第70話 火龍ラヴァ&ソウvs シュール&投爆竜ボマード
不定期投稿ですが。よろしくお願いします
……ラヴァさんは恐らく敵の攻撃を受けたんだ……
敵が来た所を、雷降で攻めようかな?
でも、もし敵が遠距離から攻撃出来るような技だったら?
待っている間にラヴァさんが攻撃を受けてしまったら……
そう考えている内にソウは火龍ラヴァを薬草で治療しようと駆け出していた。
ラヴァに近づいたその時だった。
カランッッ
!? なんだ今の音は?
……!?
見覚えがあった……そこにあったのは、丸状の。
黒い。
爆弾。
やばい!
ソウはラヴァの手を掴み階段の下へ引っ張り飛び避けようとした。
2人の足が宙に浮きかけたところで爆発が起きた。爆風をまともにくらい2人は階段下まで吹き飛ぶ。
「うっ……」
目を開けたら、ラヴァさんの歪んだ顔が目に映った。僕はラヴァさんの背に守られる形で仰向けに倒れていた。
「ラヴァさん! 大丈夫ですか!?」
あぁ! まただ! また僕庇ってもらった……足手まといか
「……」
ラヴァさんは突然横に倒れた。
そうだ! さっき敵の技を受けたんだ!
「治薬磁」
まずは、ヒートハーティハーブで精神治療を。外傷はダメージハーブで処置。
薬草の効果はすぐに発揮されたようで、ラヴァが意識を取り戻した。
「俺は……」
「ラヴァさん今治療したところです!他に痛い所はありますか?」
ラヴァは立ち上がり身体についた砂埃を手で払った。それから笑顔でソウを見て言う。
「平気だ、助かったぜ、ソウ」
良かった!……この様子なら大丈夫そう……問題なのは
その時、また黒い爆弾が1つラヴァとソウの間に現れた。
しまった! もう追撃が!
爆発する!また!今度はどっちも、直撃だ!
赤と黄色の光を発したその黒い爆弾は今にも爆発しようとする所だった。
「時炎怒!」
ラヴァは反射的に炎の刃を発現させ爆弾に当てた。
炎の刃に当たると爆弾は爆発せずに地面へと転がり落ち消えた。
「危ねぇ! また食らう所だったぜ!」
「なっ!爆発しないダト?」
上の方から声が聞こえた。ソウがそこを見ると見覚えのある竜が居た。鶏のようなトサカを生やした竜だ。
あれは!? 確か門をくぐり抜けた時に追いかけられた……
「シュール、どうスル?」
その竜はソウ達から見えない方向の誰かに話しかけていた。
「ボマード、もう一回投げてみてよ。」
と見えない方向から少年の声が聞こえる。
「わかッタ」
「尾利陣吹空威上」
ボマードと呼ばれた竜は両手を陰と陽にくっつけずに合わせ、中央に炎を発現させ、息を吹き黒い爆弾をつくり上げる。
「紅蓮練土」
させるか!
「雷降」
僕は照準を撃ち込んだ。雷の紋章が現れたのはボマードと呼ばれた竜の背後だった。
「ボマード! 離れろ!変数!」
見えない所から声が聞こえた。
しばらくすると雷が落ちた。
敵は階段の向こうへと逃げていく。
これは!雷の落ちる瞬間が遅い! そうか! ジルさんが言ってた。"間隔時間"を付与する能力。
今のは僕の竜技に対して発動したのか!
「追いかけるぞ! ソウ!」
ラヴァさんが階段を駆け上がって追いかけようとしていたのを僕は呼び止めた。
「ちょっと待ってください、罠かも!」
ラヴァはソウを振り返る。
「いいのか? すぐ逃げられるぞ? 」
「もしかしたら、逃げ道にラヴァさんがさっき受けた思考停止の地雷があるかもしれないんです、ジルさんが言ってました。敵にはその能力があるんです 」
ラヴァさんは頭を掻いている。
「そうだった!あぶねぇ!」
2人は恐る恐る階段の向こうの通路を見た。
……敵は居ない。何処かに逃げたのか?
それとも一旦距離を置いてまた奇襲をかける気なのか。
「おい、ソウ、これじゃねぇか?」
ラヴァさんが指を指した先にあるのは水色の鉄製のボタンだった。
「そうかもしれないです」
「そうか、だったら」
ラヴァは炎の刃でそれに触れた。跡形もなく消えた。
「簡単じゃねぇか、時炎怒で消せるぞ。」
……だけど、他に何か仕掛けてこないかな……不安だ……でも
「今は、僕もそう思います、これで先に進めます。ラヴァさんの後ろは僕が見ますね!」
「おう、前は任せろ!」
炎の刃を構えた龍と雷の猟銃を手にした少年は先へと進む。




