いします
そこか! 見つけたぜ!
俺とソウは敵の2人、髪が緑な奴とトサカの奴を追いかけていた。
「ラヴァさん気をつけて」
後ろからソウが声をかけて来る。
「分かった」
早速下を見ると奴の能力がいくつか仕掛けられている。俺は時炎怒を振り回し解除しながら、ソウと一緒に追いかける。
それにしても、空気がねぇのかここ。少し息苦しいな、それになんか……薄暗いしよ。
敵の2人が通路の途中で立ち止まり振り返った。途端にトサカの奴が腕を振りかぶった。
空中にさっき投げられた爆弾が向かってくる。
「紅蓮練土!」
「雷降!」
雷が爆弾を迎撃しラヴァ達と敵の間に煙が立ち込める。
ソウが雷でやってくれたぜ! 頼りになる奴だ!
「爆煙で見えないが距離を詰めるなら今だな!」
俺は時炎怒を構え煙の中に突入する。
この間にまた"地雷"を見えない所に仕掛けてやるってか!
俺は勢いよく足を踏み込み跳んだ、尻尾も地面に触れないように気をつけながら……煙が立ち込めているがそこまで長い距離では無い。
視界が晴れた。眉をひそめ敵に集中する。
いた!
壁を蹴って距離を詰め……
……! 蹴った壁に感触が!? 地雷じゃねぇよな?
俺は構わず、壁を蹴り急接近する。
「何だって!?」
地雷だったのかよ!まあぃぃ、動けりゃ問題ねぇ!
驚く緑の髪の少年を時炎怒で切り伏せた。
「よっしゃ! あと1人!」
もう1人の焦った様子のトサカを生やした竜を狙う。
「紅蓮練……」
敵は今爆弾を生成しようとしていた。
やらせるか!
ラヴァは素早く刃を持ち替え低い姿勢から炎の刃、時炎怒を竜の顎に斬り上げ力強く当てた。
「ガハッ!」
敵の竜は宙に少し浮き仰向けに倒れる。
が手に別の握られていた爆弾があった。
「まじかよ!」
その時敵の身体に雷の紋章が浮かびあがり激しい雷鳴が鳴り響く。
その攻撃は敵をかなり吹き飛ばし、その後爆発した。
突然の衝撃、立ち込めた煙に顔を覆っていた手をどけて後ろを見た。
「ソウ! 助かったぜ! 」
「いえ、間に合って良かったです!……ラヴァさん後ろ!」
「な、何で君達はここまで……」
「なっ!? てめぇまだ意識あるのか? 」
ラヴァは緑の少年を警戒する。
「……まぁ、待ってよ、もう僕は闘えない。これ以上僕を痛めたつけてどうするの?それに、僕は自分の死ぬ"間隔時間"は100年後って事にしてるんだよ?つまり、その間は死なないって事。」
「怪しい動きをしたら僕が撃つ。」
後ろで雷の猟銃を構えたソウがいる、この状況でこいつ!
「悪いがお前の嘘を聞いてる暇はねぇ、お前を殺す!何をするか分かったもんじゃない!」
「震えてますよ? 赤い龍さん。」
震えてるだと!馬鹿な!? 俺の手が? 何言ってるんだこいつ?
ラヴァはしっかりと炎の刃を握り、少年の首に充てがう。
「どう見たって、てめぇだろ、震えてんのはよ!」
「はは、あぁ怖いよ。助けてくれ。」
緑の髪の少年は明らかにわざとらしく言っていた。
「はぁ? 何言ってんだてめぇ?」
ラヴァはさらに炎の刃を近付ける。怒れる獅子のような紅い眼差しの鋭さは冗談が通じないことを語っている。
「ま、ま、待って、嘘だよ! ごめんなさい!言うよ!僕が分かることなら答えます!ほら、例えば、パイソン様の『能力』が6つあることとか、他の銃帝六射の能力も!」
「まじか? 本当に教えんのか? って、てめぇ、何か時間稼ぎしてねぇか? さっきから怪しいんだよ動きが、手も上げろ!」
「痛くて上げられないんだよ!傷を負ったから!」
敵はチラリとソウの方を見た。ソウは雷降を敵から外すことはないよう、じっと構えていた。
「僕が君を治すと思うなよ!」
「えっ? 君そんな事出来るの?」
敵は不敵な笑みを浮かべている。
「そんなの、持ってないし、出来ません。」
ソウは真顔でとぼける。
「嘘つきだな、君は」
「てめぇ、さっさと言う事言いやがれ!」
「シュール、待たせタナ」
肩を押さえたトサカの竜が向かって来ている。
「ちっ、まだ意識があったか!悪いな、ソウ!聞くのはまた今度だ!」
ラヴァは少年の首を叩き、意識を奪った。ソウは狙いをトサカの竜に切り替えた。
その時天井が爆発した。
「そんな!? 罠は上か!」
てっきり、敵が何かして来ると思った、まずい!
「ソウ、離れろ!」
「シュール……よく時間を稼いだ……丁度10分後だっタゾ。」
敵が来る前に至る所の天井に埋め込んだ俺の紅蓮練土。
その爆発する時間をシュールの変数でずらし、上手く敵を誘い込めタゾ。
天井からかなりの範囲で降り落ちる大量の瓦礫にラヴァ達は姿を消した。




