第38話 〜銃の帝国〜 乗車
初めましての方は初めまして、
不定期投稿ですが、よろしくお願いします。
「完全にいなイナ....」
---それにしても、跡形も無く消えタナ。
---恐らくは生きていルナ
パイソン様につたえなけレバ。
---ん、おかしイナ
---今、空はピンク色だっタカ?
---いや、気のせいだ、青ダナ。
---とりあえず報告ダ
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天井にシャンデリアが下がっており、黄色い光が一室を照らしている。
見渡せばそこは、茶色と黄土色のチェック柄の床。
長方形のテーブルには白いクロスがかかっており、隣接して黄金色のイスが6個ある。中央にも1つあり、計7つ。
そこには、5人の人や龍が座っていた。
壁の肖像画には左側と右側には肖像画が6個あった。
1つは弾丸を込める銀色の竜が。
1つは銃を撃ち目の前を火の海にしている銀色の竜の後ろ姿。
1つは正面に向け銃を撃っている銀色の竜の姿が、何故か後ろにある窓ガラスが割れている。
1つは自分の頭に片手で拳銃を向け笑っている銀色の竜の姿。
1つは銀色の竜が銃を撃ち、壁3つを貫通している。
1つは銀色の竜が目に深いシワをよせ鋭い眼差しを立方体のガラスに向け両手で銃を撃っている姿。
立方体のガラスの中には鏡があり、外側のガラスは割れずに、中の鏡だけが割れている。
「パイソン様、今日は、4人だけですか?」
1人の少女が中央に座る龍に話しかける。
その少女は白い髪で、ツインテールを首元まで下げており。
右目は虹色の眼帯をつけている。左目は青い瞳。
服装は黒く。ドレスを身につけている。
「そそ、みんな元気かい?今日も撃ってるか〜?」
軽い口調でそう言った、銀色の漢竜は口に咥えた煙管を少し吸った。
*漢竜 性別 男性の竜。
「うん! 撃ちまくったおかげで私のファーストウェポン も強く、カラフルになりましたー!」
* 銃の帝国 では
ファーストウェポン (竜技)
セカンドウェポン (竜力)
サードウェポン (竜能)
と呼ぶ。
「おお、そうか。 いいじゃないか、確かソレイユちゃんだっけ? 君 」
「はい!そうです! ほら、あんたも挨拶しなさいよ!」
ソレイユは隣にいた黒と紫の鱗が所々混ざった竜に話を促した。
「えっ!俺!? ここで!? なんで!?
...あの...お初っす...ウィルっす....」
「おお、あんたがウィルか!最近、銃帝六射になったやつがいるって聞いたな、そういや....」
紫と黒の鱗が混ざった竜は赤い目をしており、眉間の方からは3本の白い髪が頭上に沿って逆立つように伸びている。
また両頰から紫色の太めの髭が2本首元に水平になるように伸びていた。
「君はどんなファーストウェポンを持っているんだ?」
「えっと....自分はこれっす」
ウィルはそういうと手に漆黒に染まった自動拳銃を発現させた。
「えっと、『射導』って言うっす 」
「なかなかに、クールだな、そりゃ」
パイソンは吸っていた煙管を置くと。はなしを続ける
「あっ、そうそう、さっき、ボマードから、言われたんだよな、侵入者だってよ。」
「ほう、侵入者か!おい、 パイソンとか言う奴!俺に任せるのだ!
撃ちがいのある、骨のある相手だといいのだが....」
がっしりとした太めの声の漢竜がそう言う。
全身筋骨隆々で赤い鱗と黄色の鱗で覆われている竜でその目は黄色くなっている。
頭からはギザギザの赤い角が中央から生えており。耳元には黄色いリングをつけている。
その顔の表情は鰐のように凶悪そうだ。閉じている口から牙が2本外側に出ている。
「たしか、バロウだっけ?」
「あぁそうだ!」
「この1年何してたんだ? 」
「1年中暴れてたな!」
「そうか....だから人気が無くなるんだなこの国....」
パイソンは前までこの国が人気が少ないのを心配していた。
「ガッハッハ!、しかし、1年ぶりに来たら、銃帝六射の中央の席にお前がいるではないか」
「お前、強いのか? 」
バロウは疑問に思っていた。
「えっ、なになに?なんだって?」
パイソンは苦笑いをして返した。
それまで、黙ったままだった。青いカーディガンを着た、金髪の女性が話に割って入る。
「やめなさい、揉め事は勘弁!」
「黙れ、女!」
バロウは一蹴する。
「そう言うあんたはうるさいワニドラゴンね!」
「わに? なんだそりゃ!」
「ふっ!そっくりじゃないの。」
金髪の女性は吹き出し、不敵な笑みを浮かべバロウを見つめる。
「悪い、あんた、誰だっけ?」
パイソンは申し訳なさそうに金髪の女性に聞く。
「あぁん? 私はマーレアよ!マーレア! 銃帝六射の古株よ! 招集には毎回来てるわ!
