第51話 記憶の再配置〜それから動き出す〜
不定期投稿ですが、よろしくお願いします。
...もう、4日も経ってる...
無事だろうか、ソウとジルとウラノスさんは...
私達3人は色花の都で記憶を取り戻した。
初めは私 (リィラ)とログの2人で行くはずだったけどラヴァが私達の事を放っておけないみたいで、ついてきてくれた。ラヴァには本当感謝してる...
〜回想〜 -色花の都にて-
花が溢れてる....色とりどりの花だ。
ログとリィラとラヴァの3人は入ってすぐ広場に到達した。
床は灰色の土が幾重にも重ね積み重ねた様な、長方形の線が際立つ、地面が広がっている。
真ん中には円状に花壇があり、その中央の噴水が水を優しく吹き込んでいる。
そして白調の明るい街並みがある。子供達が走り回って遊んでいる。
花を積んでいる龍や、木刀を振る幼龍、それを優しそうに見守る大人達。
色々な人が賑わい、楽しみ、憩いの場とでも言える場所だろう。
「ここから離れた所に森がある...」
ログは白い建物が並ぶ裏道を通って森へと向かった。
3人は茶色の階段を登りその上にあるイバラで覆われた門を開けた。
「この先に、ログの"記憶"が...」
「ここを真っ直ぐでいいのか?」
ラヴァは先頭に立ちログの方を振り返り聞く。
ラヴァの目前には先の見えない森林が広がっている、それは奥深い洞窟の様な暗さでそびえ立っていた。
「あぁ、この先の森で間違いない。」
「わかった!」
ラヴァは1人走っていく。
「ちょっと待ってよ!ラヴァ!」
「1秒でも早く記憶を取り戻すんだ!じゃねーとリペアが可哀想だ。それに、リィラもな 」
ラヴァは本気で走る。ラヴァが横切ると周囲に轟音の様な燃えるような、薪の音が聞こえてくる。
リィラとログもラヴァに続き走る。
「ここだ!」
ログは大きい声でラヴァを呼び止める。
「何処だ!」
ラヴァは落ち着きなく回りを見渡す。
「ハァ、ハァ、ちょっとラヴァ、足早すぎ....」
リィラも追いつき少し疲れ、落ち葉が積み重なる床に腰を下ろす。
「ラヴァ、後ろの大木だ...」
「これか? ただの木のようだが...」
それは、他の物ともなんら変わりない大木だった。
ログはラヴァを横切り大木に向かう。
「忘岩!」
ログは岩で生成された弓を発現させた。それをその大木に触れさせた。
何事も無かった大木は音を立て突然変わり始める。様々な緑がかった木は突然肌色に変わり、1つの物質に変わる。
「これは、岩なの?」
木は岩へと変貌し、ガシャッと大きな音を立てて突然崩れ落ちた。
「うぉ!崩れた!?」
「これでいい...これで、奪った記憶は元の持ち主に戻る...」
***
ここは、龍治院...白い龍、リペアは寝室で横になっていたが、突然頭痛が起きた。
「頭が痛い...」
その時ドアが開いた...治療士ロウラが来ていた。
「おはよう、リペアさん調子はどう...」
「あの子だわ!...」
「えっ?」
夕焼けが登る龍治院の寝室でリペアは自分の手が震えている事に気付いた。
白いフサフサの毛が生えた顔を覆う。
涙がそこから溢れ落ちていた。
「リペアさん...大丈夫ですか?」
「えぇ、大丈夫...私...全部思い出したのよ...」
白い龍はベッドから立ち上がり決心した。
「会わなきゃ...ソヨカに...そして...」
ーリィラ...私のたった1人のかわいい娘に....
「あなた、世話になったわね...ロウラさん、本当にありがとう...」
「もういくの?」
治療士ロウラはリペアを見つめていた。
「えぇ、今度私の娘と一緒に顔を見せに来るわね...」
「そう...リペアさん...無理しないでね、怪我ならいつでも治すからね。」
「ありがとう...行ってきます。」
リペアはロウラに一礼すると龍治院を後にした。
...リィラ、ごめんね、まずはソヨカに会わなくては
...生きてるかしら...
ソヨカは確か風龍ギアと共に三重の美芸になり、潜入しているはず。
私はソヨカに託した、三重の美芸に対抗する強力な力 『日聖』....そして、『勝利への運命再生』を...
使っていないだろうか...あれは1度しか使えない...1度使えば次の者に託すしかない...同じ人では扱えないし、扱かえる人も全てとは限らない...『封刃』の血を引いていなければだけど...
