第40話 〜銃の帝国〜 銃帝六射 vsシュール その2
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...くそ! まじかよこいつ!
なにがペースだ!おれに攻撃させろ!
なんなら頭突きで!
「はい、頭突きも10分後で。」
「このおぉぉお!」
「おいおい、噛みつくなよ!そんなに、僕にダメージを与えたいのかい?」
ぐ!また、止められた!渾身の噛みつきが!
ちっ、だったらよぉ!これならどうだ!
稲妻龍ジルは自身の腰から足までくらいの長さのしっぽを振り回して叩きつけようとした。
「変数。...だめだめ、尻尾もだめだ! 」
...おれが狙ってるのは、それだけじゃねーよ!
「ほらよ!チビ!」
ジルは電車内にある、他のテーブルに置かれていた、飲み残しのティーカップを少年目掛けて投げる。
(あれは、僕が飲んでそのままにしておいた、ティーカップ!)
「しまっ!」
ティーカップは少年の顔面に直撃した。
ドサッ!
少年は電車内の床で倒れた。突然の痛みに血を流している顔を押さえている。
...よっしゃ、どうやら、投げる物に対しては止める事は出来ねぇようだな。
そして怒雷武も振り下ろせる。今ならいける!
...よし、こいつをなぐって気絶させておくか。
「悪く思うなよ!」
「悪いのはお前の拳だな!」
な、また殴れねぇ!
「言っただろう、10分後にしか殴れないと!動けるからといって解除されたと思ったお前はすでに判断ミス、まぁ、正確には僕に対してという事だけどね...」
「そうかよ、じゃお前は今ミスを犯したな! 敵に能力を教えるなんてバカのすることだぞ。」
「怒雷武!」
ジルは雷の刃を少年ではなく電車の窓を狙い叩き割った。
その叩き割ったガラスが空中に舞い散る。
ジルはその一瞬の間を逃さずガラスが床に落ちる前に雷の刃で弾く。
そう、弾かれたガラスの一部は刃物となって少年の方向へと向かっていく。
「いてぇ!」
(こいつ、どこでこんな芸当を!俺の場所も見ずに刃を振りかざしてガラスを弾き当てるなんて...ヤベェ)
「まだだ、ここには沢山ガラスがある。次はお前の目玉に当たるぞ!」
「ちっ! 仕方ねぇ」
少年は奥の方へと逃げる。
「おい、まて! 」
「変数!次一歩動けるのは10秒後だ!」
あ、足が!動かんぞ!まじかよ!こいつ、
...いや、まて、
10秒?
ジルは10秒時間が経過するのを待った。
「...8...9....10! よっしゃ!おいこら、待てよチビ!」
「くそ、もう10秒たったのか!」
「うおぉぉ!倒す!」
「ふふっ、引っかかったな僕のセカンドウェポンに!」
*セカンドウェポン...(竜能)
...しまった!何か踏んでしまった!
ジルは気付かなかった。
下をみると水色の鉄製のボタンのようなものを踏んでいた。
「こ、れは..........!?」
「やった、これで完全に捕らえた、僕の変数は発動すると一切対象を殺す事は出来ないっていう弱点があるんだ、今まで試したが一度も成功しなかった。もっとも今僕がなにを言ってるのか君は理解すら出来ないだろうねぇ。何故なら君が今踏んだのは...」
「苦零然阿...その能力は"思考停止"の地雷。」
「君はこれを踏んだ瞬間から何も考えられなくなったのさ。ボーッとしてる...お似合いだよ。」
*
*
*
しかし、その時ジルは動いた。雷の刃を発現させ。
「怒雷武!」
「は!?」
ジルはすでに少年の背後にいる。
雷の刃は少年の首筋を横一閃に断ち切った。
一瞬の出来事だった。
血しぶきが首から溢れ出る。
「どうやら、10分たったみたいだな、時間通りで助かったぞ!お陰でお前を斬れた」
「おっと、悪いな、俺お人好しだったみてぇだから、お前の時間予告に恩を感じたみてぇだ。」
「ま、死んでるお前に話しても意味はねぇかもな。」
ジルはこの時何故動けたのかは知らない。
実はジルがお茶をこぼした時に、ソウに治療をしてもらった時の薬草が、火傷以外に、精神を安定させ、精神による疾患を予防する為に使われている薬草だったとジルが知ったのは後ほどである。




