表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜技の師と弟子  作者: 鷹城
第3章 銃の帝国編
50/112

第50話 〜集結〜

不定期投稿ですが、よろしくお願いします。


「ちっ、完全に逃げられたなこりゃ」


...しょうがねぇ、他にも侵入者がいるからな


...忙しいねぇ...


***


パイソンは自身の場所に戻って来ていた。



そこには、頭に角が生えた黒い龍スレイプニルと、桜色の鱗が生えている龍ラメアがいた。


「よっ、何してんの? スレイプニル? ラメア? 」


「パイソン、余はそなたに見せたいものがある」


「ん、何だい?」


スレイプニルは1つのドアを指差した。"武器庫"と呼ばれる場所だ。


そこには、銃が沢山散らばっている。


「そんなの、何に使うんだ? たしか、人間が使ってるガラクタだよ?」


「昨日から、余は"仕込んであったのよ"」


「えっ? あぁ、自分の傀儡を増やすって奴? ラメアも見てたのか?」


「えっ、あ、そう、そうよ、なんかスレイプニルの"竜染化(りゅうせんか)"だっけ?それをこの"ガラクタ"にかけて...」


「えっ? こいつらを"竜化(りゅうか)"出来るのか?」


その時複数の武器が震え始めた。


その内の1つだけ、次第に形が不気味に変容し始め、次第に人型の竜に変わる。

目が真っ白で黒光りした爪は鋭く長く。体中の鱗は真っ黒だ。


「ギャァァァ」


凄まじい、雄叫びをあげる。


パイソンは反射的に六模流場(リボルバー)を構えていた。


「おいおい、こいつは、何だ? 知性がなさそうだな? バロウより数倍ヤバイ感じだ。」


波解派部(ハートハートブ)..."心よ、そこに在れ"」


ラメアは目の前に自身程の大きさの桜色のハートを出現させた。そして、それをラメアは親指と中指を合わせて弾いた。


桜色のハートは獣のような竜に浸透していく。

龍はピタリと一瞬停止した。


「もしもし? 」


ラメアは立ち止まる竜に声をかける。


「モシモシ」


獣の竜はラメアの呼びかけに呼応するかのように話す。


「おっ、言葉分かる?」


「オッ、コトバワカル」


「えっ、真似ぇ?」


「エッ、マネェ」


「スレイプニル、ちょっとこれ失敗?」


「スレイプニル、チョットコレシッパイ」


「うむ、余もそう思う 」


その時獣の竜は暴れ出した。

ラメアに爪で襲う。


「おっと?いきなり、大声あげたと思ったら...」


ラメアは軽やかに宙に浮いた。ラメアの体を纏う白い衣はそれに呼応してゆらり、ゆらりと衣の舞踊をひらめかせる。


獣の竜はラメアに連続攻撃を繰り出すがラメアはかすることなく全て避けた。


「あちゃー、乱暴だねぇ...」


「んじゃ、撃っていいかい?」


パイソンは六模流場(リボルバー)を構える。


「あぁ、仕方がない」


スレイプニルは腕を組み一連の様子を見ていた。


悪波出過(オーバーデス)!」


パイソンが撃った弾丸は命中し、竜は倒れる。


その後竜は変容し元のガラクタに戻った。


「あっ、倒したら元に戻るんだな...」


「既に外に暴れ出ているのもいるぞ」


「そういえば、心持たせてみたけど何も変わらず外に逃げていったわねぇ。」


「えぇー、それ面倒くさいなぁ...まっ、でもいっか、侵入者撃退できるし、銃帝六射(あいつら)も簡単にはやられないだろう...」


****


バロウとセレンは岸の家のすぐ外で奇襲を受けていた。


「バロウ、こいつは?」


セレンは水が入ったコップをすぐに置き獣の様な竜の爪の一撃を横に避ける。

バロウも避けていた。


「俺は知らんぞこんなやつ。」


バロウは心当たりない様だ。


「ねぇ、あなたは誰?」


しかし、何も返事がない...正気はないようだ。


...こいつ、話が通じない?ていうか聞いてるの?


目の前の竜は首をパキパキならして、再び襲いかかる。


ギャァァァ!


叢雲(ムラクモ)!」


セレンは空中に発現させた、水の刃で龍を攻撃する。

龍はなんなく当たりそのまま倒れた。


「やった?」


倒れた龍は変容した。


「なんだ、これは!? セレン! 姿が変わるぞ!」


バロウは見た事もない現象に驚いたようだ。


それは一本の銃に変わっていた。


「えっ? どういう事?」


「姿が変わったのか...これが正体という事か?」


「セレ〜ン」


遠くから聞き覚えのある声が聞こえる。


セレンは声の主を探した。


見覚えのある男の子と龍が目に映る。


「あっ、ジルとソウじゃない?」


「誰だ?」


バロウはセレンに聞く。


「私の仲間、あなたから見たら侵入者、だけど今は仲間よ」


「ん? 敵じゃないってことでいいな?」


バロウは少し戸惑ったが警戒は解いた。


セレンはジル、ソウ、ウラノスの3人とついに合流を果たす。


*****


それから銃の帝国(トリガーエンパイア)では1日が過ぎていた。


「相棒、全然見つからないわね...侵入者」


「そうっすね...さっさと見つけて、終わりにしたいっす」


銃帝六射(エンパイアガンナー)ソレイユとウィルは侵入者を探していた。


「ん、あれは誰っす?」


2人は少し先にを歩く見慣れない3人組を見つけた。


茶髪に、赤い毛が混ざった少女と。


身体全体赤い鱗で、顔にらタテガミの髭が生えた獅子を思い浮かばせる龍と。


亀の様な顎が特徴的な全体的にゴツゴツした肌色の龍だった。


***


「やっと着いたわ、ソウ、ジル、ウラノスさん...忘れててごめん、待ってて」


ソウとジルとウラノスがスレイプニルを、追いかけ始め4日がたっていた。


リィラとログは色花の都で無事記憶を取り戻す事に成功。


そして、ログがこれまで奪った記憶も元の持ち主に戻った。

各地で波乱が動き出す。


しかし、忘岩(ボウガン)はその間にリィラとログとラヴァの記憶の一部分を所々奪っていた。忘岩には三重の美芸によって呪いがかけられていた。


"ソウとジルとウラノスが"銃の帝国に向かっていた事も忘れさせていた。


記憶を取り戻した3人は加勢する為先を急ぐ。














評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