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竜技の師と弟子  作者: 鷹城
第3章 銃の帝国編
35/112

第35話 発端

初めましての方は初めまして

不定期投稿ですがよろしくお願いします。


★★★


三重(みえ)美芸(びげい)は一通り紹介を終えて、いつものように、三重の美芸の目的を共有した。


「それにしても、ログ、あなたはまた封刃(ふうじん)一族の村を1つ滅ぼしたのね? 」


ウェルディートはログの功績に尊敬の念を込めて言った。


「いや、俺は"記憶を奪った"だけだ、殺してはいない 」


「いいわねぇ、あなた、何だっけ、えっと

"操憶(そうおく)龍神(たつじん)だっけ?

記憶を奪うことで封刃一族を無力化出来るなんて

素晴らしい力だわ

私なんてエッグい事しないと無力化出来ないんだよね

もうね、"封刃の意思"を抑える為だといえ、

命を奪うのは心が痛むわ...」


心待(しんじ)竜ラメアが話しかける。


「ログでいい...君はどんな方法で無力化を? 」


ラメアは少し引いた。


「えっ、それ聞いちゃう!? エッグいよ、本当に

....病むよ?...心が...まぁ、後で個人的ならいいけど

聞きたい人にだけなら教えるねぇ 」


「ラメアといったか、余はそなたに相談があるのだが 」


頭から2本の角が生えた黒い竜がラメアに話しかける。


「私、結構忙しいわね、ログに無力化の方法教えないといけないし、"神速(しんそく)龍神(たつじん)"と"竜創(りゅうそう)龍神(たつじん)"にも話しないといけないなんて

アッハッハッハッ〜」


ラメアは声高らかに笑う。


拙者(せっしゃ)(それがし)

笑っておる理由が分からぬ 」


(というか....此奴(こやつ)......喜んでおるのか?

拙者にはそう見えるが....(ほお)が夕日に染まっておるぞ....)


「ふふ、面白いのはこれからだぞ、どうだ? ラメア

余の話に興味は無いか? 」


「分かったわぁ! 後で順番よく聞くからね! 」


水色の竜、凍扇(とうせん)竜シャーレアは話す。


「そろそろ(わらわ)は引き上げるがよいな?

城で用事があるのよ...」

(妾すっごく寝たい....)


「えぇ、これで今日の集まりはこれまで....

みんな、引き続き、封刃一族の無力化を続けましょう.....」


「達者でな」


「承知した」


「えぇ、じゃ私の話をするね.... 」


「うむ」


「あぁ」



識竜(しきりゅう)ウェルディートは薄暗い森の広場を立ち去ろうとする。


「待ってくれ、ウェルディート.....」


ログは聞きたいことがあった為ウェルディートを呼び止める。


「どうしたの、ログ? 」


「聞きたい事がある 」


「封刃一族のことなんだが....」


ログは今の想いをウェルディートに話す


「殺さず、記憶を消さず、

封刃一族を無力化する方法?」


ウェルディートは頭に人差し指を当て、考える。


「いくら、私でも"そんなの知らない"....

あなたが1番身を持って"知ってる"はずでしょ?

...三重の美芸で1番、

封刃一族の無力化数が多いあなたが......」


********


....やはり、駄目か...封刃一族を救う方法はないのか....


世界中の竜を滅ぼさないようにする事は出来ないのか.....


...心待竜ラメアの無力化方法を聞いたが...

......出来れば、忘れたい...


ログは皆と分かれ休む場所を探し当てもなく歩く。


ログは山を歩いていた、周りはログよりも大きい木々が生い茂り薄暗くなっている。


夕日もそろそろ沈みかけていた。


「おい、待て! そこの竜 」


後ろから少年の声がした。

振り返ると鈍器を持った少年がログを睨みつけている。


「お前、僕の住んでいた村の人々の記憶を奪ったやつだな!」


...小さい、俺の半分くらいだろうか....おそらく封刃一族の...

爪が反応している。


三重の美芸は封刃一族が近づくと爪が反応を示す。


光ったり、風を感じたり、温度を感じたり、


竜によってさまざまだ。


「やめろ、俺は君を殺す気はない....

今逃げれば、追わない、俺に構わなくていい....」


「ふざけんな! 村の皆に襲いかかっただろ! 」


少年は鈍器を構え。今にも襲いかかりそうだ。

ログは少年の足が震えているのに気付いた。


「...やめろ、怯えているのが俺には分かる」


ログは少年を無視して山を降りる。


「うぉぉぉぉぉぉ!」


少年は意を決したのか鈍器でログを思いっきり殴る。


バキッ!


しかし、ログの頑丈な岩の肉体は鈍器を壊す程だった。


「このっ、くたばれ、くたばれよ! 」


少年は折れた鈍器でログに叩きつける。


ログはそれに動じず無視して山を降りる。

やがて、少年は諦めたのか追いかけて来なくなった。


「...返せよ...お父さんとお母さんを....」


少年は泣き崩れた。


ログは少し遠くで聞き覚えのある声が聞こえた。


「おい、小僧、そなたは、封刃一族なのか?」


ログは振り返った、頭に2本の黒い角が生えた竜

原染(げんせん)竜スレイプニルだ。


「おじさんは誰?」


スレイプニルはニャっと笑い鋭い歯を少年に見せ言う。


「もちろん、余はそなたを殺す者だ 」


スレイプニルは手のひらを少年に向け黒光りした尖った爪を見せる。


少年は恐怖で尻もちをつき、あとずさりする。


「くるなぁ!こっちにくるな!」


スレイプニルは無慈悲に爪で貫こうとする。


その刹那


「......!?」


床の木の葉が衝撃で舞う。渦を巻く。

あまりにも大量の木の葉がスレイプニルの顔の辺りまで

舞ったためスレイプニルは一瞬視界を奪われた。


「もう一度言う、少年....

今、逃げれば、追わない、追わさせない」


ログは砕練刀(サイレント)によってスレイプニルの爪の一撃を受けていた。


「そなた....正気か? いずれ、其奴(そやつ)は封刃の意思に縛られ暴走するのだぞ?」


「お前!? なんで!? 」

少年は突然の状況を理解するので精一杯だった。


「気にするな、早く!」


少年は逃げる。






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