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竜技の師と弟子  作者: 鷹城
第2章 龍治院編
17/112

第17 ハーティリフレイス

初めましての方は初めまして

不定期投稿ですがよろしくお願いします。

 ここは龍治院1F、辺りはガラスの破片、壊れた本棚の木片が散らばり一目見ても異常だと気付ける状況だった。

 少年ソウとその師、稲妻竜ジルは1Fで遭遇した、闇劇家あんげきかの1人、茜色をした龍、初恋ういれん竜ピアと闘い、ソウの強運によってなんとか勝利を果たした。


「ジル! 」


 ソウはピアとの戦闘で爆発に巻き込まれたジルの場所に向かう。ソウも頭と腕から血を流しており、危篤と言える状態までには及ばないが、止血の必要がある。


 ソウはジルを見つけた。ジルもまた所々出血しており、傷だらけになって倒れている。


 周りを見渡すと木の棚の上に植木鉢があり、傷の治療に使える薬草が生えている。


(やっ、薬草だ! そうか、ここは龍治院、た、助かった....)


治薬磁チャージ!」


 ソウは近くの植木鉢に生えている薬草を取り出し、手の平に雷の輪を発現させジルの身体の傷の応急処置をした。


 治薬磁チャージとは薬草を電気に変換し、電気治療を通して体内に薬草の効果を浸透させる。

 他には電気治療としての役割も備える、ソウが持つ竜能りゅうのうである。


 治療を続ける途中でソウはジルに腕を掴まれた。


「……ソウ、もういい」

 ジルはゆっくり立ち上がった。ソウも立ち上がって言った。


「ジルさん、もう少し、治療を続けないと......」


 稲妻竜はジルを見ていった。


「あぁそうだな、だがまずはお前の傷から治しておいた方がいいぞ、薬草も残り少ないだろう」


「えぇ!? でも僕よりジルさんの方が重傷だよ?」


 こつんっ

 ジルはソウの頭に拳骨を入れた。


「あのなぁ、龍の身体は人間よりも丈夫に出来てる! それに薬草はここにはたくさんあるぞ!」


「分かったよ! じゃあ3本ある内の2本は僕に使うよ! でも残り1本はジルさんに使うからね 」


 ソウはジルの目を見つめそう言った。少し目が潤んでいる様に見えた。


 こつん……ジルはそっぽを向きソウの頭に拳骨をいれた。


「ちっ、しょうがねぇ、分かったよ、そうしろ 」


(この拳骨、全然痛くないや)


 ソウは自分の治療とジルの治療を始めた。


「駄目だ、もっと薬草が必要だよ、ロウラさんに会えればもっと良くなるし 」


「あぁそうだな、まずは出口より先に治療をしねぇとな、お前の。」


「はいはい、丈夫なんですよね、ジルさんは......」


 そう言った少年ソウの表情は笑っていたが、すぐに青ざめた。


「どうした? ソウ?」


 ジルは後ろを振り返った。茜色の竜が......倒れていたはずの茜色の竜が立ち上がっていた。


「なっ!?」


 茜色の竜の身体をピンク色の光が波紋状に包む様に広がっていく。真っ黒コゲだった傷は全て治りいつも通りに戻ったようだった。


 茜色の竜は目を煌めかせていった。



「良かった、本当に良かった、時間は掛かったけど最終的には雷が"好き"になれて 」



雷降ライフル!」


 ソウは雷の猟銃をピアに放つ。ピアの心臓に雷の紋章が当たりそのまま激しい雷鳴が落ちた。


「だめだねぇ、私は"雷"が"好き"なのぉ。」


 先程は真っ黒コゲになり、すぐに倒れたはずが即座にピアの身体をピンク色の波紋の光が傷を高速で治していく。


「私の竜能りゅうのう傷心再生ハーティリフレイスはねぇ、好きな物から受けるダメージをすぐに治すのよぉ……つまりぃ……それは好きなものに対しては"無敵"ってことぉ」


「そ、そんな無茶苦茶な治療系の竜能があるなんて!?」


 ピアは笑った。


「フフフッ、あったわねぇ......この私にねぇ!」


怒雷武ドライブ!」


 ジルは雷で生成された刃をピアの首に振った。


「"雷"が駄目なら"斬る"!」


 ピアの首は一瞬離れた様に見えたがすぐに治った。


「えへっ!斬撃は前から"好きだった"わぁ」


「くっ!」


 ソウはジルに言った。


「ジルさんこいつには敵わない! ここは逃げよう!」


「ちぃっ! キリがねぇな!」


「逃げないでよぉ〜」


 ピアは爆発物である棘、右裁榴ミサイルを持ち追いかける。

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