第55話 そして銃の帝国へ
不定期投稿ですが、よろしくお願いします。
ここは、薄暗い山の頂付近、 薄暗霊峰と呼ばれる場所。
辺りは寒く雪が降っている。
草の原っぱがひろがるそこに、2つの墓標が立っていた。
その前に立つ水色、藍色、紫色の様々な青調の色の鱗で覆われた漢竜が屈んでいた。
*漢竜 ...性別 男性の龍
「パペット....フィアス....寒くなったな...だが恐れることはない...去年よりは暖かい方だ...この通り、雪は降っているが...」
その時龍はドクン...と心臓の音を感じた。
「これは!? 幽体別動か!?...ストーラル....」
漢竜はその時自分の分身体ストーラルが体験して来た、記憶を共有した。
「なるほど、ログ達に負けたのか...そして、 時炎怒 か...やつらは強いようだな...だが恐れることはない、次会った時は本気の討り合いだ」
そうだ。このわたし霊霧竜アストラルはこれから始まる争いに恐れてはいけない。
...ストーラル...よくやってくれた...わたしは愛する弟子を殺した"封刃一族"そのものを許しはしない。必ず滅ぼすと約束する。
...が、どうしたものか、この間の争いで負った片足の傷が癒えない。ここ2週間ずっと足を引きずっている。
「おや?"霊幻の龍神"ではないか?ごきげんよう。」
アストラルは後ろから声をかける人物を見た。
水色の鱗で覆われた女龍だった。
*女龍...性別...女性の龍。
「おお、あなたは確か...」
「妾はシャーレアじゃ、そなたと同じ龍神さ」
「こんなところで会うとは...いやぁそれにしても少し寒くなったと思わないか?」
「妾からしたら、気にならないな...マイナス50度だろうが、マイナス100度だろうが変わらないが?」
シャーレアは首を傾げてアストラルを見ている。
あ...そうだシャーレアは"氷操の龍神"寒さなど微塵も感じる訳がないか...聞くまでもなかったな...
「それより、そなた足の怪我が癒えておらぬようだが?」
「もしかして見てたのか?」
シャーレアは何か思いついたとばかりにアストラルに目を向け話す。
「最近、三重の美芸に新たな一員が加わったみたいだぞ、何でもその竜は」
「どんな傷をも治せる力を持ってるらしい、確かあばろんりーふ?っていう力がそうだと言っていたな」
「えっ、そうなのか、どこにいるんだ」
「色花の都だそうだ...」
...そこは確かわたしの分身体ストーラルが闘った場所の近くだ!
「その力を使う竜の名前は分かるか?」
「確か、"花斬竜"アテネという 女龍じゃ」
アストラルは目的地を決めた。
「ありがとう、恩にきるよ、シャーレア」
「...もう、行くのか?」
「あぁ、一日でも早く封刃一族を滅ぼさないといけないから、傷を治してくれるよう頼みに行く。」
「シャーレアも気をつけてな 」
「あぁ、妾は城に帰るよ...もう寝たいからな、達者でな...」
(あぁ、今日は久しぶりに散歩した...が気晴らしにならなかったな...なんだか妾疲れた....)
