第47話 〜銃の帝国〜頂点の来訪
不定期投稿ですがよろしくお願いします。
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「なぁ、バロウ? 強くなきゃ生きていけないよな...この国じゃあよ」
「ガハハハ!○○○、そんなの当たり前だ、日々鍛えるのみだ!そろそろ合戦も始まる頃だ。」
合戦とは銃帝六射を決める為、年に一度行われる、ファーストウェポンを持つ者同士で行う殺し合いである。
「俺は勿論、今回の合戦では銃帝六射になるからな!○○○。戦場であっても容赦しないぞ。」
「あぁ、決心してるさ、正直俺はバロウとは、鉢合わせしたくないんだ...」
「おいおい○○○、戦場で情けをかける暇なんてないぞ! 油断したら一瞬で逝っちまうからな」
「だけどさ...俺はバロウと知り合ってしまった...やっぱ俺にはバロウを撃つことなんて出来ない...バロウはいい奴だろ!そりゃ今まで殺してきた数は多いけどさ。」
「何バカな事を言ってるんだ? そんなの戦場じゃ別だ」
「それに、銃帝六射になれる人数は1人だけじゃない...6人になるまでの殺し合いだろ!? じゃあ、俺とお前が入るとして、あと4人とは殺し合いにならずに済むんだ。」
「ふん...分かった、そこまで言うならまあ考えてやる...」
「だが...別れて行動するんだ、自分の強さで切り抜けろよ○○○ 」
「勿論さ! バロウに頼るつもりはないさ、俺にだって銃の腕前には誇りはあるから」
「おう、言うじゃないか? じゃ今日はここで別れるぞ!
○○○...死ぬなよ。」
「そっちこそだよ、バロウ!」
2人は握り拳を合わせ別れた。
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ーー人間は脆い...すぐに死ぬ
ーーいや...銃の帝国では人も龍も同じか...
死ぬなよが最後にかける言葉か...
俺は1人の人間と親しくしていた。
だが、合戦で共に銃帝六射になる事は叶わず。
即死だった、頭を銃弾で撃ち抜かれて。
戦場は激しく見つけた時は悲しむ暇すらない。毎回のことなので見慣れたのだろう。
だが、何か違う感情がバロウの脳裏によぎる。
それは、怒りなのか冷めているのかなにかが引っかかっている事は間違いない。
とにかく最後の6人になるまで、闘い抜けることだけは意識していた。
...あいつはいい奴だった、戦わないといけない運命なのに、知り合った仲は殺さないと当たり前のように言う奴だ。
その後、銃帝六射バロウは何かを埋めるためなのか、1年中ファーストウェポンを極め続けていた。
***
ーー何だ? 冷たい感触だ?
ーー水...いや、雨?
目を開けたら少女がいた。
バロウの傷の痛みが引いていく。
「...人間!? 何で俺を治す!」
少女は手をかざし、癒しの雨の粒子をバロウに注いでいた。
「別に殺す気はないよ、あなたは三重の美芸じゃないでしょ」
「それに、私達はあなたに勝ったのよ、2度と負けません。」
「...人間...名前は?」
「私はセレンよ、バロウ。」
「おぉ...そうか...セレンと...エンジュ 」
青龍エンジュは腕を組みバロウを見ている。
「感謝するんだな、セレンの、優しさに...私ならこんなことしない、返り討ちは勘弁だ。」
「1度負けた身だ、挑むのは万全になってからにする!
だが今はもういい、お前達はもう戦友だ。」
「正気なのか? 貴様? ちなみに、この国の主か?」
「違う、上はパイソンだ。」
「パイソン? ねぇバロウ、そいつって三重の美芸?」
「ああ、確かにそう言っていたな」
「なぁ、バロウこの国に、スレイプニルという龍が来ていないか?」
「あぁ、確かパイソンが言ってたな『スレイプニル』と『ラメア』という龍は客人だから手を出すなと 」
「えっ、ラメアって言う龍もそうなのかな」とセレン
「やはり、スレイプニルはいるのか、ここに」とエンジュ。
「分かったありがとう、バロウ、じゃあね」
「お前達、そいつらに何の用なんだ」
「倒すのよ」
「何のためだ?」
「誰かの為よ」
「それだけか、自分の為ではないのか?」
「えぇ、友達が困ってるの、助けなきゃ、ジルとソウにも合流しないと行けないし」
「セレン、先を急ごう。」
エンジュはセレンに声を掛けた。
「うん!」
「待てセレン、誰かが歩いてくる。」
目の前に銀色の竜が歩いてくる。
「待たせたな! バロウ! 大丈夫か?そいつらにやられたの〜?」
「バロウの知り合い?という事は敵か?」
「そうだ、こいつはパイソンだ!」
「えっ、いきなり!?」
「んじゃ、侵入者。とっとと"銃躙"すっから 」
銀色の竜は手に鉄製の銃を発現させた。上手に構える。
「六模流場ー。」
「気を付けろ、セレン、エンジュ、そいつは『6つの能力』を使うぞ!」
「何!? 6だと!?」
...そんなの初耳だ!能力を3つ以上使う龍だと!?
...だが、分かる、こいつから感じる気配は....
...今までとは感じが違う、威圧感が重い。
「セレン、離れすぎるなよ!」
「わ、分かった」
2人は構える清練を、叢雲を。




