第43話 〜剣の国ではなく…
不定期投稿ですがよろしくお願いします。
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治療士ロウラが使う。零院再生について。
その1 水場にある水分を治療媒体として変換し傷を癒すことが出来る。
その2 火傷に関しては重度であっても即座に治すことが出来る。
その3 雨としての役割を果たすことも出来る。しかし、使用者の力によって、その力、範囲規模は異なる。
備考 私がもつ叢雲とかなり相性がいい!
習得出来てよかった♪ ロウラさんにはホント感謝!
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「セレン、それはロウラに習った能力か?」
青龍エンジュはセレンが書くメモをみながら聞く。
「あ、うんそうだよ、能力の詳細をまとめてるの。」
セレンは少し照れながら言った。
「まぁ、でも、全てを把握してるわけじゃないけどね?」
「そうか....精が出るな」
「ありがとう、いずれは私、色んな能力を知って、習得出来る物は習得してだれかの役に立てたらいいなって思ってるの....生きてると気になる事ばかりで...」
...好奇心旺盛なんだな...セレンは...
...そうか、だから、こうやってこの子は見た物を書き留めているのか
「少し、私も見ても良いかな?」
青い鱗が全身に生えた龍、エンジュはセレンのメモが見たくなった。
狼のような風貌をした龍だが凶悪さは感じさせず、その表情は堅いが雰囲気は落ち着いている。
「全部はダメだけど...少しならいいよ!」
2人は歩く...見渡すかぎりの荒野を...真昼の太陽に照らされながら修業の為、"剣の国"を目指す。
青龍エンジュは剣の国出身の龍である。
セレンと出会ったのは2ヶ月前、剣の国近くのエンジュの修業場である森である。
セレンは竜技、竜力、竜能の存在を知ってから、好奇心が湧き、いてもたってもいられず、故郷である、"瞑想郷"を発ち新たな発見の旅へ出たのである。
エンジュはその話を聞いたが、1人で冒険するのは危険な事だと思った。
身を守る力があるのかと....
案の定、セレンは竜技を覚えておらず、何処で命を落としてもおかしくないという状況だったのだ。
自然災害、病気、暴力的な国がないとも限らない、最近獣のような竜が暴れているという噂も耳にする。
エンジュは剣の国の事しかわからない為、武器を持たずに冒険に出ようとする彼女の気持ちが理解できなかった。
だが、彼女は言った。
"知るために武器を持つ必要なんてあるの?"と。
確かに、それはない。
だが、エンジュは納得がいかない。
"私の竜技を教えよう、知っていて損はない"とセレンに言った。
それから2人は同行することになった。
エンジュの故郷、剣の国では1人師匠がいたが技を教えてもらった後、孤立して修業していた為すぐに出て行く事が出来た。
「色々な能力があるのだな」
...砕練刀...岩龍ログが使う竜技か....なるほど、音を消す、衝撃を発生させる、2つの能力があるのか、リィラにはしてやられたな。闘いになると頭が切れるやつは嫌いじゃない。
...時炎怒...火龍ラヴァが使う竜技か一度は手合わせしてみたいな...だが、私の水の刃の方が上手かな?...やめておこうか....リィラもこの技がつかえるのか!?リィラとは一体?なんだかもう1度手合わせしたくなった。
..? くやしい? 先をこされた? .....セレン、励むしかない....
怒雷武...雷の刃か...確かジルと言ったな、あの黄色い龍だな、あまり喋った事がないから、分からないが、一度手合わせしてみたい。
雷降...ジルの弟子だな、確か名前はソウといったか?...紋章を撃ち込む? 雷が落ちる? 私の敵なら真っ先に狙うだろうな。
...倍音輪...おっとこいつには苦戦したな、私1人では歯が立たなかった。セレンがいなければ倒せなかったな。
嵐翠...風で生成される槍? 誰の竜技だろう?ソヨカ?ギア?セレンの知り合いなのか?
他にも色々あるな、治薬慈、落御迎戯隠、輪歩、空論再生、目模、医恵全、叢雲、清錬
...私の竜技も書いてあるな....どれ....
...ん、1番最後どうしたんだ?
そこには
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備考///////////////////
グチャグチャに書かれていて読めなかった。
(*備考の内容は13話、28話参照。)
「セレンここ、どうしたんだ?」
「えっ、そこ、あぁ、書き間違えちゃって...何でもないから...」
「そうか...」
...何でうつむいているんだ?
「...セレン?」
「何でもないよ!」
そう言って顔を上げたセレンは頰を赤く染めていた。
...見られるのが恥ずかしかったなら、言えばいいのにな
エンジュはメモをセレンに返す。
...本当に君は好奇心旺盛なんだな。
***
「それにしても喉乾かないか? セレン?」
エンジュは歩きながら声をかける。
「えぇ、残り少ないわ」
セレンは瓢箪の瓶を見せる、透明なプラスチック製の瓶はのこり、3分の1程度だ。
「水場が無いか探そうか、残りは君が全部飲むんだセレン 私は大丈夫だ、さっき飲んだから」
「半分以上飲んだのエンジュじゃなかったっけ?」
...それを言われると何も言えない。
「...すまん」
...申し訳ない...水は好物で、飲むと、止め時が自分でも分からなくなる....
「エンジュ....水が本当に好きなのね。いいよ、これくらいあれば大丈夫! あっ、エンジュ!」
セレンは横を指差す。
エンジュは見た。
...建物が沢山ある、煙突から煙が吹いている。
なんだか絡繰じみた場所だな。という印象だった。
「あそこで水もらおうよ!幸いお金も多少は持ってるし!」
セレンはいいよね!?みたいな表情でエンジュを見る。
...仕方ない、寄り道するしか...元はといえば私がやった事だろうし。
...それに、好物の水が沢山飲めるかもしれないぞ!
ちなみに、零院再生は雨としての役割は備えていますが、飲料として飲んだ場合は体内に取り込まず、"乾き"を凌ぐことは出来ないです。
他の水系の能力にも基本的に共通しています。




