第62話 〜銃の帝国〜 衝突前兆
不定期投稿ですがよろしくお願いします。
対峙するリィラ達9人と8人の敵。
ここ、銃の帝国の応射竜の拠点はかなり大きな建物で外観は灰色のドーム状である。
階層もいくつか分かれており、下階と上階を往復するのに20分はかかるかもしれない。
そして、今一階の大広間。リィラ達は入り口に並んでいる。
そして、大広間には中央階段が右端と左端にあり、登った上の広間に敵がいる。
「封刃一族がいるようだな」
先に口を開いたのは原染竜スレイプニル。
リィラ達の目標が今目の前にいた。
「本当だ!あの、茶髪の女の子と、赤い竜かな? 私の心臓の鼓動がいつもと違う反応をしているわ。」
続けて口を開いたのは心持竜ラメア。スレイプニルと同じ、三重の美芸である。
「おい、ログ?何であんたがそこにいるんだ?」
応射竜パイソンは気になっていた。仲間だったはずの岩龍が侵入者と共にいる事に。
「俺は三重の美芸には戻らない。封刃一族を殺したくは無いんだ。」
「えぇ? 何で? 以前あんだけ記憶奪っておいたのに……そんな甘い心があったなんて」
ラメアは首を傾げた。
「ログ、やはりそなたは他の誰かとは何か違うと余は思っていた。……あの日何故、逃がしたのだ? 封刃一族の少年を?」
「それは……」
ログはスレイプニルの問いかけに戸惑う。
「答えずとも良い、余は何となくだが察したぞ、そなたはあの時から、少なくともそう思っていたのだな?戸惑いがその証拠だ。」
「ちっ、そうか、ログ……もうあんたは、仲間じゃないんだな! "敵"なんだな!」
パイソンは何かを覚悟しているようだった。
「同士討ちを、する事になるなんてな……」
「あら、パイソン他にも裏切り者いたわよ?私が追いかけるよう言われたけどギリギリのところで逃しちゃったけどね」
「そうだったのか!? たく、三重の美芸はどうなってんだよ。」
パイソンは予想外の事に舌打ちした。
「して、そなたらは余を倒しに来たのだろうか?」
「そうだ!僕の村の人を、ピアを竜に変えて、操ったのはお前だな!」
少年ソウは言う。あの日任された使命を今果たそうと。
「ふむ、当たりだ……余は1人で、封刃一族に敵うとは思っておらん、仲間は増やすべきだ。」
「仲間!? あなたがやっている事は手下を無理矢理従わせるような、そんな事でしょ!」
リィラは頭に血が登っていた。
「そして、あなたは私のお母さんも無理やり別の竜に変えた!」
「それは、申し訳ない、"敵"だからいいのかと余は思ってな。」
こいつ! 許さない!
「余はもうここには用はない。」
「えっ、じゃあ帰んの?」
とパイソンは聞いた。
「だが、封刃一族がいる、滅せねば」
「んーしょうがないわね、久しぶりにいっちゃうかぁ」
ラメアは手すり持たれるようにしていたが普通の姿勢に戻る。
「おっしゃ、久しぶりに撃ち合いだな!」
「行くよ!みんな、目標はスレイプニル!でも他にも敵がいる!注意して!」
みんなはそれぞれ覚悟を決め戦闘態勢に入る。
相手もその気のようだ。




