第49話 岸の家で
不定期投稿ですがよろしくお願いします。、
「川に飛び込め!」
「分かった!いくよ!」
「待て、俺もか!?」
「そうよ!」
うわぁぁぁ!
三人は激しく流れる川に飛び込む。
高さ5メートル程落下しただろうか...
後ろから、何発か銃声が聞こえる。
流れる川は結構深くなっていた
「水渡室!」
青龍エンジュは手をかざし、着水する前にセレン、バロウに水の膜のような透明の衣を体全体に纏わせた。
3人は水中に身を沈め、流されていく。
セレンとバロウは初め、水流の流れが激しく慣れるまで時間がかかった。
しかし、エンジュの効力が発揮したのか、次第に泳げるようになった。
その内2人は泳ぐ姿勢を取らずとも宙で体を直立させた姿勢のまま、飛び込むようにスムーズに水中を移動する事が出来るようになった。
***
しばらく距離を泳いだ。セレンはクタクタだ...
...あとどれくらい泳ぐのだろう...
エンジュが、先に岸に上がった。
...あ、エンジュ上がった。
「バロウ、こっち」
水渡室がかかっている時は水中会話も可能である。
セレンは後ろを泳ぐバロウに手招きし、エンジュに続いて上がった。
鳥の鳴き声が聞こえる。
岸の上は砂利で辺りには、家が並んでいる...
セレンは、疲れが溜まっていたのか倒れた。
視線の先にはエンジュが倒れているのが見える。
「おい、セレン、エンジュどうした?」
後ろから、バロウの声が聞こえる。
「疲れた...み..ず...」
セレンは突然宙に浮いた...
バロウに片手で担がれている。
「あそこの家にあるだろう、貰おう。」
バロウはすぐ家の近くまで来てノックもせずに開けた。
「...勝手に入っていいの?」
「何の気配も無いしいいだろ!」
...何事も無かったように、ガハハとバロウは笑うと、セレンを家の中で降ろした。
****
ゴクッ ゴクッ ゴクッ
...久しぶりに飲んだ...本当に久しぶり。
「良かった、セレン...水がたっぷりだ!」
エンジュは私よりも沢山飲んでいる。
まぁ、いいか、この後は。
「みんな、治療するよ」
***
セレンは 零院再生を使いエンジュとバロウを治療した。
エンジュは少し傷が深く、パイソンから受けた銃弾の傷があったので、少し休んでもらった。
「セレン、バロウは...」
「多分大丈夫よ...ちょっと話してくる...」
「何か不穏な動きがあればすぐに私に言うんだ...」
「分かってる」
セレンはドアを開けた。入り口の横にバロウが背をもたれている。
「バロウ 」
「ん?どうした? セレン?」
「これ、飲んで」
セレンは水をバロウにみずを差し出した。
「おお、ありがたい」
それを受け取ろうとした時だった。
ギャァァァァァ!
突如セレンとバロウの目の前に鋭い獣の様な龍が現れた。鋭い爪を構え襲い掛かってくる。




