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マイ・セレナーデ
ちょっとマシになりました
君がいないこんな日に限って
星も月も見えないから
夜の歌を聴くしかなかった
遥か昔の遠い地で
こんな僕と似ても似つかぬお貴族さまが
見栄っ張りに愛した和音が
収縮しようとする脳を揺らして
ネオンを追い出してゆくよ
普段聞き取れないコーラスとか
今なら歌えるかもって口ずさむ
変だなぁ
思い描く音と違う音が喉から出てるや
歩幅は小さく 呼吸は遅く
だけど真ん中のビートは強く
ああこんな日に限って
どうして星も月も見えないんだ
利かない夜目が探り当てた石ころを
蹴ったところで行き先は不明
ああこんな日に限って
星も月も見えないのは ひょっとすると
自分で明かりを作れってことで
自分の明かりを掴めってことで
こんな夜に限って君から電話してくるんだから
困ったもんだよなぁ