あんたとは前にも会ってるでしょうがぁ!」
...そう言えばいたかも...あんま喋ってなかった気がするが。
こんな激しい奴だとは思わなかったぜ。
パイソンは1年前の事を思い返す。
「ソレイユ、俺なんかもう帰りたいっす、なんか...お腹が痛い」
ウィルは頰の髭を少したらし、少し青ざめた顔でソレイユに言った。
「何言ってんのよ、相棒! 話はまだ終わってないわよ!
それとも一緒にトイレ行きたいの? 」
「いや、それは勘弁っす.....」
「オッケー!とりあえず、落ち着こう、みんな。」
パイソンはみんなの注目を集めた。
「なぁ、だったらよ、この中で俺が銃帝六射の頂点にふさわしいか確かめてみろよ。
いきなり、俺が出てきて納得いかない奴もいるみたいだしな...」
「俺だな!」とバロウ。
「私もよ! 忘れられてたなんて気に入らない!」
とマーレア。
「うん、分かった、じゃ、お前ら今からみんなで俺を殺してみろ。」
テーブルの上に片足を踏み、右腕を膝に乗せた銀色の竜はみんなにそう言った。いつの間にか手に銃を持っている。
「え? パイソンさん? 何言ってるんすか?」
「もう、いいじゃないの、相棒! やるわよ!」
「自信満々だな、存分にやらせてもらうぞ!」
「ますます、気に入らないわ、その態度!」
パイソン以外の 銃帝六射は皆ファーストウェポンを構えた。
「射導!」
「放眠口!」
「爆図火!」
「爆流貫!」
一斉に射撃する。
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数分後一室に立っていたのは銀色の竜ただ1人だった。
「みんな、あっさり、逝っちゃうな....ほら、起きろ」
パイソンは血を流し倒れている4人に銃を撃つ。
「リカバレット。」
******
更に数分後。
「これでみんな分かったかい?」
「...あぁ、確かに強いな!俺は従おう。」
とバロウは少し大人しくなった。
「完敗だわ!...でも次は 殺るから」
マーレアは少しパイソンが気に入った。
「私、何されたのか、全然分からなかった、パイソン様早すぎ!ねぇ!ウィル?」
「本当にそうっすね...ていうかイタタタ......首が.....」
「おっと、悪かったなウィル、あんただけちょっと撃ち所悪かったみたいだな!時期に治るからな...」
「んじゃ、俺が頂点ってことでよろしく 。名乗っておくぜ。
おれは三重の美芸、 応射竜パイソン。"銃躙の龍神"な!」
「それと、銃帝六射のみんなには侵入者の撃退を頼むわ。
一応ボマードとシュールには先に行かせてる。
後訳あってスレイプニルとラメアっていう竜がここに来てるから、そいつらは客人だから手は出すなよ!」
4人は承諾し、それぞれ3手に別れた。
「行くわよ!相棒!」
ソレイユは虹色の眼帯を抑えて言った。
「了解っす!はぁ、帰りたいっすね。」
(まだ、首いてぇー....)
「さぁて、骨のある侵入者だといいがな」
「あんた、来ないでよ、私の 狩場に」
「黙れ、女」
「あぁん? このワニドラゴンが!」
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少年ソウと稲妻龍ジルと空創竜ウラノスは電車に揺られていた。
「どうですか? お茶でも?」
カートを運んできていた、ソウと同じ身長位の少年がお茶を配る。
「ん、ありがとう! ...ジルさん、はい、お茶!」
「なんだ、これは?」
ジルはお茶を初めて見るようだ。
「飲んでみたら?あっ、ウラノスさんもどうぞ!」
「ありがとう、ソウくん」
群青色の竜ウラノスも受け取る。
「それじゃ、ごゆっくり....」
少年は電車の奥へと行く。
「ソウ、これかわってるな!なんか薬草を食べたあとみてぇだ....」
ジルは初めて飲む味だったようで驚いていたようだ。
苦手そうではなかった。
「ちよっと苦いかな?」
「あーそうそれ、それが言いたかったぞ」
「この電車はどこまで向かうのだろうか?」
ウラノスは行き先を頭の片隅で気にしていた。
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一行は行き先が分からないのに 何故銃の帝国の電車に乗っていたのか疑問にすら思わなかった。
この時すでに攻撃を受けていた。
引き寄せの休息を。
次回、電車での戦闘回を描く予定です。




