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竜技の師と弟子  作者: 鷹城
第1章 龍縁
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第4話 脱出

「早く......早く出口まで行かなきゃ……」


 少女リィラは体中傷を負っている岩龍(がんりゅう)ログに肩を貸しリィラの来利空音透(クリアネス)で2人の全身を透明状態にした。


 その後ログの砕練刀(サイレント)で2人の足音を消し、後ろから朱色の竜が発した光る夕日の輪の物体から逃れようと急ぐ。


「ログ……出口を出たら少し離れた所で包帯を巻くから

 ......今はごめん……気をしっかりね……」


 光る夕日の輪の物体が目前にまで迫ってきていた。

 丁度リィラとログは出口の日差しが強く照らされている所に体全体を踏み入れた。


(良かった、何とか日差しでバレずに済んだ……)

 

 ***


 朱色の龍は違和感を感じた。


「気のせいかな? 今影が見えたような気がするわ.....」


 朱色の龍は出口方面へ近づく、日差しが直当たりするまであと5歩程度の所まで来ている。


 ***


 リィラはとログは出口についに外に出始め一歩を踏み込んだ。

 その時、横を風が通り過ぎた。



 目の前にいきなり朱色の龍の後ろ姿が映っている。




 うそ……



 リィラとログは突然の出来事にその場で凍りつき、息を殺した。


 朱色の竜が周りを見た後、洞窟の出口を振り返る。


 ……リィラはその時静寂を感じた、山の静けさ、そして恐怖を、絶望をそして、なによりも感じたのは……


 朱色の竜の目が太陽のような模様から感じる邪悪さだった。


 ……その一瞬の後だった、雷鳴が鳴り響いた、いつのまにか空は曇っていて、すぐさま雨が降り出した。


 ***



 少し離れた山の崖上に1人の少年と黄色の龍がいた。


 少年はホフク状態で雷で生成した猟銃のような物を構えていた。


「おい! ソウ! こんな山の中で雷降(ライフル)を無闇やたらに撃つんじゃねぇ!」


 黄色の龍は少年の頭に拳骨(げんこつ)をいれた。


 ゴチンッ!


「イテテテッ!?すっ……すみませんジルさん

 ちょっと昨日習得したばかりで試したくって……」


 少年は頭をさする……


 黄色の龍は溜息を吐き出して言う。


「別に誰も居ない所だったら撃っても構わねぇ...だけどお(めぇ)今ちゃんと周りみてたのか?人間に当たったらどうする?」


 ソウは頭をさすりながら。


「すみません、気をつけます。」

 と言った。

 でも、龍なら当たっても平気なのかなとも思った。


「ジルさん! あそこなら試しに撃ってみても大丈夫ですか?」


 ソウは崖下に見える平けた草木も生えてない広場を指差した。


「ん? あーそこならいいぞ!」


「分かりました!」


「さっきはいきなり殴って(わり)ぃな……」


 黄色の龍は少年の頭をさする。


「正直言うとちょっと痛かったですよ。でも大丈夫です!おかげで……」


 ソウは自分が手にしている雷の猟銃をジルに見せ嬉しそうな表情を浮かべている。


「あ、あぁ……悪かったな」


 黄色の龍は少し微笑んだ。


 雨が降ってきた。


「ちょっ! ソウ待て! 今は雷降(ライフル)を撃つなよ! 今撃ったら危ねぇからよ!」


「わ、分かりました。んーでもタイミング悪いなぁ、

 まっ! でも晴れたときにまた試します。」


 2人は山を降りようとした。


「えっ?」


 その時ジルの前を歩くソウが足を踏み外し、崖の外へ体を傾けていた。


「ソウ!」


「……!」


 ジルはハッとした、気付いたらソウの手を掴まえている。


「くぬぬぅ!」


 崖下は高く、落ちれば即死だっただろう。


 2人は崖上で尻持ちをつきゼェゼェハァハァと息をついている。


「危なかったぞ……気を付けろよソウ……」


(間に合って……良かったぞ……さっき俺が見たのは何だったんだ…………)


「ごめんなさい、ジルさん……ありがとう……」


 ソウは申し訳なさそうにジルを見る。


 ジルはソウの肩を軽く叩く。


「さぁ、山を降りるぞ、雨が降っているしここにはいつまでも居られないからな」


「分かりました!」


 少年ソウと黄色の竜ジルは山を後にした。







少年ソウ 身長168cm

黄色の龍 ジル 身長 225cm

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