「まずは、探す...2人を...」
***
「はっ! 」
何処かの日差しが射す森の中で...風の槍を振るう少女が1人。
全体的に白めなフードつきのパーカーの、ような衣服を身につけ、フード部分は下げている。そして長い黄緑色の髪は彼女の背中までウェーブ状に伸びている。
無表情を思わせるその顔は彼女の無口さを連想させる。
彼女の名は....
「おお、ソヨカ! ここにおったか!」
ソヨカと呼ばれた少女は声をかける人物....いや龍の方を見る。
「ギア爺...やっと来た....遅い...」
ソヨカはその龍に対して少し怒りを感じていたようだ。
「しょうがないじゃろ...ワシ...体力無いんじゃよ?」
ギアは頭を掻き腰に手を当て疲れているようなポーズを取る。
「嘘つき...飛べる...癖に....」
ソヨカはギアを睨む。ギアの尻尾が途端に逆立つ。
身体中様々な緑色の鱗で覆われ、頭からは真っ白の毛が生え口は結構細く長い...鼻の上は赤い色の鱗が縞模様に綺麗に整って並んでいる...
その様を横から見れば...何処か天狗を連想させるようだ。
「何言ってるんじゃソヨカ...ワシの得空螺衣渡はきっかり200mしか飛べないんじゃよ...それに1度使うとしばらく飛べなくなるんじゃ。この間、差知で測ったときもそうじゃったろう...それと」
「すっごく!疲れるんじゃわい!」
「そう...走れば?...全速で」
「何を言う!...喘息になったらどうするんじゃ!」
「....? 龍は病に強いんじゃ?」
「ワシは弱いかもしれないじゃろ!それと突っ込んでおくれじゃ!」
「...?それより、嵐翠を教えて...」
「まーた、それか!言ったじゃろう...ワシ体力無いって!少し休むんじゃ! 」
「そう、分かった...」
そう言うとソヨカは話をやめ、1人で槍を振り回す。
こーれーはワシが発ってから一日中やり続けてる感じじゃなぁ。...ソヨカならやりかねん。
槍を振り回すソヨカの手をギアは掴んだ。
ソヨカは無表情な顔をギアに向ける。
「ソヨカ、もう止めにせい、お主疲れておるじゃろ?」
「別に...私は」
「いいから、休めって言ったら休むんじゃ!頑張りすぎは良くない!ワシの差知が察知した。」
「今のを突っ込めばいいの?」
「ぬ!?ここで察しが良くなるとはな...ってちがうわい!...ソヨカ...お主今体力の限界を感じて頭が冴えとるんか?...」
ソヨカは突然倒れかかった。
ギアは瞬時にソヨカを支える。
「ほら!言わんこっちゃないじゃろう!お主!」
***
ソヨカは、ギアの住処"嵐山寺"で目を覚ます。
「ごめん...私また...」
「しょうがないじゃろ...お主はいくつか感情が奪われているんじゃ..."疲れた"って思えなくなったんじゃからな...」
ソヨカはギアを見る、ギアは正座し、ソヨカの頭に絞り雑巾で看病していた。
「ギア...怒ってる?...手が...震えてる」
「当たり前じゃろう...ワシが次ラメアと会えばすぐに殺してしまうじゃろうな。」
...ワシ達が三重の美芸を抜けてから数日たつ...
...まさか、ワシ達がラメアから追撃を受ける事になるとは...
...三重の美芸は一筋縄ではいかない連中ばかりじゃ
集まりの度に、スレイプニルを何度、突き刺そうと思ったことか...
応射竜、識竜、凍扇竜、速剣竜、原染竜、岩龍、花斬竜、霊霧竜、そして。
心持竜ラメア! ワシはお主を絶対に殺し、ソヨカの感情を元にもどす!そしてリペアを殺したスレイプニルもじゃ!他の連中はそれからじゃ...
ソヨカはリペアから力を預かっている...今はワシが持っているが...ワシには使いこなせぬようだ...
情け無い...ワシが使いこなせていれば...スレイプニル、ラメアなど倒していたのに...
「リペア、ワシは約束を果たす...ソヨカと共に...」
...ただ、仲間が必要じゃ、ワシらと共に戦う仲間が....
...明日からでも探しに行かねば!
「ソヨカ、明日探しに行くぞ!」
「何を?」
「仲間じゃ!」
「うん。」
ソヨカ 身長170cm
ギア 身長229cm




