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竜技の師と弟子  作者: 鷹城
第3章 トリガーエンパイア編
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第68話 vs三重の美芸 心持竜ラメア その5

不定期投稿ですがよろしくお願いします。


リィラは心持(しんじ)竜ラメアに接近し、時炎怒(ジエンド)を振り払う。


ラメアはそれを避ける。リィラが刃を振った後その背後からセレンが滝の音を鳴らした水の刃、清練(セイレン)でラメアの首目掛けて斬りかかる。


確かにセレンの刃は当たった。ラメアの首に。



「嘘!? 硬い!」


全く傷がつかなかった。ラメアの首はとても硬く、まるで"鋼のよう"だった。


「"心体強化(しんたいきょうか)"をした私に効くと思った?」


その時、水の刃をラメアに当てた時の隙を狙いラメアはそのまま親指と中指を合わせ弾いた。


波解派部(ハートハーブ) "無用心さ"よ、心に在れ。」


ラメアは空中にハート状のピンク色の光の粒子を発現させ、セレンに飛ばした。


セレンは攻撃を受け、吹き飛んだ。


「きゃあ!」


「セレン!」


……今絶対何かされた!……!!


ごめん、助けに行きたいけど、まずはラメアを後退させないと!


リィラは負けじと再び炎の刃の蓮撃を繰り出す。


「危ない、危ない、さすがにそれだけは受け止めきれないわね……」


ラメアは舞う様に体を捻らせ避ける。スレスレでリィラの赤く燃ゆる剣閃を避けている。ラメアを纏う桜色の衣が何度か擦り微々たる切れ目が走っている。


……やはり、能力を打ち消すこの能力、こちらが当たる前に

攻撃を仕掛けるしか無いわ。今私の体は"鋼の硬さ"を得ているが、時炎怒(ジエンド)を受ければ打ち消された上にそのまま攻撃を受けるに違いないわ。なら、こちらも戦闘力をあげるしか無いわね。


そして、こいつ、やってくれたわね、私の竜力(りゅうりき)が全く使えないわ……()()()()()()()()()ただ、能力名、使い方をきれいさっぱり忘れさせたみたいに……頭に(もや)がかかる。


まぁ、まだ目に見えない速さというわけでもないけどね


だけどこのままだといつか、まともに食らってしまうわね。


ラメアはリィラの最後の刃の軌道がラメアの足目掛けて横に斬りかかるのを瞬時に判断し、飛び避けると自分の心臓に手を当てた。


波解派部(ハートハーブ)“闘争心よ"我が心に在れ。」


……まただ、今度は自分に()()()()()


ラメアは地面に着地したと同時に地面を蹴った。それはすごい衝撃を地面に与え、砂埃がかなりの勢いで立ち込める。


一瞬にしてリィラの近くに距離を詰めた。



速い!


リィラは咄嗟に構えたまま、勢いよく後ろに飛び退き退く体が動いた事で所持していた鈴が鳴り始めた。


ラメアはそれを逃さず即座にリィラの手と肩を押さえそのまま地面に叩きつけようとしていた。


叢雲(ムラクモ)!」


セレンはリィラが叩きつけられそうになる前に空中に発現させた水の刃を1つ先に発射していた。


ラメアはリィラ叩きつけようとしていたが、それを中断しリィラを盾にした。


「うっ!」


……はっ! しまった!!リィラが!


叢雲(ムラクモ)はリィラの肩に刺さっていた。血が流れだす。


「残念だったねセレン……あなたは今普段より"無用心"なのよ……知らなかった?まあ、知らなかったわよね?あなたの心が判断した事だしね……」


……あぁ!何やってるの!私!リィラ……


「"無用心"なのはあなたの方よ、ラメア。」


リィラがそう言った直後。


その時リィラとラメアは突然の衝撃に双方吹き飛ばされた。


「何!?」


これは、砕練刀(サイレント)か! いつの間に!?


ラメアは吹き飛ばされ地面に仰向けになる。

リィラはセレンの所まで吹き飛び転がり倒れる。


零院再生(レインリフレイス)! リィラ!ごめんね!」


セレンは癒しの雨をリィラに注ぎ傷を癒す。


「いいのよ、お陰で奴に隙が出来たから」


リィラは心配そうなセレンの目を見て笑顔で言った。


「ありがとう、セレン!後、息を吸って!」


リィラは時炎怒(ジエンド)を発現させセレンに近付ける。


「きゃあ!いきなり何するの!? リィラ!?」


突然目の前で、炎の刃を発現させられたのでセレンは驚いた。


「あっ、ごめん、でも熱くないから……」


セレンは言われた通り息を吸った。その時心が洗われた様な気がした。


「これは……」


リィラはセレンが確かに何か変わったと言いたげな表情なのを見てから言った。


「奴にかけられた能力を解いたのよ」


封刃一族(ふうじんいちぞく)は、私が……倒す!」


「リィラ!後ろ!」


その時ラメアが立ち上がり向かって来た。

先程と同様凄まじく速い。セレンが放つ叢雲(ムラクモ)を避け距離を詰めてくる。


……今度こそ息の根をとめてあげる!



怒り。怒りを込めて!放つ!


リィラは時炎怒(ジエンド)を構え、迎え撃とうと集中する。


ついに後一歩の所まで来た。


……そこだ!


時炎怒(ジエンド)!」


リィラは正面から向かって来るラメアに対し、炎の刃を左下から斜め右上に振り払う。

そのタイミングは一致していた。ラメアに直撃した。


私の速さに……対応した!?


ラメアは心臓から肩まで斜めに斬られ、倒れた。


「くっ、時炎怒(ジエンド)……ね……さすが……ね」


ラメアの闘争心は完全に消え去っていく。桜色の衣も白に変わり、身体中鱗から発していた光も消えた。


「リィラ、この場所から逃げるわよ!」


「はぁ、はぁ、分かった。」


2人は動かないラメアを後に部屋を脱出する。





……場面(シーン)……旅行(トリップ)……


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