第39話 〜銃の帝国〜 vs銃帝六射 シュール その1
初めましての方は初めまして
不定期投稿ですが、よろしくお願いします。
僕は銃帝六射の1人。シュール。
銃の帝国の電車をたった1人管理を任されている。
門の番人の鶏みたいなトサカの龍ボマードとは代わりながら管理している。
今日は僕の日。
まぁ、この電車はどこかの龍のファーストウェポンによって自動操縦なのだけれど。
*ファーストウェポン...(竜技)
最近は人気が少なくて凄く暇!
電車に乗る人がまずいない。
電車に有る。お茶や紅茶、コーヒーの類は何度飲んだことか。
飲んだだけでどの種類か分かるほど。
本当だれか乗ってくれないと、暇潰せないし...
誰かにお茶配ったりする時間が本当暇つぶし。
もうこの灰色の景色にも飽き飽きだよ。
電車の窓から見上げれば煙が出てる、工場、工場。
地面は灰と砂が混ざってる。肌色、灰色の砂利に砂利。
まっ、でも今日は珍しく"任務"だ。
ボマードから連絡があった。侵入者だって。
僕の役目は電車の中に侵入者を引きずり込み。
他の銃帝六射がくるまで足止めすること。
銃の帝国の2つの門をくぐればすぐに正面に駅がある。
たった1つ。パイソン様がいる、鉄の塔まで繋がっている道。
まあ、駅は途中途中、定期的にあるのだが。
そして、侵入者はその電車に乗る運命にある。
なぜなら、それが僕のサードウェポン。
引き寄せの休息によってそうさせるから。
*サードウェポン...(竜能)
...引き寄せの休息の能力は、"場所"に対してかける事が出来る能力。
その力はその場所で休みたい、留まりたい、落ち着きたいと自然に導く能力。
相手はかかった事にすら気づかない。
さて、もう少しで"門の駅"に到着だ。当然、僕は"門の駅"にも引き寄せの休息の力をかけている。勿論"電車"にも。
ボマードによって追いかけられた侵入者は追いかけられてクタクタで、疲弊しているはず。
引き寄せの休息は、疲労があればあるほど、疲れた、休みたい、留まりたい、落ち着きたいと思えば思うほど長い時間かかり続ける。
たった"一瞬でも思えば"そこからはほぼ沼。
今頃侵入者は駅で留まっていることだろう。
ちなみに、ボマードは門番の役目から離れてはいけないので、門を超えられたら誰かにお願いしないといけない決まり。
というか、ボマードの紅蓮練土から逃れられる、強者だ。
よほど強い能力を持っているに違いない。
さて、見えてきたな門の駅が。
電車は、不気味な金切り声をあげ、門の駅に到達する。
入って来たな....三人いるな、さて。
"ここからが勝負だ"
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「どうですか? お茶でも?」
*****
....やった、あいつら全員飲んだぞ。お茶を。
そう....僕はティーカップの"お茶がある場所"にも引き寄せの休息の力をかけている。
それを飲んでいるのだ!僕の力を直接に受けているも同然。
時期にここから離れなくなる。それまでは要警戒。
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「あちゃっ!」
「わぁ!ジルさん!大丈夫ですか!突然こぼして」
少年ソウはテーブルにあったティッシュで稲妻龍ジルの濡れた黄色い鱗が生えた腕を拭く。
「とりあえず、薬草を、治薬磁しておきます」
「いいよ、いらないって!」
「大丈夫ですよ!龍治院で薬草は沢山もらいましたから、まだ予備は沢山あります。」
「分かったよ、ありがとな。」
治薬磁はソウが使える治療系の竜能
薬草を電気に変換し、その元の薬草の効能を電気治療を通して対象に浸透させる能力。
「それにしても、広いですねこの国は」
テーブルに座ってお茶を飲んでいた。群青色の竜、空創竜ウラノスは窓から景色を見上げていた。
「そうだよね、これじゃ、スレイプニルはどこにいるのか......
なんだか、僕、疲れちゃった、ちょっと寝てもいい?」
「おう、少し休め。俺が見張っとくぞ 」
「私も起きておこう。ジル1人に任せるわけにはいかないからね」
「ごめんね、ジルさん、あの時のようになっちゃって」
ソウはジルと2人で銃の帝国から逃げた日々の事を思い出していた。
2人は日々の中で仮眠取る時に見張りを代わる代わるやっていた。
...あの時、僕はまともに見張れなくて、結局ジルさんはずっと起きてたんだよな....
不意に肩をトントンと叩かれた。
...見上げればジルの虎の様な顔が映る。ソウを見て優しく言った。
「気にするな、ソウ、お前は今の今まで頑張ってる。ここに来れたのはお前も頑張ったからだ...だから、今は休め。」
「分かった、ウラノスさんもごめんね。.....少し休みます」
「いや、いいよ、気にしないで。」
ソウは横長の椅子に横たわって寝た。
****
「まだ、つかねぇのか....」
目の前のウラノスは景色を眺めながら茶を定期的に飲んでいる。
「そうだね....」
「お茶、もう無いね。」
「それにしても、ウラノス、お前お茶好きだな、何杯目だぁ?」
「20杯は飲んだかなぁ」
「飲み過ぎだろ。」
「もう、一度おかわりしよう。」
「おいおい、呑気だな、なんか....」
「いやぁ、心地よいなぁ、ここはなんだか...故郷の村を
おもいだすよ」
...ウラノス、なんだか様子がおかしい、今そこまで余裕にしてる時じゃないはず。
...そういや、俺たち以外乗ってる奴はいない。
...ソウは寝てる。
...一度あの緑色の髪の少年に聞いてみるか
***
「なぁ、君? ここって何処に着くんだ?」
ジルは緑色の髪の少年にこえをかける。
「あれ、お客様、車内でのんびりされてたのではないですか?」
「なぁ、さっきからおかしいんだよな、どうして俺はこの電車に乗ってんだろうなって思ったところなんだよ。」
「俺たちを降ろしてくれないか?」
「困ります、お客様、途中下車は不可能です。駅は1つだけですから」
「さっきから、駅らしきところ何本もすれ違ってるんだが?」
「...!そうか、やはり正気を取り戻したのか!お前!」
「怒雷武!」
ジルは雷の刃を少年に向ける。
「お前、敵だな! 俺たちに何をした!」
「フフッ!何も言わずに僕を斬ればよかったのに、君は割とお人好しだなぁ、その一瞬の気の迷いで僕の能力にかかっているというのに。」
「変数!」
な!
なんだ!刃を振り下ろせない!
「君は刃を振り下ろせない、10分後にしか....僕は相手の行動に"間隔時間"を付与するファーストウェポンを持っている」
「それが僕の力さ。」
なんだと!こいつ!めんどくせぇ
ジルは怒雷武を解除して少年にむけ拳を構えた。
「おっと、君が僕を殴れるのは10分後だよ。」
な!
殴れねぇ!
「もちろん蹴りも、タックルも10分後だよ。」
攻撃手段がどんどん無くなっていく....
こ、このチビがぁ〜!