2人は別れた。
一方は封刃一族を滅ぼす為。傷を癒しに
一方は疲れた体を休めるために。
***
「どうやら、ストーラルは生きているようだ...」
岩龍ログは消えゆくストーラルを見届けた後言った。
「"本体"といずれ会うって言っていたわね...今のは分身って事だよね?」
...ウラノスも 空論再生と言われる分身能力を持っていた。他の龍が同じような能力を持っていてもおかしくはないわ。
「ああ、あいつは能力を4つ持っていた...1つは忘れさせたが...それは一時的なものだ...時期に思い出す。」
ラヴァは赤い鱗が生えた手を握りしめる。
「初めから本気で闘う気がなかったって訳だ!卑怯な奴だぜ!」
リィラは思い出した。戦闘が落ち着いた今思い出した色んな記憶を整理している。
「ログ、ラヴァ、私はこれから、"銃の帝国に行かなくちゃ。ソウとジルとウラノスさんが心配だわ...」
ラヴァは心配そうに、リィラを覗き込む。
「それでいいのか? リィラ...」
リィラは想いを紛らわすため笑ったが...涙が溢れていた。
「うん、リペアに会いたい気持ちで溢れてるよ...ごめんね...ラヴァ...あなたは覚えててくれたのに....」
ラヴァはリィラの肩に手乗せた。
「いいや、いいさ。色々あったが、思い出せたんだ...細かいことは気にしなくていいぜ...俺も嬉しいぞ!」
ログはとても気まずそうな顔をしてリィラを見ていた。
「リィラ...それは俺の責任だ...本当にすまない、奴が俺の 忘岩に取り憑いていたとは言っても...記憶を奪っていた事に気付けていなかった...何か俺に出来ることはないか? 何でも言ってくれ...」
...それは、もちろん1つだ。
「じゃあさ...ログ...私とラヴァと一緒に"銃の帝国"に行ってスレイプニルを倒そう!」
ログはキョトンとしていた。意外な返事だったようだ。
「ん?リィ...ラ? それだけ...なのか?もちろん行くが...それでいいのか?」
「いんや、ログ...うまそうな飯用意してくれよ。」
「分かった...何とかする」
「ちょっと!ラヴァ!私がお願いを聞いてるの!あんたじゃないよ。」
「いや、一緒に行くのは当たり前だろ...もっと頼む事あるだろ、いっぱい...」
その後3人で近くの川で魚を沢山とり、山菜を集めまわり、腹ごしらえをした。
この3人の中で1番食料の確保量が特に多かったのはラヴァで、次点でログ、リィラであった。
***
〜銃の帝国〜
リィラとラヴァとログの周りは灰色の建物が並んでいる。
地面には肌色の砂が広がっている。
太陽は照っている。
「結構暑いわね...この国...」
リィラはこの国の暑さにしんどさを感じていた。
「ん...そうか? 普通だけどな 」
...そうだよね...ラヴァは火龍だからね...暑いとか思ってなさそうだよ
...見た目がすっごく溶岩を風呂にしてそうな感じだから...
「ねぇ、ログ、どう? ここ暑くない?」
「大丈夫だ、問題ない。」
(問題なのは後ろの追っ手をどうするかだ...)
...そう...だよね...ログもすっごく暑い砂漠のど真ん中に住んでいそうな顔してるからね...
「何処か、建物の影に入るか?...なぁ? あっちはどうだ?」
***
「ウィル...侵入者が"影"に入ったわ...」
銃帝六射ソレイユと
銃帝六射ウィルはつけていた。
「相棒? "射導"ならいけるわよね?」
虹色の眼帯をつけた少女ソレイユは黒と紫の鱗が混ざった龍に話しかける。
「そうっすね...ソレイユ今ならいけるっす!」
最後の1人が影に入った所を狙うっす!もう少し、もう少し...
しかし、目の前に見える最後の肌色の龍は影に入らず周りをキョロキョロしている。
...あいつが入れば撃てるのに...くぅぅぅ、じれったいなぁ、もう...2人でもいいかな...
「ソレイユ、もう撃っていいすかね?1人入らないんすけど...」
「ちょっとまって相棒...もう少し落ち着きましょう」
妙だな、あの龍こちらに感づいているのか...それともただの警戒かなぁ?
銃帝六射 逆填竜ウィルのファーストウェポンは 射導。
*ファーストウェポン...竜技の事。
その能力は影から銃弾を作り出し対象に向かって放つ "影撃ちの弾。照準の合わせ方が普通と異なりウィル意外だと使いこなすことは出来ない。撃つと影がしばらく無くなって、一部だけ銃弾の穴のサイズ分照らされるという謎現象が起きる。
銃弾の威力は獲物が影に入った時の影の広さに影響する。
装填数15発。全て撃ち切ると。15分使用不可能。
「やっぱり大丈夫!今全員入ったわ」
「分かったっす!"射導!」
ウィルは3発標的に目掛け撃った。
建物の影で休むリィラ、ラヴァ、ログの背後の建物の側面から銃弾が現れ迫っていた。




